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Tag: 音也

飲み会、終電、忘れ物

「終電で帰るからいいんです!」
「トキヤアイドルの癖に何言ってんの。帽子ちゃんとかぶってね忘れ物しないでね携帯ちゃんと持っててね」
「音也の癖になまいきです! 私が普段どれだけ心を砕いてると思ってるんですか」
「はいはい。笑ってないでレンも手伝ってよ! この飲み会主催レンでしょ!」

タブレット、指紋、イヤホン

コンサート期間中のトキヤは前回の映像を事務所でもらってタブレット端末で見てることが多い。「べたべた触らないでください指紋がつきます!」とか「そのイヤホンを離しなさい」とか「勝手に巻き戻さないでください」とか度々音也とやりあってて飽きねーなって思う。人の事言えた義理じゃねえけど。

格子、滑走路、走る

「那月も見送りに行けばよかったのに」
滑走路が一望できる公園のフェンスにもたれかかっている那月を見て音也は呟いた。
「翔ちゃんは夢に向かって走っていったから僕も頑張ります。胸を張っておかえりって言える僕になりたいんです」
決意がみられる言葉とは裏腹に表情は不安交じりで不安定だった。

花屋の音也とリーマントキヤの話

(タイトル+音也がトキヤに向かってひまわりを差し出した所で続きを考えてくださいってTLに流れてきたのを受けて)
(ベタにtwitterからコピペした)


「ひまわりが好きってあなた夏生まれなんですか?」
「俺? 俺4月生まれだよ。おにいさんは?」
「私は8月生まれです」
「じゃこれはおにいさんのための花だね。もうちょっと先だけど誕生日おめでとう」
「ちょっと増やしすぎですよ。気持ちは嬉しいですがいただけません。せめてお金は払わせてください」
「お金もらっちゃったら誕生日プレゼントになんないだけどなあ、そうだおにいさんこれから暇? 飲みに行かない?」
「時間はありますが……私飲めないので」
「別にかしこまったとこじゃないよ。俺の行きつけの洋食屋そこの商店街にあるんだ。俺あと30分であがりだからその辺で待ってて!」
そうして音也が案内してきたのは商店街の大通りから1本奥に入ったちいさな洋食屋だった。店の外には本日のディナーと書かれた黒板型メニューが出ている。「キッチンパセリ」と書かれた看板を横目に2人は店内へ入った。
「ここオムライスが美味しいよ」
「あなたも変わった人ですね」「え?」
「店先で時々世間話をする程度の人間と夕食をともにしたい人なんてはじめてみました」
「この商店街割とそういう人多いしね」
オーダーをすませてどこに住んでるだの仕事の話や雑談をしていると店の奥からコック服を着た白髪にオッドアイの男が出てきた。手にはギターケースを持っている。
音也のところまでやってくると「おう、修理終わってんぞ」と短く伝えるとケースを置いてまた厨房へ戻っていった。
「ギター弾かれるんですか?」
「ちょっとね。この商店街実はアマチュアオケがあるんだよ。そこの人とたまに演奏してたりするね。さっきの人は蘭丸先輩っていってベース弾いてるんだ」
おにいさんは、と尋ねるとトキヤは少し考えた後話し始めた。
「昔は色んな楽器を習ってましたが最近は歌うぐらいですね。……ああ、もうこんな時間ですか。明日があるのでそろそろ失礼させていただいても」
時計はもう21時近くを指している。誕生日だってことだったしここの支払いは俺がという音也を制してそれぞれに支払って外へ出た。
「俺音也っていうんだけどおにいさん名前は」
「そういえば自己紹介はまだでしたね。一ノ瀬トキヤと申します」「今度は一緒に音楽でも。他の皆にも紹介するよ」
ストリート出身のちの人気デュオとなるW1の出会いはこんな風にはじまった。

アルバム、虹、船

「トキヤが今度出すアルバムさあ、タイトルに虹って入ってんだね。虹色の船」
「それがどうかしましたか」
「俺たちみたいだよね。マサとかセシルとか翔とかと組んでたらそんなのも出したのかなあ。ああいうの楽しそう」
「音也、先輩方と競作するユニットの話聞いてないのですか?」
「何それ!?」

バス、夜中、チケット

こんな夜中まで起きて外にいるのは初めてだ。場内はまだざわついている。改めて鞄の中のチケットを見た。もう夜行バスしか手段が残ってなかったけど来てよかった。新年の瞬間に全員でジャンプするST☆RISH可愛かった。なっちゃんフライングしてたけどあの滞空時間すごい。バスケ選手みたい。


舌、赤い、スプーン

「あなた、そのラーメンどうするつもりです?」
冷ややかな目を送ってくるトキヤに音也はたじたじとなってお椀を見た。ラーメンに豆板醤入れると美味しいよなんてレンに聞いて実践したら入れすぎた。不精しないでスプーンを使いなさいというトキヤの忠告を無視してたら舌に対する兵器ができてしまった。

降る、角、音

早乙女学園を卒業して準所属の身になった。寮は1人部屋で広いけど何の音もしない。部屋を散らかしても食事をしなくても角を生やしたトキヤの小言が降ってくる事もない。早く自立するためにこの世界で生きていくと決めた。14歳の俺の夢は叶ったけどなにか大事なものが欠けた気がする。

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