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とにかくうちに帰ります

「職場の作法」・職場の作法のスピンオフみたいな「バリローチェのファン・カルロス・モリーナ」・「とにかくうちに帰ります」の3篇。会社員小説です。

職場の作法はなんだかあちこちに見覚えがありすぎた。あるあるあるwwwwwみたいな。とても他人事ではない。浄之内さんが好きだな。「とにかくうちに帰ります」は穂村弘さんのエッセイみたいなタイトルだなあと思いつつ、読んでみたら台風みたいな天候で帰宅難民化している人々の話だった。
これを読んでいた昨日は「あしたは台風並みの春の嵐」とニュースで見ていたので、これらは明日の私か思いつつ読んだ。元妻と子どものためなんとか家路を急ぐ人とか、とにかく家に帰らなくてはいけないのだ! という人々の話。読んだ時期がこれまた他人事ではなかった。布団の中でずぶぬれになりつつ歩いている感覚を思い出した。

ペリカン ペリカーノJr - Pelikan Pelikano Junior - 本体:ブルー 万年筆

作中に出てくる万年筆。色が複数あって可愛い。

海が愛したボニー・ブランシェ -果てなき海で愛に生きる- (ビーズログ文庫)

最後までボニパンはボニパンだったわけですが、ボニパン旗は死ぬほど笑った。
前が見えないどころではなかった。そして未来予想図的なあれもパンツで死ぬかと思った。白が好きらしい。
脱がすシーンはリロイはきっと目隠しの手をパーにした状態で見ていた。

ファドがさらっと1回死んでとてもびびった。某海の、赤いあれのあれみたいだなあと思った。緑川さんは福島の方で、陸地まで大きく被害を及ぼす程度の規模の津波を書いていて、お、おうと思う。いろいろ思った。

ラスト付近のあれこれはスレイヤーズNEXT最終回のあれを思い出したのだった。懐かしい。

「離れても、また一緒になるわ。大丈夫」

(P155)

プラネット・サファリ 百獣王の双子 (f-Clan文庫)

はじめての桑原水菜作品。

惑星KB117の第5惑星、母星から2万光年離れた通称惑星サファリ。この惑星はかつて実験場だった。過酷な惑星開拓作業に耐えられるような「人間改良」が進められ「獣人」が産まれた。その後獣人はクーデターを起こし何世代もかけて有毒物質を必要栄養素とし、この捨てられた惑星の主となった。ここでは捕食関係がそのまま社会のヒエラルキーになっている。
人探しのため母星からやってきたオルト・コバヤシは猫獣人のブルーと出会う。何でも屋を名乗るブルーにオルトは「白山羊のゴードン」を探してくれと頼む。オルトの探す双子へ繋がる手がかりを握っているとされる人物だ。オルトは「ツイン・ゴッデス」を母星に連れ帰らなければならない。

これに関しては続き物前提のようだった。でも1巻がまるごとプロローグでもなかった。
獣の惑星に舞い降りたたった1人の人間、人探し、奇病、被食と捕食、トーナメント、惑星。
私が考えたSFっぽい要素はすごい勢いで満たしている。過去編楽しみだなあ。

妓楼には鍵の姫が住まう −黄泉がえりの人形− (f-Clan文庫)

妓楼には鍵の姫が住まう2巻。
「鍵姫」紅羽と「死人視」誠二の交流はあれからずっと続いている。人形師の朧が紅羽のもとへ依頼を持ってやってきた。供養人形が消えて死んだはずの娘の姿が目撃されるようになった。人形が動いているのか黄泉がえりでもあるのか、誠二は調査に乗り出す。

誠二の前では「鍵姫」ではなく普通の女の子の「紅羽」で、誠二の存在が未練になりそうで大変美味いです。というか2巻の見所はなにをいっても誠二と市郎兄弟のやりとりです! すごい隣の芝生!
死んだ娘鞠花の調査をするうちに謎の従者十夜の過去も明らかになったりしてね

(あのさ、お兄ちゃん。駄目だよ、こういうのは)
怪奇な出来事は全て、弟のほうの担当のはずなのに。
(あんたは普通にまっとうに生きててくんないと……困っちゃうよ、俺)

(P134)

双界幻幽伝 箱庭は四面楚歌! (ビーズログ文庫)

箱庭1で四面楚歌に陥る蒼刻さんの話。
あらすじにある「擬似新婚生活」ですがそんなことはないのでその辺は適当に割愛するといいと思います。

蒼刻さん爆発しろとかたびたび言われててまじリア充。あと蒼刻の兄も出てきます。朧月の兄も出てきます。
スーパー兄大戦。今巻は「分かりやすいかつただごとでない甘いシーン」は前巻比だいぶ影を潜めているのですが、その分なんだかすごーく距離が縮まってる感がある。あの蒼刻が調子に乗って攻め込んでるところとかな。「惚れ直したか」と聞かれ「はい!」とか答えてるところとかな。お前らなんでそれで付き合ってないの。

次で冊数的にはアルビオンの夜の女王と並ぶのね。

  1. 朧月のおうち・幽鬼院 []

眠れない悪魔と鳥籠の歌姫 (一迅社文庫アイリス)

盗賊団「白鴉」が壊滅させられ白鴉の守護者・歌姫・金糸雀などと呼ばれていた精霊使いのニーナは闇オークションにかけられこれから売られるところだった。中央治安軍が踏み込んできたことによりニーナはアルドというやけに顔色の悪い、美しい男に連れ出される。
アルドの中には悪魔が眠っている。アルドが眠ることで主導権は悪魔に移るのだが、ニーナが歌うことで悪魔を眠らせることができる。もう5日も寝てないので自分が眠れるように子守歌を唄ってくれという。

桂Romanの赤ローランとシエルを思い出すなあと思いました。
あと添い寝的にシマシマ。

この悪魔憑きのアルドがすごくプライドが高くて皮肉屋でツンデレなんですよ。時々脳内でトキヤ1が走ってくる。アルドまじ悪い男。ニーナはマギの魔法使いのエメリィと同じカテゴリかなあと思う。
後は軍関係者に狙われたりバトルがあったりは瑞山さんなのでいつものあれです。
とにかくこの男のツンデレがすばらしくドツボでした。

読書メーターみてたら「イラストで!」って割と見てそういえばイラスト買いは随分としてないなと思う。
とりわけ少女向けは購入動機にはならないし買わない理由にもならない。

  1. うたのプリンスさま []

乙女ゲームの世界へ、ようこそ! 〜薔薇色の人生を君と〜 (ビーズログ文庫)

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! とのコラボ。

パソコンに届いた「あなたの世界を変えてみませんか?」というスパムメールにこんなもの悪戯に決まっているといいつつ、「元となる世界の媒体」として好きな乙女ゲー「薔薇色の人生を君と」のディスクを入れ質問に答えていく。

翌朝、綴莉を起こしに来たのは「義兄」龍神崎柾人ついで「義弟」龍神崎燎士。
ふたりともゲームの登場人物で、かたや生徒会長かたや大型犬系スポーツ料理堪能少年。
学校に行けば笑顔にあふれた内面ドS腹黒王子御園に迫られ、司書兼講師の年上キャラにお昼に誘われる。
会話の端々で選択肢がよぎる。好感度アップ条件を思い出す。夢かと思っても覚めない。
本当にこの世界は綴莉が好きな乙女ゲームの世界とくっついてしまった。

ギャルゲエも既読のうららさん曰く、ギャルゲエの展開をなぞりつつも少女小説っぽい展開も加えたということらしい。
乙女ゲーの世界の住人になれば自分は一定以上の好意で迎えられるし、興味を持ってくれるし、冷たくあしらってくるような人でも段階を踏めば必ず優しい面を見せてくれる。そう思っていたけど世界はそんなに綴莉を甘やかしてくれない。
ゲーム内で苦手なキャラは3次元に現れても苦手度は増す一方だし、触れられる距離になって相手が心を持ってどう接すれば分からない。状況に流されるままに泡を吹いているうちに徐々にゲームとの違いに気づく。

「薔薇色の人生を君と」は泣きゲーらしく、死亡ENDも多いらしい。
なので燎士ルートでは、義弟ヤンデレ化1からの主人公監禁→自殺END、あるなこれは!
あと乙女ゲーなら表紙の真ん中に女子を配置してもよかったのではないかと思う。影完二もびっくり。

乙女ゲーといえばうたプリにぶっ転がってる身の上なのですが、主人公・七海春歌になりたいかと言われたらそれはちょっと……という結論に至る2。友ちゃんかAクラスの生徒になりたい。ちょっと離れたところから7人を観察したい。

  1. 81ページのあれからルート分岐 []
  2. 元々主人公≠プレイヤーという認識なのである。アニメの春ちゃんは100パー「七海春歌」なんだけどゲームの春ちゃんはカメラ役でもあるので割と「個人」とか「個性」とかあまりあれですよねえと思うのだ。でもレンルートの春ちゃんは必死に頑張っててとても可愛いですね! []

ゴールデンタイム〈4〉裏腹なるdon’t look back (電撃文庫)

記憶喪失の大学生のリア充爆発しろ? が詰まったような人生のどん詰まりゴールデンタイム4巻。
泥沼だなー。超泥沼。「リンダのもとへ帰りたい!」とか冒頭で言ってるからこの巻の終わりで別れを決意するようななにかがあるのかと思ったら、えええええ。
この2人、ボロ雑巾が人格を持ったぐらいにぼろぼろになって疲弊して別れるんじゃねーのと思った。
万里の家にお見舞いに来てるリンダ二次元やなっさんこうこの、わーわーぎゃーぎゃー言ってるシーンが、「あれ、こういうのさいきんどっかで見たことある……」と思ったらVD&WD後のお菓子が大量にあるお昼休みや……と思った。NANA先輩まじいいやつ。

アイドライジング!〈4〉 (電撃文庫)

年末到来。アイドライジングにも短いシーズンオフがやってきた。
モモはサイといっしょに箱根にあるアイドライジング関連保養施設で温泉でくつろぐことにした。
そこには既にオリンやエリーなどアイドルが先にオフを楽しんでいた。

しかしオリンはよいな。オリンはよいツンデレ。とても可愛い。
モモはサイとオリンに対してあれでなければとても成長していて主人公っていう子だなと思った。今回はエリーにもスポットがあたってて、可愛いかわいいと思いながら読んだ。でもタキの寝起きドッキリのシーンについてはあそこだけ格別浮いてないですか。「アイドラは面白いけど性的な百合は正直微妙」と思っているのであれなのですが、タキはあれがもうちょっとましなら「残念なイケメン1」枠なんだが。
いやしかしモモの成長は見ていて楽しいなあ。

  1. 女子だけど []

文芸あねもね (新潮文庫)

電子書籍版も買ったけど紙も買ったよ。ちょこちょこ読んでいたけどはからずも今日読み終わった。
彩瀬まる,蛭田亜紗子, 三日月拓, 南綾子, 豊島ミホ,宮木あや子,山内マリコ,山本文緒,柚木麻子,吉川トリコの10名による小説集。
最初は東日本大震災復興チャリティとして売上100%を寄付する目的で電子書籍として販売された同人誌でした。「女のためのR-18文学賞」界隈の人が集まって、特に固定テーマは決めず好きなものを、固定ファンがいる人は固定ファンが喜んでくれるものを、そこの段階にいたってない人は新しい読者を獲得する気概でということで書かれたそうだ。この辺は巻末に紙書籍版のおまけとして制作のバックステージが一部公開されている。

「新しい読者を獲得する気概で」の通りこの人のほかの作品読んでみたいなあと思うのが多くてすごい。
柚木麻子は元々読もうと思ってて、南綾子は今積んでる幻冬舎文庫のアンソロに参加してて、蛭田亜紗子はデビュー作をチラッと読んだことがある。
「川田伸子の少し特異なやりくち」はすごかった。俺妹の黒猫があのまま30歳になったらこうなるのかなという感じだった。なんか刺さった! やめて! とか思いながら読んだ。同じささりっぷりは「ばばあのば」にもあった。

「あんた今、男いないだろう? でもそのうち適当に暮らしとれば出会いがあって、彼氏ができて、遅くとも三十五歳ぐらいまでには結婚できると思っとるんだろう?」

(P327)

これがなんかえらい衝撃で、衝撃っていうことは私心の底では結婚したいって思ってるのかなあ、いやでもその次はなんとも思わんなあ、なんやねんと思いつつ椅子に座ってぐるぐる回っていた1。そういえば10代半ばの頃には「25歳の頃には子どもはいなくても結婚ぐらいはしてる」って思ってたよなあ、ということを思い出した。そんなの幻想だって知るまでにそう時間はかからなかったけど。「ばばあのば」はどのぐらい実話なんやろと思った。
「私にふさわしいホテル」は文豪コールにいたるまでに笑った。あねもねの中ではこの3作がとても好きです。

エッセイの文庫落ちはあれどリテイクシックスティーン以降休業状態が続いている豊島ミホさんの新作が読めるのは今のところこれだけです。

ということで今度はこれを読もうと思います。

暗い夜、星を数えて: 3・11被災鉄道からの脱出

  1. ばばあのばは職場で読んでいた。土曜日だから人が少なかったので部屋を移動しなくてもよかった []
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