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2014年05月11日

那月で「頑なに拒む両手」

翔の手はしっかりと両手で那月の腕を掴んでいる。同性とはいえ那月の力なら余裕で振り切って逃げられるだろう。でもさっき正面から翔の顔を見てしまった。説明するまで俺の前から消えることは許さないという気迫に溢れていた。もうすぐ藍も追いついてしまう。潮時だ。翔のあの瞳には勝てない。

音也で『寂しいなんて言えない』

準所属になって数ヶ月が経った。翔とは現場が同じことになることが時々あるけど他の皆とはほとんど顔を合わせない。何より16年間ではじめて誰もいない部屋に帰るのが地味に堪える。あんなに好きだったはずなのにカレーも味気ない。皆自分の足場を固めるのに必死なんだろう、それは音也だって同じだ。

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