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2014年03月18日

那月 『パスワードは2万通り』

自分の気持ちはどんな道を通ったとしても2万通りの組み合わせでやり直しても最後に到着する場所は一緒だ。でも向こうは?とふと考えて恐ろしくなる。困難を潜り抜けた先にまだ待っていてくれる保障などどこにもないのだ。不在着信を見ながら掛け直す勇気はまだ持てない。初夏の夜はぬるく過ぎていく。

音也 『何を今更、』

「今更そこの確認からされるの!? 俺はトキヤが一番だって思ってたのに!」
 青天の霹靂だった。
あの写真を撮られ放題で来た音也が授かり婚ではなく穏やかに秘密裏に愛を育んで結婚するのだという。親友のトキヤにお願いがあるというから思わず私でいいのですかと聞き返してしまった。

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