Entry

2013年06月09日

スプーン、ケーキ、ロウソク

「今日は何の日か知ってるー!?」
MC中の音也の問いかけに観客はうちわやサイリウムに黄色い声を添えて応えた。ステージではレンと真斗によるハッピーバースデーとともにケーキが運ばれてきた。ケーキには2人の年齢を足して10で割った5本のロウソクが立っている。前に立つと那月と翔は仲良く息をそろえて吹き消した。
「では2人とも、ケーキを食べてください」
「わーい。じゃ翔ちゃん、あーーん」
トキヤに渡されたスプーンで那月は自分より先に翔に差し出す。ドームは先ほどよりもっと大きな歓声で埋まった。これはもう食べるしかないと翔は口を開けた。

帰路、待ち時間、お土産

たっぷり30分かけて歩いても衝撃が収まらないようで同行者はタオルをかぶったまま泣いている。帰路の待ち時間に鞄を開く。中にはピンクのリボンを巻いたピヨちゃんが入っている。公演中に那月が投げたものだ。これが手元に来たこと以上に「活動休止」が重くのしかかる。そんな土産はいらなかった。

Pagination

  • Newer
  • Older
  • Page
  • 1