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トキ 音也衛門 おっとき

私があの男に会ったのは任務で舞踏会に侵入した時のことです。東の大国からの客人をもてなす場での護衛についたということでした。妙に人懐っこい犬のような男でした。あの男のペースに乗せられて気を許してしまったせいで初めて敗走の苦い味を知りました。ごめんねというあの声が耳から離れません。



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「その髪型だったら別人みたいだね」
終演後の事務所で会った音也に開口一番にそう言われた。
「そうですか?」
「そうだよ。トキヤって演じきるタイプだからさ。でも……」
音也は正面からトキヤの髪に手を入れぐしゃぐしゃとかき回した。崩れた髪はへろりと額を隠す。
「ほらやっぱりこっちが」
「音也!」

*お題……ばななさん

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