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那月で『惚れ直した?』

「その顔だけでも分かるけど僕としてはやっぱり言葉で聴きたいなあ。僕の我儘聞いてくれるなら今思ってること聞かせて」
他には聞かせないからとばかりに壁際に詰め寄って屈んで耳を寄せてくる。首筋からは深い森にいるような落ち着く匂いが漂ってきた。背後の壁に手をつかれてもう逃げようもなかった。

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