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那月『出来るなら苦労はしない』

こんな時さっちゃんならどうしただろうと、いなくなってしまったもうひとりの自分に語りかける。強くなりたいと願ってもどうすればいいのか分からず星を掴むより難しいことだった。見上げれば月が随分と高くまであがっている。どれぐらい歩き続けたのか見当もつかない。波の音以外に帰る音もなかった。

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