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眠れない悪魔と鳥籠の歌姫 (一迅社文庫アイリス)

盗賊団「白鴉」が壊滅させられ白鴉の守護者・歌姫・金糸雀などと呼ばれていた精霊使いのニーナは闇オークションにかけられこれから売られるところだった。中央治安軍が踏み込んできたことによりニーナはアルドというやけに顔色の悪い、美しい男に連れ出される。
アルドの中には悪魔が眠っている。アルドが眠ることで主導権は悪魔に移るのだが、ニーナが歌うことで悪魔を眠らせることができる。もう5日も寝てないので自分が眠れるように子守歌を唄ってくれという。

桂Romanの赤ローランとシエルを思い出すなあと思いました。
あと添い寝的にシマシマ。

この悪魔憑きのアルドがすごくプライドが高くて皮肉屋でツンデレなんですよ。時々脳内でトキヤ1が走ってくる。アルドまじ悪い男。ニーナはマギの魔法使いのエメリィと同じカテゴリかなあと思う。
後は軍関係者に狙われたりバトルがあったりは瑞山さんなのでいつものあれです。
とにかくこの男のツンデレがすばらしくドツボでした。

読書メーターみてたら「イラストで!」って割と見てそういえばイラスト買いは随分としてないなと思う。
とりわけ少女向けは購入動機にはならないし買わない理由にもならない。

  1. うたのプリンスさま []

乙女ゲームの世界へ、ようこそ! 〜薔薇色の人生を君と〜 (ビーズログ文庫)

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! とのコラボ。

パソコンに届いた「あなたの世界を変えてみませんか?」というスパムメールにこんなもの悪戯に決まっているといいつつ、「元となる世界の媒体」として好きな乙女ゲー「薔薇色の人生を君と」のディスクを入れ質問に答えていく。

翌朝、綴莉を起こしに来たのは「義兄」龍神崎柾人ついで「義弟」龍神崎燎士。
ふたりともゲームの登場人物で、かたや生徒会長かたや大型犬系スポーツ料理堪能少年。
学校に行けば笑顔にあふれた内面ドS腹黒王子御園に迫られ、司書兼講師の年上キャラにお昼に誘われる。
会話の端々で選択肢がよぎる。好感度アップ条件を思い出す。夢かと思っても覚めない。
本当にこの世界は綴莉が好きな乙女ゲームの世界とくっついてしまった。

ギャルゲエも既読のうららさん曰く、ギャルゲエの展開をなぞりつつも少女小説っぽい展開も加えたということらしい。
乙女ゲーの世界の住人になれば自分は一定以上の好意で迎えられるし、興味を持ってくれるし、冷たくあしらってくるような人でも段階を踏めば必ず優しい面を見せてくれる。そう思っていたけど世界はそんなに綴莉を甘やかしてくれない。
ゲーム内で苦手なキャラは3次元に現れても苦手度は増す一方だし、触れられる距離になって相手が心を持ってどう接すれば分からない。状況に流されるままに泡を吹いているうちに徐々にゲームとの違いに気づく。

「薔薇色の人生を君と」は泣きゲーらしく、死亡ENDも多いらしい。
なので燎士ルートでは、義弟ヤンデレ化1からの主人公監禁→自殺END、あるなこれは!
あと乙女ゲーなら表紙の真ん中に女子を配置してもよかったのではないかと思う。影完二もびっくり。

乙女ゲーといえばうたプリにぶっ転がってる身の上なのですが、主人公・七海春歌になりたいかと言われたらそれはちょっと……という結論に至る2。友ちゃんかAクラスの生徒になりたい。ちょっと離れたところから7人を観察したい。

  1. 81ページのあれからルート分岐 []
  2. 元々主人公≠プレイヤーという認識なのである。アニメの春ちゃんは100パー「七海春歌」なんだけどゲームの春ちゃんはカメラ役でもあるので割と「個人」とか「個性」とかあまりあれですよねえと思うのだ。でもレンルートの春ちゃんは必死に頑張っててとても可愛いですね! []

ゴールデンタイム〈4〉裏腹なるdon’t look back (電撃文庫)

記憶喪失の大学生のリア充爆発しろ? が詰まったような人生のどん詰まりゴールデンタイム4巻。
泥沼だなー。超泥沼。「リンダのもとへ帰りたい!」とか冒頭で言ってるからこの巻の終わりで別れを決意するようななにかがあるのかと思ったら、えええええ。
この2人、ボロ雑巾が人格を持ったぐらいにぼろぼろになって疲弊して別れるんじゃねーのと思った。
万里の家にお見舞いに来てるリンダ二次元やなっさんこうこの、わーわーぎゃーぎゃー言ってるシーンが、「あれ、こういうのさいきんどっかで見たことある……」と思ったらVD&WD後のお菓子が大量にあるお昼休みや……と思った。NANA先輩まじいいやつ。

アイドライジング!〈4〉 (電撃文庫)

年末到来。アイドライジングにも短いシーズンオフがやってきた。
モモはサイといっしょに箱根にあるアイドライジング関連保養施設で温泉でくつろぐことにした。
そこには既にオリンやエリーなどアイドルが先にオフを楽しんでいた。

しかしオリンはよいな。オリンはよいツンデレ。とても可愛い。
モモはサイとオリンに対してあれでなければとても成長していて主人公っていう子だなと思った。今回はエリーにもスポットがあたってて、可愛いかわいいと思いながら読んだ。でもタキの寝起きドッキリのシーンについてはあそこだけ格別浮いてないですか。「アイドラは面白いけど性的な百合は正直微妙」と思っているのであれなのですが、タキはあれがもうちょっとましなら「残念なイケメン1」枠なんだが。
いやしかしモモの成長は見ていて楽しいなあ。

  1. 女子だけど []

文芸あねもね (新潮文庫)

電子書籍版も買ったけど紙も買ったよ。ちょこちょこ読んでいたけどはからずも今日読み終わった。
彩瀬まる,蛭田亜紗子, 三日月拓, 南綾子, 豊島ミホ,宮木あや子,山内マリコ,山本文緒,柚木麻子,吉川トリコの10名による小説集。
最初は東日本大震災復興チャリティとして売上100%を寄付する目的で電子書籍として販売された同人誌でした。「女のためのR-18文学賞」界隈の人が集まって、特に固定テーマは決めず好きなものを、固定ファンがいる人は固定ファンが喜んでくれるものを、そこの段階にいたってない人は新しい読者を獲得する気概でということで書かれたそうだ。この辺は巻末に紙書籍版のおまけとして制作のバックステージが一部公開されている。

「新しい読者を獲得する気概で」の通りこの人のほかの作品読んでみたいなあと思うのが多くてすごい。
柚木麻子は元々読もうと思ってて、南綾子は今積んでる幻冬舎文庫のアンソロに参加してて、蛭田亜紗子はデビュー作をチラッと読んだことがある。
「川田伸子の少し特異なやりくち」はすごかった。俺妹の黒猫があのまま30歳になったらこうなるのかなという感じだった。なんか刺さった! やめて! とか思いながら読んだ。同じささりっぷりは「ばばあのば」にもあった。

「あんた今、男いないだろう? でもそのうち適当に暮らしとれば出会いがあって、彼氏ができて、遅くとも三十五歳ぐらいまでには結婚できると思っとるんだろう?」

(P327)

これがなんかえらい衝撃で、衝撃っていうことは私心の底では結婚したいって思ってるのかなあ、いやでもその次はなんとも思わんなあ、なんやねんと思いつつ椅子に座ってぐるぐる回っていた1。そういえば10代半ばの頃には「25歳の頃には子どもはいなくても結婚ぐらいはしてる」って思ってたよなあ、ということを思い出した。そんなの幻想だって知るまでにそう時間はかからなかったけど。「ばばあのば」はどのぐらい実話なんやろと思った。
「私にふさわしいホテル」は文豪コールにいたるまでに笑った。あねもねの中ではこの3作がとても好きです。

エッセイの文庫落ちはあれどリテイクシックスティーン以降休業状態が続いている豊島ミホさんの新作が読めるのは今のところこれだけです。

ということで今度はこれを読もうと思います。

暗い夜、星を数えて: 3・11被災鉄道からの脱出

  1. ばばあのばは職場で読んでいた。土曜日だから人が少なかったので部屋を移動しなくてもよかった []

幽霊伯爵の花嫁 囚われの姫君と怨嗟の夜会 (ルルル文庫)

サアラさんすがすがしくヒール系主人公。癒し系のヒールじゃなくて悪役のヒール。

「お前……ほんとに性格が捻じ曲がってるな」
「この世の美しいものは、大抵曲線で作られていますものね」

(P54)

こういう子です。

マッケニア伯爵家から届いた夜会の招待を受けることにしたサアラは、ジェイクと離れエリオスを連れて屋敷へ向かった。一方でジェイクは幽霊がらみの案件でマッケニア伯爵家を訪れることになる。
マッケニア伯爵家で行われるのは伯爵の孫娘オリヴィアの婚約披露で、オリヴィアはサアラの古くからの知り合いである。今回は猛獣と猛獣使いのターンである。ジェイクのあれは真面目に「飼い馴らす」だなあ。鎖なのにただのリードである。まさに[猛犬注意][触らぬ神にたたりなし]

相変わらず話は噛みあってないのですがいい感じである。しかし今回はそれ以上にラスト付近のヴォルグがたいへん好きである。死ぬほど後悔してから死ねよ! は胸キュンだった。

孫娘をめぐる結末は後味が大変アレでここまではアリなのかということを考えた。「黒蜜と唐辛子ダブル投入」理解した。美味い。そしてルルル文庫の罵倒語コード的にメス豚はありなんだなと思った。あとアシェリーゼがちょっとお母さんしてた。

アイドライジング!〈3〉 (電撃文庫)

アイドライジング3巻。学園祭とクイーンへの挑戦権を得るエリザベス杯。
オリンがすごくいい。オリンはとてもいい。私はオリンとモモが友情的に百合百合していれば後はいい。落ち込んでいるモモに発破をかけるオリンのシーンはとてもいい。
アイドライジングのシーンはとても好きだしそれは柱なのでこれは言わなくてもずっとあると思う。
逆に性的な百合シーンはもう結構お腹いっぱいなので読むスピードが上がる。百合レベルではタキとキジョウ モモとノゾミぐらいがいいです。今回はタキが歩くセクハラじゃなくてモモを育て導くシーンがあって、ただの変態じゃなくてよかったなあと思った。

今回はアイドライジングはただの競技じゃなくてエンターテイメントなんだなあという気持ちがひしひしと。
シルヴァーナが選んだ結末はとても潔くてよいな。

カイザー養成学園 君は嵐を巻き起こす。 (f-Clan文庫)

この帯を見ていると「世界を革命する力をー!」という声が聞こえてくるようである。
ピンドラは見てませんがウテナは欠かさずみていました。まあカイザーはどっちかというと黒の預言書だよね。
間違ってる! そんな論理は間違ってるんだ! たった一羽風に向かう白鴉のように!

そんなf-clan初の「シリーズ2冊目」
カイザー養成学園。近未来で全世界的に災害に襲われ生態系ガタガタ死者多数、奇病の発生とそれによる迫害。
世界統一国家を作りその帝王を選出しようというのが孤島カナリアに作られた学園で、そこに集められた皇嗣の物語です。最初は対話で、重圧に耐えかね戦いによる決着を選んだ皇嗣たち。
カナリアに新たなにやってきたライデンは「こんなのは間違っている!」と変革を求めたのだったがー。

ライデンとスタンレー・ムサラディンの悪友化が半端ない。あの人たち何殴り合って分かり合っているんだ。おかわりをようきゅうしますー。シオンは小悪魔っていうか子悪魔系ヤンデレですね! トラウマというのはつまりあれですか。レーベルが変わるのであれですが。チェス中の鈴蘭がまじやばい。ギャップ萌え。
学園サバイバルがまじサバイバルで、その選択肢は予想外だったなー。
アルクス・ケインは今回も眼鏡をかけさせて割りたいキャラでした。

王立エトワール近衛隊  氷の薔薇に敬礼を (角川ビーンズ文庫)

新作。海軍の次は陸軍。登場人物紹介が過度に親切というか割とネタバレというか。
読んだら分かることは今書かんでええわみたいな。

まあなんですか、いきなり男の絶対領域1でした。
まず字面で読んでこれ手首のところはどないなっとんねん→イラストきとぅわぁ! と転がっていた。
この表紙のシャリオ2はなんか 絵:宮城とおこ みたい。わたしの記憶にあるロードマスター@光炎のウィザードはこんな感じの顔をしていた。このシャリオが紹介とかでドSって書かれてる人なんですが、基本的には綺麗系の凍てつく美形です。登場人物のメインどころは基本的に男です。

士官学校を卒業して王立エトワール近衛隊配属となったアル。エトワール近衛隊は、「昔忠誠心溢れる特殊部隊今お飾り」と言われており、同期にも「首席卒業者が配属されるような場所ではない」と不安がられていた。
王族を直接守れるのならと、誇らしげに近衛隊の扉を開くとアルの目の前には真昼の薔薇園のような世界が広がっていた。サロンのような豪奢な部屋で、ドレスを着た貴婦人がたくさん。男はいたかどうかわからない。
アルはとりあえず「間違えました!」と扉を閉めたがどう考えてもここがエトワール近衛隊だ。とどめとばかりに中から出てきたド派手な男がこんなことを言った。
「フィニステリア王立陸軍おもてなし部隊、エトワール隊へようこそ!」
王族のもとにも居場所はなく暇つぶしのようにご婦人の相手をするのがエトワール近衛隊だという。
お飾りの割に所属者の階級は高く、隊長のシャリオに至っては司令官級の中将。
「課せられた任務はまっとうする」と男を上げたいアルはエトワール近衛隊に着任する。

アルが扉を閉めたあたりで私も「あれホスト部がはじまった? そういう話だった?」と思った。
クロエは笑えるぐらいウザキャラ(褒め言葉である)だった。アルが銃を持ったときの笑い声はちょっとリアルに再生された。あれはかちって再生ボタン押された。

シャリオとフラムは「Yes, Your Majesty」ということばがとても似合いそうな雰囲気だった。野獣系かはさておき番犬だった。最近猛獣と猛獣使いに縁がある。91ページはなかなかに燃える絵だった。

ひさしぶりにSH回路がかこーん かこーんと繋がる感じだった。
仮面が踊る結婚式なので胡散臭いマントの男が出没している、とかカストルとか。読んでる途中に買い物に出かけて道中で星屑の革紐を聴いていた。エトワールつながりである

。この後魔法的な不思議要素がでてくるのかと思いつつ、1巻はサーベルと銃だった。軍服はよいものである。

「立派な狗になるために、お前はまず真の恐怖を知れ。自分がおびえていることを認めなくては、恐怖には勝てない。--------いいな? お前は兎ではないことを期待している」

(P51)
  1. 袖と手袋に隠れた手首 []
  2. 左上 []

アイドライジング!〈2〉 (電撃文庫)

アイドルデビューをきっかけにモモはニライカナイにある鳴谷鶯高校へ転校した。ここはアイドルもたくさん在籍しているためセキュリティ面が万全の体制をとっている。エリーやオリンもこの高校に通っており、モモとオリンは同じクラスになった。
アイドライジング月1のタッグマッチナイトの対戦カードとして、モモ・オリンVSアレコ・ナギコが選ばれた。
各種あるアイドライジングの試合のなかでもタッグマッチナイトは試合までの準備時間の少なさ・共闘の難しさがあいまって、ファン人気と反比例してアイドルには嫌われている。

モモとオリンの間に友情と絆が芽生える巻です。
セクハラ加減がぶっ飛んでいるモモやらタキやらは相変わらずちょっとう、うーんなんですがそれ以外は美味しい。306ページはいいイラスト。タキは男だったらただのイケメンなのにな! ロケット関連はちょっとあざといぞ! と思うぐらい王道でおいしい。

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