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Tag: 翔

那月で『四十五秒以内の逢瀬』

手元にある最新の那月はスマホの中だ。ある日動画付きのメールが送られて来た。45秒少々のその動画は最初はひたすら地面を映しておりこれで大丈夫?などという那月の声が聞こえ、ようやく顔が映る。しかしそれもやたらアップで「翔ちゃん、僕はいま」で終わっている。ちゃんと教えておけばよかった。

那月で『どんな言葉よりも』

どんな褒め言葉よりも翔ちゃんに褒められた時が一番嬉しいと言っていた那月は今ここにいない。犬が散歩に行くみたいにして準備を整えてお気に入りのスーツケースを転がしてちょっと行ってきますと言ったまま帰ってこない。そういえば行き先を言われなかったなと気付いたのは少し経ってからのことだ。

レンで『好きなのにね』

おチビちゃん聞いてよイッチーが写真を撮らせてくれないよ」
レンは鏡に向かう翔の背中に向かって話しかける。
「また変なところで撮ろうとしたんじゃねえの? そういうのは大体お前が悪い」
「つれないなあ。オレはおチビちゃんもイッチーのことも好きなのにね」
「気持ちの悪い話はやめてください」


那月へのお題は『きっと幸せだったんでしょう』

「でもね、1個だけ分かることはあります」
紅茶をカップに注いで翔に差し出しながら表情を綻ばせた。
「那月……あ、作中の僕だけど、絶対幸せだったと思うんです。好きな人といっぱい色んなところに行って思い出を作って……。トキヤくんはどう演じるのかな。色んなこといっぱいお話したいです」

那月と翔で『そのセリフ、そっくりそのまま返す』

「思い出すって今度はお前が旅立つ側なんだけど」
具体的に何をするのかは聞いていないが本格的に夏が来るぐらいまでは那月はヨーロッパに行くと聞かされたばかりだった。
「今はまだ秘密ですけどそのうちあっと驚くようなものを見せられると思うから楽しみにしててね」
「おう、公開は俺のが早えかな」

那月で『縁のない話』

「好きなものを好きだって言って通るような世の中だったら……これで完成です!どうですか?」満足げな那月を見ながら翔は自分の爪に目を落とす。
「那月がネイルって縁がないと思ったけど上手い……ってピヨちゃん描いてんじゃねえよ!」
「これが消えるまでは見るたびに僕のこと思い出すでしょ?」

那月で『サービストーク』

「僕は本当に思ったことしか言いませんよ」
向かいに座って真剣に翔の爪に色を乗せている那月は顔も上げずに言った。
「思ってもないことをいうのって僕この年齢になってもやっぱりあんまり好きじゃないです。どうしてもしょうがない時ってありますけど」
不意に言葉が途切れた。
「すっごく疲れます」

貴方は那月で『なんて身勝手な願い』をお題にして140文字SSを書いてください。

「僕はもう触れることはできないけど幸せになってほしいなんて身勝手な願いだと思いませんか?」
美味しい紅茶が手に入ったからと呼ばれた先でそんな話をされた。
「いきなりなんだよ」
「今度好きな人とお別れする役をするんです」
「お前役柄にのめりこむタイプだもんな」
「難しいです。でも頑張ります」

Twitter企画終わって那月くんはどう思ってるでしょうか

 3月1日、21:00。
 昨日まではこのぐらいの時間はまだ劇場の楽屋にいたのに不思議な気分だ。今日はもう帰りの車の中で1日オフだった。今夜の藍は行く所があるというから昼間に翔と3人で打ち上げをかねてお茶会を開くことにした。マスターコース初期の懇親会をしたあのカフェでだ。藍はあの時みたいにシュークリームの皮を剥くことはなかったけど飲んだことのない紅茶を頼んでいた。
「ナツキが淹れた紅茶の味との差異が興味深い。大部分は同じ味がしているけどボクとしてはナツキが淹れていたほうが若干好ましいかな」
 藍はいつも一番に劇場に到着してよく外を眺めていた。それから那月が来て、大体嶺二が最後だった。準備が整って開演までの少しの時間は那月が紅茶を入れて、藍が「窓から見える景色」のうちいつもと違う箇所の話をして、それを聞いた嶺二が推理小説の探偵のようなことをするのがマスカレイドミラージュの楽屋の日常だった。
 外を眺めるのをやめてポケットから携帯を取り出した。迷わないようにと翔が待ち受け画面に作ってくれたショートカットを押すとこの4ヶ月間何度も眺めたtwitterの画面が開かれた。一番最新の呟きは昨日の日付のままだがリプライはこの瞬間にも届いていた。那月に向けられたことばはどれも暖かさに溢れていた。
「お前また携帯見てんの」
隣から眠気交じりの声がした。大あくびをして目を擦りながら那月のほうを見ている。
「翔ちゃん、まだ着かないし寝ててもいいよ」
「いやもう寝る気しねえな。まさか藍がスケートやりたいなんて言うなんてな。でもさすがに疲れた。まさかアイスダンスの飛ばされるほうまでやらされるとは思わなかった」
「翔ちゃん上手でしたよぉ。あいちゃんもちょっと手を繋いですべったらすぐに上達したしやっぱりあいちゃんは凄いですね」
「俺昔薫と一緒にスケートしてたことあったからちょっと自信あったけど、そういやお前北海道育ちだったよな……できるはずだった。んで、企画終わったししばらくこのアカウントを使うことは出来ねえけど、寂しいか?」
 那月の手の内を覗き込んでくる。携帯の小さな画面は昨日のパーティを遡って表示していた。
「そうだね、とっても楽しかったから。いろんなことがあったね。いろんなおはなしをしたよね。本当なら今日翔ちゃんとあいちゃんと3人でスケートしたこともみんなに言いたいけど」
しゅんと那月の眉が下がる。それを見た翔が那月の背中を優しく叩いた。
「ファンと話すっていう意味では俺より那月のほうがよく使ってたもんな」
「翔ちゃんはよく音也くんとそのまま話し込んでましたね。あとよく那月那月って呼んでくれてました」
「そんなに呼んでたつもりねえんだけど、ラーメンの時はレンとトキヤには突っ込まれた」
「忍者さんチームはいつもラーメン食べてましたもんね。僕も食べたいです」
「トキヤにはすんげ引かれたけどこの時間に食うラーメンすげえ美味いんだって」
「今度皆誘っていきましょうね」
「そうだな」
ふふ、と笑いあって名残惜しそうに画面を見つめると那月はtwitterの画面を閉じた。

askから。

見積もり、くつ、お茶

「スタンド花このぐらいかかるって」
「へぇ思ってたより安いんだな」
「名前どうする?」
「おんぷくんとピヨちゃんから?」
「俺ピヨちゃんじゃねえし!」
「イッキとおチビちゃん、ここ一応土足と飲食禁止……へぇマスカレイドに花贈るの」
「俺たち2人とも先輩いるしね」
「那月も喜ぶだろうし」

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