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唐揚げ、コンビニ、傘

「僕ね基本的に寿弁当の唐揚げが世界一美味いって思ってるけど、時々ここが世界で一番だって確認したくなることがあってそういう時ていてもたってもいられなくなってコンビニに行きたくなるんだよね」
「言い訳はそれだけか。買ってきた煙草は没収だ。俺の傘も返せ。次無断外出やったら靴没収だからな」

ふとん、ぬいぐるみ、雑誌

先日雑誌に掲載された音也の写真が思わぬ波紋を呼んでいる。タオルケットに包まって幸せそうな寝顔をさらしているというものだが、ぬいぐるみのようにギターを抱いて寝ているのだ。音也ファンは今更ギター少年になったつもりかこの天使と言い那月ファンはそういうのはうちの領分でしょと息巻いている。

プリン、オムレツ、食卓

「で、卵尽くしとなったわけですか」
食卓にはオムレツをはじめ卵料理が多く並んでおり、冷蔵庫にはプリンもあるということだった。あまりにもしょげ返っている春歌を見てトキヤは思わず笑みをこぼした。
「驚いて卵を落とすなんて君らしいですが、もう少し呼ばれ慣れて欲しいですね? 一ノ瀬春歌さん」

ポスター、壁、パネル

「お前なー、どうして俺のポスター玄関になんか貼ってんだよ」
「え? パネルに入れたほうがよかった? あれ一番翔ちゃんが格好よく映ってるって思うんです。壁に穴を開けるのはよくないよって音也君に聞いて」
「そういうことじゃねえよ」
「もうすぐ翔ちゃんにただいまって言えなくなるから」

スプーン、ケーキ、ロウソク

「今日は何の日か知ってるー!?」
MC中の音也の問いかけに観客はうちわやサイリウムに黄色い声を添えて応えた。ステージではレンと真斗によるハッピーバースデーとともにケーキが運ばれてきた。ケーキには2人の年齢を足して10で割った5本のロウソクが立っている。前に立つと那月と翔は仲良く息をそろえて吹き消した。
「では2人とも、ケーキを食べてください」
「わーい。じゃ翔ちゃん、あーーん」
トキヤに渡されたスプーンで那月は自分より先に翔に差し出す。ドームは先ほどよりもっと大きな歓声で埋まった。これはもう食べるしかないと翔は口を開けた。

帰路、待ち時間、お土産

たっぷり30分かけて歩いても衝撃が収まらないようで同行者はタオルをかぶったまま泣いている。帰路の待ち時間に鞄を開く。中にはピンクのリボンを巻いたピヨちゃんが入っている。公演中に那月が投げたものだ。これが手元に来たこと以上に「活動休止」が重くのしかかる。そんな土産はいらなかった。

終電、ついったー、かむ(かみしめる)

「北海道なう!」
仕事が終わった足で羽田に直行して空港内を全力疾走して北海道に飛んだ。空港から札幌行きも終電に滑り込むような状態でようやく一息ついてtwitterを眺める。前日に急に仕事が入るなんてついてなかったけど来れてよかった。明日のコンサートに向けてひたすら喜びをかみしめる。

指輪、ピアス、ネックレス

「翔ちゃんの薬指のサイズ公開されてないかなあ」
「何ペアリング作ろうとしてるの馬鹿なの」
「だって誕生日おめでとうリング可愛くない? やばくない?」
「あたし指輪よりピアスとネックレスのセットがいい。黄色とピンクでちょうかわいい」
「戦争だよね」「前日入りにしてよかったね始発で並べるよ」

スマホ・ポーチ・カラビナ

那月の鞄には黄色のカラビナがついている。いつもここにポーチやスマホなど重要な物がぶら下がっている。1度スマホを地面に落として再起不能なまでに割ったことから翔が付けたものだ。物販にも似たものが売られていたがこれは「お前の馬鹿力でも壊れないように」とクライミングにも使える特注品だ。

タブレット、指紋、イヤホン

コンサート期間中のトキヤは前回の映像を事務所でもらってタブレット端末で見てることが多い。「べたべた触らないでください指紋がつきます!」とか「そのイヤホンを離しなさい」とか「勝手に巻き戻さないでください」とか度々音也とやりあってて飽きねーなって思う。人の事言えた義理じゃねえけど。

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