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音也とトキヤで『愛してはいるんだけど』

「どうするつもりですか? これから撮影ですがまさか放り投げるつもりですか?」
「そこまで来てるらしいし話する。トキヤも同席してくれない? こういうのって誰かがいたほうが冷静になるもんでしょ」
「……構いませんが、本当にあなたって人は」
「俺はそういう面倒なとこも含めて好きなんだけどね」

トキヤで『愛の逃避行』

「相手は何をされている方なのですか。あなたが隠し通せるぐらいですから同業者ではないでしょう」
「えー、あ、ちょっとまって電話だ」
トキヤに背中を向けて電話を始める音也の声が聞こえてくる。その声の優しさに驚いていると音也に腕をつかまれた。
「どうしよう反対されたから駆け落ちしたいって」

トキヤで『縁のない話』

「レンと並んで週刊誌を賑わせる男でしたし遊んでばかりで結婚など縁のない話だと思っていました」
正直にそう告げると音也は20代後半にもなって唇を尖らせて不満を口にした。
「今度は本気だから秘密にしてたんだよ。で俺はトキヤに友人挨拶をして欲しいんだよ。ちなみにれいちゃんは乾杯の係ね!」

那月『出来るなら苦労はしない』

こんな時さっちゃんならどうしただろうと、いなくなってしまったもうひとりの自分に語りかける。強くなりたいと願ってもどうすればいいのか分からず星を掴むより難しいことだった。見上げれば月が随分と高くまであがっている。どれぐらい歩き続けたのか見当もつかない。波の音以外に帰る音もなかった。

那月 『パスワードは2万通り』

自分の気持ちはどんな道を通ったとしても2万通りの組み合わせでやり直しても最後に到着する場所は一緒だ。でも向こうは?とふと考えて恐ろしくなる。困難を潜り抜けた先にまだ待っていてくれる保障などどこにもないのだ。不在着信を見ながら掛け直す勇気はまだ持てない。初夏の夜はぬるく過ぎていく。

音也 『何を今更、』

「今更そこの確認からされるの!? 俺はトキヤが一番だって思ってたのに!」
 青天の霹靂だった。
あの写真を撮られ放題で来た音也が授かり婚ではなく穏やかに秘密裏に愛を育んで結婚するのだという。親友のトキヤにお願いがあるというから思わず私でいいのですかと聞き返してしまった。

那月で『若いときには無茶をしとけ』をお題にして140文字SSを書いてください。

直接の恩師ではありませんが日向せんせぇに「若いときの苦労は買ってでもしろ」と言われていました。幸い音楽の才能には恵まれていたのでそれを分かってもらう努力を頑張りました。僕は音楽を作るのが大好きなんですけど、それに色んな人の生活とか思いが乗るので純粋ではいられないこともありました。

貴方は那月で『なんて身勝手な願い』をお題にして140文字SSを書いてください。

「僕はもう触れることはできないけど幸せになってほしいなんて身勝手な願いだと思いませんか?」
美味しい紅茶が手に入ったからと呼ばれた先でそんな話をされた。
「いきなりなんだよ」
「今度好きな人とお別れする役をするんです」
「お前役柄にのめりこむタイプだもんな」
「難しいです。でも頑張ります」

貴方はトキヤで『幸せにはできないけれど』をお題にして140文字SSを書いてください。

思わぬ一言に絶句するトキヤなどお構いなしに音也は台本をめくっていく。徐々に表情が曇っていく様が見えた。
「トキヤんとこはなんか難しいね」
「私はあなたを幸せにすることはできませんでしたが行く先が光に溢れていますように、そんな未来が待っている話だと思いますよ」
「そうかな」
「そうですよ」

貴方は音也とトキヤで『甘えてよ』をお題にして140文字SSを書いてください

たまにはいいでしょいつものお礼だよ、と音也はドラマの台本を手に取った。
「トキヤは那月と共演なんだよね。俺はれいちゃんとだからすげー楽しみ」
「四ノ宮さんとはあまり一緒の現場になったことがありませんから少し緊張しています」
「トキヤって案外人見知りなところあるよね」
「なっ……!」

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