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2014年04月13日

那月で『惚れ直した?』

「その顔だけでも分かるけど僕としてはやっぱり言葉で聴きたいなあ。僕の我儘聞いてくれるなら今思ってること聞かせて」
他には聞かせないからとばかりに壁際に詰め寄って屈んで耳を寄せてくる。首筋からは深い森にいるような落ち着く匂いが漂ってきた。背後の壁に手をつかれてもう逃げようもなかった。

トキヤで『手だけつないで』

「おやおや、繋ぐのは手だけではありませんよ」
トキヤは腰に腕を回してふたりの間にあったわずかな距離さえも縮めてしまった。
「エスコートというからにはこのぐらい寄り添っていただかなければ不審がられますよ。君は今だけ作曲家ではなく一流の女優だと思ってください。周りが注目していますよ」

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