日傘、塩飴、水分
- 2013/07/07 20:03
- Posted by minami_hato
- Category:お題 on twitter
- Tag:音也, トキヤ
夏のトキヤは辛そうだ。日焼けしたくないといって頻繁に日焼け止めを塗りなおしてるし、大体いつも長袖にサングラス、男性向けもあるとはいえ日傘も愛用している。鞄の中には水もふだんの蜂蜜飴に追加して塩飴も入っている。いざとなれば汗の量もコントロールするトキヤは普段は割とだらしない。
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Tag: トキヤ
夏のトキヤは辛そうだ。日焼けしたくないといって頻繁に日焼け止めを塗りなおしてるし、大体いつも長袖にサングラス、男性向けもあるとはいえ日傘も愛用している。鞄の中には水もふだんの蜂蜜飴に追加して塩飴も入っている。いざとなれば汗の量もコントロールするトキヤは普段は割とだらしない。
ビニール傘だったからいいけどこの豪雨で傘泥棒とかほんとやめてほしい。びしょ濡れで帰ると大体トキヤがその濡れた靴下であがらないでくださいってバスタオルを持ってきてくれる。その次は風邪引かれたら迷惑だから温まりなさいっていう。怒ってるのかと思ったけど分かりにくい優しさだって分かった。
「トキヤの休日ってさ一人暮らしの女子っぽいよね」
「何が言いたいんですか」
「掃除してー買い物に行ってーご飯作ってー肌ケアとかしてー」
「その食事をたかりに来ているあなたが何を言ってるんですか。それより部屋は片付けてるんですか? 埃なんか溜めてたら体に悪いですよ」
「トキヤ母さーん」
「終電で帰るからいいんです!」
「トキヤアイドルの癖に何言ってんの。帽子ちゃんとかぶってね忘れ物しないでね携帯ちゃんと持っててね」
「音也の癖になまいきです! 私が普段どれだけ心を砕いてると思ってるんですか」
「はいはい。笑ってないでレンも手伝ってよ! この飲み会主催レンでしょ!」
「で、卵尽くしとなったわけですか」
食卓にはオムレツをはじめ卵料理が多く並んでおり、冷蔵庫にはプリンもあるということだった。あまりにもしょげ返っている春歌を見てトキヤは思わず笑みをこぼした。
「驚いて卵を落とすなんて君らしいですが、もう少し呼ばれ慣れて欲しいですね? 一ノ瀬春歌さん」
コンサート期間中のトキヤは前回の映像を事務所でもらってタブレット端末で見てることが多い。「べたべた触らないでください指紋がつきます!」とか「そのイヤホンを離しなさい」とか「勝手に巻き戻さないでください」とか度々音也とやりあってて飽きねーなって思う。人の事言えた義理じゃねえけど。
裏口のほうで待ってるからと連絡を受けてトキヤは珍しく傘を差さないで服が濡れるのも気にしないで走った。目の前には派手な赤い車が止まっている。トキヤは確認もしないでその車に滑り込んだ。
「滴ってるねーイッチー」
「茶化さないでください。それで四ノ宮さんは見つかったんですか」「まあね」
(タイトル+音也がトキヤに向かってひまわりを差し出した所で続きを考えてくださいってTLに流れてきたのを受けて)
(ベタにtwitterからコピペした)
「ひまわりが好きってあなた夏生まれなんですか?」
「俺? 俺4月生まれだよ。おにいさんは?」
「私は8月生まれです」
「じゃこれはおにいさんのための花だね。もうちょっと先だけど誕生日おめでとう」
「ちょっと増やしすぎですよ。気持ちは嬉しいですがいただけません。せめてお金は払わせてください」
「お金もらっちゃったら誕生日プレゼントになんないだけどなあ、そうだおにいさんこれから暇? 飲みに行かない?」
「時間はありますが……私飲めないので」
「別にかしこまったとこじゃないよ。俺の行きつけの洋食屋そこの商店街にあるんだ。俺あと30分であがりだからその辺で待ってて!」
そうして音也が案内してきたのは商店街の大通りから1本奥に入ったちいさな洋食屋だった。店の外には本日のディナーと書かれた黒板型メニューが出ている。「キッチンパセリ」と書かれた看板を横目に2人は店内へ入った。
「ここオムライスが美味しいよ」
「あなたも変わった人ですね」「え?」
「店先で時々世間話をする程度の人間と夕食をともにしたい人なんてはじめてみました」
「この商店街割とそういう人多いしね」
オーダーをすませてどこに住んでるだの仕事の話や雑談をしていると店の奥からコック服を着た白髪にオッドアイの男が出てきた。手にはギターケースを持っている。
音也のところまでやってくると「おう、修理終わってんぞ」と短く伝えるとケースを置いてまた厨房へ戻っていった。
「ギター弾かれるんですか?」
「ちょっとね。この商店街実はアマチュアオケがあるんだよ。そこの人とたまに演奏してたりするね。さっきの人は蘭丸先輩っていってベース弾いてるんだ」
おにいさんは、と尋ねるとトキヤは少し考えた後話し始めた。
「昔は色んな楽器を習ってましたが最近は歌うぐらいですね。……ああ、もうこんな時間ですか。明日があるのでそろそろ失礼させていただいても」
時計はもう21時近くを指している。誕生日だってことだったしここの支払いは俺がという音也を制してそれぞれに支払って外へ出た。
「俺音也っていうんだけどおにいさん名前は」
「そういえば自己紹介はまだでしたね。一ノ瀬トキヤと申します」「今度は一緒に音楽でも。他の皆にも紹介するよ」
ストリート出身のちの人気デュオとなるW1の出会いはこんな風にはじまった。
あたしみたいなさぼりの学生しか乗ってない時間帯なのに珍しく人が乗っている。背が高くてスタイルもいい、高そうなスーツを着ている。都会から来た人だろうか。観察していると小さな声で電話してる声が聞こえた。……この声、知ってる。一ノ瀬トキヤだ。活動休止して、こんなところにいたんだ。
(電話が入らなかった)
アイドルにならなければ、という定番の質問をされて「神宮寺レン」というイメージから外さない回答をした。寝る前になってまたふと思い出してまた考えてみるが聖川みたいに堅苦しいスーツを着て電車に揺られる自分は想像できない。ほかも同じだ。何度考えても舞台の上。もうこの生き方しかありえない。
(スーツが入らなかった)
「温故知新ふたたび」では収録中の移動としてたびたび電車が使われる。そのたびに「切符の買い方が分からない」「どうやって携帯電話で乗換えなど調べたのだ」と一ノ瀬に真剣に相談する聖川が一部で人気を博している。何事も真剣味が過ぎて逆に笑いを誘っているのだというのは誰の言葉だったか。
「トキヤが今度出すアルバムさあ、タイトルに虹って入ってんだね。虹色の船」
「それがどうかしましたか」
「俺たちみたいだよね。マサとかセシルとか翔とかと組んでたらそんなのも出したのかなあ。ああいうの楽しそう」
「音也、先輩方と競作するユニットの話聞いてないのですか?」
「何それ!?」
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