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- 2013/12/21 16:04
- Posted by minami_hato
- Category:SS
- Tag:音也, レン, セシル
12月29日。
今日も無事舞台の幕が降りた。今日の忍び道楽屋は朝から花が届けられており、あっという間に一角が埋まってしまい店でも開けそうな勢いだった。今日はこれから真斗の誕生日パーティだ。昨日は音也提案の元レンと蘭丸と真斗だけで食事に行っていたが今日は真斗と親しい関係のシャイニング事務所が勢ぞろいする。会場とスケジュールは抑え済みで口の堅いレストランを一軒貸切にしていると嶺二から聞かされていた。
「イッキ、聖川は無事ランちゃんとおチビちゃんが一足先に連れ出したよ」
今日はいつになくシックな装いのレンが楽屋に顔を出した。昨日は遅くまで外出していてそのまま昼夜公演だったが疲れのかけらも見られない。
「あ、レンお疲れ~。俺たちはもうちょっとここの片づけしていくよ。すぐ終わるから待っててー。」
「へぇ毎日自分達で掃除しているのかい?」
「いつもはマサがやってるんだけどね。今日は俺たちがやるんだ」
拭き掃除をしていたセシルが立ち上がって布巾を大きく振り上げた。
「今日はワタシもマサト大作戦の任務を頑張りました!」
「任務?」
「セシル丸の今日の任務はマサを何か色々めんどくさい今日やらなくてもいいようことから護衛することだよ!」
「イエス、マサトはとても気がつく。ワタシとオトヤが先回りしてそれらを片付ける。困ったことはトキヤに聞きました。マサトはいつもこんなことをやっているのかととてもカンドウしました。護衛はいつもされるほうでしたが、するほうは難しい」
目をきらきら輝かせながら語るセシルに音也は掃除機のスイッチを切って後始末をしながら、椅子の上においてあったパーティグッズ用の帽子を手に取った。
「マサは舞台始まってからずーーーっと、自分が一番年上だからって色々抱えてそうだし、これからは成人なのだととかいってどんどん堅苦しくなっちゃうから。20歳の最初の日だけはバカになればいいんだよ。だからこの帽子はせめてもののきっかけになるといいなって」
ハッピーバースデーと書かれたケーキ型の帽子は色とりどりのロウソクが刺さっており、これを真斗がかぶっている所を想像するとレンは口元を押さえつつも笑いをこらえることが出来なかった。
「えっここ笑う所じゃないんだけど。昨日は昨日はレンと蘭丸先輩にマサあげたんだから今日は俺たちプロデュースでお祝いしたいんだ」
「俺たちプロデュースってお店はブッキーのセレクトなんだろ? ブッキーはいいのかい?」
「れいちゃんはれいちゃんだからいいの」
「オトヤ、こっちも終わりました。急ぎましょう。今日は素敵な音楽が聴ける日。ワタシ楽しみです」
セシルはコートの上からボディバッグをかけながら入口へと足を進める。
「よし、じゃ行こうか。車は裏に回してあるからゆっくりおいで」
「ありがとうレン!」
ギターケースを肩にかけてセシルの後から音也は楽屋を出た。