カテゴリー「 読了 」の記事

1988件の投稿

女神の娘の恋歌 光の乙女、闇の聖女 (B’s‐LOG文庫)

これはあれだな。兄だな。

なんか凄く急展開だった。今回は顔見せもしくは前振りでクライマックスは次の巻かなあと思ったら「マライナ」関係は凄い勢いで明かされた。そしてナリスフレイに胸キュンだった。いやレイヴェンの「俺を選んでくれ」にもばんばんばんとなりましたが。この足の速さだと次の巻で終わったりしないだろうかと思った。

あられもない祈り

「あなた」と「私」、メイン二人の人名が出てこない重めの恋愛小説。幸福感希薄。
2人だけしか登場しないわけではないけど「名前」を持っている登場人物はとても少ない。
「あなた」は妻がいる身で、年も大きく離れている。

「不倫の割に、兄妹みたいだったり初々しい恋愛だったり純愛」だったりしない。結構どろっとしている。妻ある身が手を出しかつそれを受け入れるっていうことはそういうことだよな! と思った。けして明るくはないがよいと思う。
「もっと、絶望しろよ」である。

「土曜ワイド劇場的な不倫」ではなく、かといって「ふつうに恋愛でもいいんじゃないかと思うぐらい配偶者の存在感が希薄」なのでもない境界線というと、これとか三浦しをんの「天国旅行」収録のあれぐらいが私にとってはいいのかも。背徳感とかはいらないけど不安と後ろめたさはほしいよなー。

カラクリ荘の異人たち 4 ~春来るあやかし~ (GA文庫)

最終巻である。
物語の最後は春というのはいいな。今年の春は全体的に変な天候だったが桜は綺麗だった。
舞台が春なせいかしんみり系の話が多かったな。全体的にときめいた。

この川は異界のモノたちの通り道である。川岸と遊歩道の境に巡らされた鉄柵が一応、人と異形を分かつ結界の役割を果たしているが、春にはそこにあちこち綻びが生じる。
桜のせいだ。
ことさら人々の思い入れが強い樹であるせいか、桜は魔性になりやすい。

(P230)

ベン・トー 3 国産うなぎ弁当300円 (集英社スーパーダッシュ文庫)

ベン・トーの読むのによい時間はごはん終了後のひとときだと思うんです。
美味そうだ美味そうだと思っても実際にスーパーへダッシュしたり「食べる」に至りませんからね!
過剰摂取よくない。我が家最寄のスーパーのハーフプライスラベリングタイムは18時のところと20時のところがあります。

いやこの本が出版された当時、現実的にちょっともうどえらい感じで。6月7月8月とかひどい。なんかもう当時を思い起こしつつ、鳥羽藤雄とアッーに笑いながら読む。チキンラーメンが美味そうでした。
うなぎは美味いです。名古屋で食べたひつまぶしも超待ったけど美味かったです。

あと5/3オフのときに「駅地下のお惣菜屋さんで298円とかから598円ぐらいまでお弁当超いっぱい売ってるんですよ。特価品とか割引シールとか関係なく」とかって東京の人に言ってみると驚かれました。地方差!

レッド・アドミラル  羅針盤は運命を示す (角川ビーンズ文庫)

謹慎を命じられロディアは久しぶりの故郷へと帰った。酒場での喧嘩を初対面のランセとともに鎮圧。色々あって小型艦レーン号の一員となる。何度も転属願いを出しそのたびに却下されてきた憧れの海軍だ。

海軍で帆船です。もえ。海戦とかもあるのでそういうのが好きなひとはふだんビーンズ読まない人も読めばいいんじゃないでしょうか。男装で女にモテて、疲れてても背後に薔薇とか宮殿とか背負ってしまう感じの真面目キャラが主人公です。既存作品に比べてもぐっと明るい感じがする。例えるなら壁井ユカコ作品の中でのクロノセクスコンプレックスのような立ち位置。

レーン号の乗組員は「有能だけど○○」っていう感じの人ばかりで、「ボケの供給過多」な状態です。

ちょっとビーンズ文庫っぽさは薄めかと思います。軍ものですので、萌えより燃え、愛より(今のところ)絆です。
海洋ものっぽさを大事にしつつ、少女小説ですので、専門用語はほぼ全排除。詳しい方にとっては「なんだそりゃ!」な点も多いかと思いますが、こう、海軍ものファンの裾野を広げたい、という小さな野望を手に頑張ってみました(笑)。

表紙イラストを見たときから「ランセがどう見てもわたし好みの気がしてしょうがない」と思っていたのですがその通りでした。

銀魂劇場版を見てからというもの、「背中合わせもえ属性」が開発されまして私の中で45ページが大変。
オンライン試し読みを読んだ感じでは遠征王のアイオリアが「君とは美味い酒が飲めそうだ」って言ってて、読んでる最中は多分アーロン編のルフィ1 とかあまつきの梵天2が出てきたり「Moiraよ!3」と度々叫んだりしてみました。

ランセが好きなんですが「有能だけど不憫なキャラ」というのは非常に好物なのでカロル美味しいです。

あわせてよみたい

天気晴朗なれど波高し。 (コバルト文庫)天気晴朗なれど波高し。 2 (コバルト文庫)

  1. 「俺は1人じゃ何もできねえ!」 []
  2. 「媚も追従もいらない 不文律はたった一つだ。 意見は許すが反抗を許した覚えはない」 []
  3. 残酷な神が統べる私が生まれた世界 []

“文学少女”と恋する挿話集3 (ファミ通文庫)

なんかどれもラスト付近がすごくせつなかったり締め付けられるような痛みを伴う話が多いなあ。好きだ。
炎を上げる牛魔王と恋しはじめの女給はどっちもラスト付近がやべえ! 胸がぎゅっとなるよ。
そして傷ついた紳士と穢れなき歌姫はこの先何が待ち受けてるのかと思うとすごくしょんぼりだ!
仔鹿ちゃんはなにかを思い出すなあと思ってたらあれだな、鳥篭荘のキズナだな。
千愛の未来の話が好きだ。流人がただのヤンデレ→ヘタレのニートなのに格好良かったな。

2140 ~サープラス・アンナの日記~

あれ、この絵Pixivで見たことあるぞ!1っていうのが読むきっかけでした。

2140年、人間はついに不死を手に入れた。
ロングプラスという薬を定期的に摂取することで臓器の細胞を活性化させ、死を遠くへ追いやったのだ。
人が死なない現代では新たな命というものが最早不要である。世界は人にある宣言への署名を強いた。
"子どもが欲しければ自分が永遠に生きられる権利を放棄すること"

それでも違法に産まれてくる子どもは後を絶たなかった。
いい国に生まれたとしても子ども達は収容所に集められる。そこでは名前以外なにひとつ自分のものは持てない。「勝手に世界に押しかけてきた許されざる存在には、せっけんの1つでさえも与えなくてよい」というのが基本だ。姓さえも奪われる。統一してサープラス(余計な存在)という姓になる。

懸命に働き、サープラスのうちでももっとも上位の存在アセット(一番使い物になる働き手)になろうとしていたアンナはある日ピーターと会った。サープラス・ピーター。彼はアンナの両親を知っているという。
ピーターはこんなところにいては駄目だという。サープラスはサープラスらしくしていればいいのにというアンナは徐々に変化を遂げていく。

読みながらすごくどきどきした。舞台設定の話が多いけどそういうのは好きだ。たまらない。

読書メーターのコメントを読むと、「話のオチの予想はついていた」が割といて驚く。
「○○が××なのは△△の時点で気がついていた」というのは「数多く読んで話のパターンを蓄積している」みたいな経験の有無の差なんでしょうか。海外作品はほとんど読まないのでその辺はまったく分からないんですよね。
手放しでは喜べない陰りのあるハッピーエンドのおはなしでした。

  1. しかもブクマに入れてあるぞ! []

ペンギンと暮らす (幻冬舎文庫)

食堂かたつむり発売の約1年前からの日記。blogの書籍化らしい。
受けた印象としては日々ごはん〈1〉よりずっと毎日、ふと思う—帆帆子の日記 寄り。

この土壌なら食堂かたつむりだって余裕で生まれる。そんな風に思った。

南の子供が夜いくところ

短編集。
たぶん南太平洋の島が舞台なんだろうけど、今の関心ごとが南米であることもあり1私の中ではコンキスタドール到来のアステカあたりで再生される。紫焔樹の島とか特にねえ。

「紫焔樹の島」と「夜の果樹園」が好きだな。その次が「十字路のピンクの廟」

  1. (コルテス将軍に続けー! []

文學少女の友

読まず嫌い。のときも思ったけどジャンル小説読みの項は興味深い。

L文学解体新書からの引用文のあとについてきた

<学生時代から本好きだった>この仮装読者はウェブサイトの自己紹介欄にきっと、「活字中毒」で「乱読気味」ですって書くんだろうな。

(P172)

に思わずブログの紹介文を読み返すとともになんだかすみませんという気分になった。

「ほっこり」とか「リラックス」なんてこと言うせいで、新手の等身大市場かと誤解する人もいるようですが、スロウライフ市場はアンチ等身大、美意識優先という点で、あのゴスロリ市場に匹敵する人工性&バリバリ暗黒な妄想力を持っています。

(P176)
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