カテゴリー「 読了 」の記事

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こうして彼は屋上を燃やすことにした (ガガガ文庫)

好きな人ができたんだと彼氏にふられて世界のすべてを失ったと思っている私、三浦加奈はもう自殺してしまおうかと屋上へ行った。屋上には変な3人組のたまり場になっていて、どうせ死ぬなら復讐してから死にませんかとかはなしかけてきた。
オズの魔法使いになぞえらえて3人は「ライオン」「カカシ」「ブリキ」と名乗り加奈は「ドロシー」になった。

屋上を燃やすまでに至る物語。

ドロシーの自殺したい理由がなんとも15歳っぽい。世界には大好きだったアメくんとの思い出があちこちにあふれすぎていて辛い。彼の匂いがするものを捨てるならわたしももういらないんじゃ? とかいう発想が女子っぽい。
でも「自殺したい理由」としてドロシーのものは時間が経てば修復できるもので一番軽い。
ライオンつよいなあ。わたしライオンの変身のシーンと月に向かって吼えてるシーンが好きだ。ていうかライオンの話が全般的に好きなんです。
いや自殺するとか言ってるけど皆強いなあ。「屋上」という響きが既に青春過ぎる。

深泥丘奇談・続 (幽ブックス)

奇妙なテイストの怪談短編集第2弾。2弾といっても特に繋がった話ではないのでどこからでも読めます。
京都っぽいところをモデルにした本格ミステリ作家の「私」が色んな目に遭う。
なかにはこんな夢を見た みたいな感じではじまるのもある。
可視化された(そして手術で除去できる)心の闇笑った。「狂い桜」と「ホはホラー映画のホ」が好きです。
まじ不気味だったのは「コネコメガニ」ぞっとした。

これ読んでるときに掛け軸がどーん落ちてびびった。紐がすっぽ抜けたらしい。

NOTTE-恋情の十字架- (小学館ルルル文庫 ゆ 2-2)

エクソシスト見習いから昇進したイリスとその後のルカの物語。
帯「読者支持、急上昇中! 6月7月連続刊行決定!」 折込チラシ「完結!」
終わるんかい! とまず突っ込んだ。
出発地があって目的地があって、目的地に行ってなにかするんじゃなくて目的地にたどり着く前に色々する話が圧倒的に長い。1巻読んだときも思ったけど連作短編みたいな感じなので1巻読んでなくても2巻は読めると思う。
後半に出てくるマトフェイがおいしくて、でも出番が少なくてそれが残念だ! このひとが主人公のスピンオフ(特に過去)とかあったら読みたいね。

今回はイリスとルカが北の都へ行くに当たり監視がつくんですが、この監視役がナイス当て馬。
女なのに当て馬状態って珍しいなあと思ったけどなんか毒されてる。
いやだって少女向けは 男−女 ←男 であることが多い感じで今回は 女 男←女だからね。しかも若干のヤンデレの気配。

アビール涙目笑った。マトフェイは台詞がいちいち脳内で音声再生される。関西弁め!

侯爵令嬢の持参金 -恋の話は妖精の庭で- (B's-LOG文庫)

マクリントック家は建国から携わっているような古い家で収入もあるが、それ以上に浪費する家だった。
父は胡散臭い投資にも手を出し母は慈善という名の浪費を繰り返す。祖母が亡くなりそれらはより酷くなった。まだ幼かった頃のマリーシアは恐る恐る帳簿を見せてもらい、それからは彼女が家計を監視している。執事に言わせれば「倹約を掲げた先代夫人やマリーシアのような娘がこの家に存在するのが奇跡」だという。
そんなマリーシアのもとに見合いの話が舞い込んだ。相手はシックス・キャンブレンシス男爵という、社交界注目の人物である。自由な恋愛なんか自分には向いてないとマリーシアはこの話を受けた。
そして夜会で一目シックスの姿を見た途端恋に落ちた。今まで恋の話など苦手だったのはこの人に会ってなかったからだとさえ思った。そして24時間もしないうちにふたりは婚約することになった。

結婚してからどうこうという話ではありません。むしろ1巻は1冊まるごとプロローグというか、正しく「シリーズ第1巻!」的な内容です。スロースターターっぽいなあ。

シックスがまあ大変外面がよろしいキャラで、婚約してからというもの花や贈り物は数多く届くものの、マリーシアからオペラなどに誘ってもシックスは多忙を理由に応えることはなかった。マリーシアはキャンブレンシス男爵家を訪問してみたりするがどうにもひどく邪険に扱われたりした。シックスはとてもめんどくさい男だった。もっとデレろよ! とおもった。

マリーシアの妹のフローラがとてもかわいい。第1印象的にはとてもフリーダムだったんだけど、なんだとても姉思いのいいこじゃないか! みたいな。あとあらすじにとんでもない「人」だったとか書いてあったからサブタイトルのこともあって、シックスは人間として暮らしている妖精かと思ったら妖精に呪われた家系だった。しかしあの執事は人外くさい。

天空の瞳のイリス 葬送の鐘と奇跡の花 (B's-LOG文庫)

最終巻。
なんというか、「えっ」と言わざるを得ない超展開の連続でした。
74ページまではかわいいねえ。以降はえっあっまじか終わった という感じで。
正直1巻と一部は同じ展開にならざるを得ないとは思うんですが、ジェラルドのあれやこれやが唐突過ぎて正直ないわーと思う疾走する展開。もうちょっとページがあれば。あと儀式のラストのあれの埋まるところでKAREN の終わりのほうを思い出した。古いなあ。
1巻はとてもよかった。

海が愛したボニー・ブランシェ -あなたを想う不思議の海域- (B's-LOG文庫)

このボニパンの太ももがえろい。とかまあそういうのはおいといて。

アラゴン沖の小島ヨルカに逗留中のディアス海賊団は陸地の日々を楽しんでいた。ルーアが静養のためしばらく離れることになった夜、メレアグリナ号にはボニーとディアスと、居合わせたリロイだけになっていた。ふたりがいい感じの雰囲気になった時船が勝手に動き出し操縦不能のまま海を走り出した。
そしてたどり着いたのは霧の海域、おびただしい数の難破船がおりかさなりひとつの塊となった「島」だった。
流れ着いた数十人がここで共同生活を送っている。

リロイの過去、懐かしき再会、エランジールの女王の言葉が脳裏に焼きついて離れないファド。
167ページから向こう、脳内では「生と死を分かつ境界の古井戸」ががんがん流れた。
だってあれ絶対井戸に呼ばれてるぜ。水に焦がれる魚のように飛び込んだ人と最悪、そっちにいきます! と飛び込んだ人。井戸のような穴に落ちて目が覚めたら綺麗な草原なんだぜ。
今回はあれがないぞと思ってたらきっちり用意されていた。ボニパンは相変わらずボニパンである。今回のパンツは犬神家状態を想像した。いや多分違うんだろうけどね! 

著者略歴のところとかあとがきに、ぬーんとなった。本当にな。

ショコラの錬金術師 (コバルト文庫)

負け知らずだったイルゼがはじめて「自分より上」に出会ったのは13歳の時、錬金術師の養成機関の入学試験の時だった。相手は自分より年下のちいさな少女アニカで、イルゼは入学式のスピーチを聞いて悔しさから入学式のあとアニカに宣戦布告した。それを聞いたアニカは嬉しそうに笑った。
「万年次席のイルゼ」が揺るがないまま4年が過ぎ、学年末試験を終えた日アニカは退学届けを出して東の町ケルルへ消えた。ケルルでは非常に高価なぜいたく品であるチョコレートを安価に売るトロイメリッシュという店がある。アニカは錬金術師からチョコレート職人へと乗り換えその店に弟子入りしたらしい。イルゼはアカデミーの教官から脅されるようにしてアニカを連れ戻す旅行に出た。

帯には「甘々ラブラブ」って書いてあるんですが、恋愛に傾いてる話ではありません1専門バカとハリネズミ(※両方女の子)が衝突してみたり今まで知らなかったことを知らされたりちょっと上を向いてみたりする女の子の友情の物語だと思います。可愛らしい物語です。女の子可愛いです! 持てる者の孤独! 多少のラブハプニングはあるんですが、まあそれはあんまり多くないので。とりあえずイルゼのシスコン兄は早く登場するべきだと思います!

チョコレート職人の物語ですが、チョコレートを作っているシーンはそれなりに少なく、錬金術的なシーンが多いわけでもないので、そういうのが読みたいひとはショコラティエの勲章を読めばいいんじゃないかな!

「ねえ。不安になったりしたこととか……ないの?」
イルゼは頬の火照りをごまかすようにして呟いた。
「何が?」
「自分の目指す場所に行けるかどうか。この先チョコレート職人としてやっていけるのか」

(P109)
  1. むしろなんでこれなのか…… []

姫さま、恋愛禁止です! -花婿はお馬の王子- (B's-LOG文庫)

トゥループ国の姫アリーは「この娘の結婚は祖国を繁栄に導く。しかし恋に落ちた相手と結ばれたら死んでしまう」という託宣を受けた。それからというもの、アリーが恋に落ちないように厳重に見守られ、恋を知らずに育ち16歳になってついに結婚を迫られる年齢になった。
目の前には典礼局が選んだ絵姿が置かれている。いずれも「愛のない結婚」に同意した者である。
その中でひとつ、馬面をした絵姿があった。首から上がどう見ても馬。クレール国の第4王子リオハルトは呪いのせいで今のような姿になっているらしい。誰かと結婚しなければいけないのなら、馬の姿なら愛せないだろうとアリーはリオハルトを選んだがどっこい、アリーは式当日に出会ったリオハルトに恋に落ちてしまった。
愛せないだろうと思ってた馬なのに、恋に落ちて結ばれたら死ぬよと散々言われてきたのに。

結局のところ、結婚式が終わってもアリーは生きていた。馬だったリオハルトは呪いが解けていた。

というところからはじまるバカップルの物語。もしくはあとがきによるところの「読むとニヤニヤしてしまうお話」。
だいたいあってる! あとがき漫画とラフを見てあれっと思って帯めくったら馬がいてしぬほどわろた。
まあSはMにご奉仕する生き物だってだれかがいってたからつりあってると思う。
25歳だけど「じい」のイケメン僧侶ラディムがもギップリャーギップリャー1でよいです。

いつ死ぬんだかいまいち分からない姫と元馬の王子はお互い惹かれあって、とりあえず手をつなぐ以上のことはせず、そもそも接近してたらラディムが邪魔しにくるんですが、おかまいなくいちゃついているのである。まあ「死の託宣」以外にも問題はあるんだけどいちゃいちゃしているのである。

とにかく「バッカwwwwwwwwww」ってキャーキャー読むのがただしいと思います。
いちゃいちゃしてるんだけど、恋愛特化! じゃなくてかなり笑えるラブコメです。
作品で例えるなら有川浩作品じゃなくて竹宮ゆゆこ作品。キャラで例えるなら死神姫のカシュヴァーン様アリシア破廉恥レーダートレイスみたいな。
あと27ページのイラストはめちゃイケを思い出してすごくシュールだと思います。

「あああああっ! コラーーーーーーーーーーっ!!」
お砂糖の焦げるような甘ったるい雰囲気を感じたのか、顔を上げたラディムが跳ね起きる。
教育係に絶叫され、アリーは驚いて夫の首にしがみついた。それがラディムをさらに逆上させたのだろう。わりと美形の僧侶は両手で髪を掴むと、天も裂けよばかりに吼えた。
「だから! あんたがたは仲良くしちゃいけないんだっつっとろうぐあああっ!!」
(略)
ふてくされた子どものような声を出しながらも、リオハルトがアリーを立ち上がらせた。それでもしつこく手をつないだままなのを見て、飛びかかったラディムが、手刀で別つ。
「とう!」
「きゃっ」
「痛たたた、乱暴だなぁ、ラディムは」

(P155〜P156)
  1. 魔法陣グルグル []

目つきが悪くて姿勢が悪くて可愛げや愛想のないヤンキー面をした是光のこれまでの人生は誤解の連続だった。
高校デビューしようと名門私立に入学できたはいいものの、入学式の日に事故に遭い1ヶ月休んだ。登校した頃にはもう「ヤンキーキング」の噂が広まりきっていた。

それからしばらくして、是光は同級生の告別式に参列していた。学園の皇子と呼ばれていた帝門ヒカル、是光は登校してきた日に彼に頼みごとをされていた。頼みごとの内容を聞く前に彼は亡くなってしまったが、告別式から帰宅すると男の声がどこからともなく聞こえることに気がついた。是光にはヒカルの幽霊がとりついていた。
ヒカルの心残りを解消するために是光はヒカルに協力することにしたが、その対象「葵の上」左乙女葵は是光を不審がり、ヒカルのことを嫌いまったく話を聞こうとしない。

幽霊のくせに実にお気楽なヒカルがいいな! いくつも隠し持ってる感がな! とっかえひっかえやらかしてるのに葵だけは大事に大事に壊さないように扱っててかわええなああとおもった。
是光はヤンキーに間違われてばっかりなのと家庭事情があれなので若干ひねくれてるけど根は素直で、はじめての友達を大事にするとてもいい子だなー。

観覧車でのシーンがちょうせつないなー。しんみりする。

シスター・ブラックシープIV エデンの嘘 (角川ビーンズ文庫)

ユリエルの協力者ニコラスがコンスタンティンの生まれ故郷に向かった。赤毛の「コンスタンティン」という男の子の話を聞こうとするだろうが、ニコラスが村で聞けるのは赤毛の「コンスタンス」という女の赤ん坊が悪魔に目をつけられ村から姿を消したという話だ。ニコラスもユリエルも鈍い男ではない。「コンスタンティン」やブラックシープの正体に気づくのはもう時間の問題だ。
同じ頃、サクスでは「悪魔憑き」が続出していた。女領主グロリアからの疑いの目は依然晴れていないが、コンスタンティンは【黒い羊】として独自の捜査をしている。コンスタンティン・悪魔にはそれぞれ変化が出始めていた。

色んな点においてあーあーあーあーあーというしかない4巻。もう佳境。もう終わってしまう。はやかったなあ。
ヒースはただの臨也1ポジションじゃなかったな! エリカがもう本当に「女友達」でかんどうする。
これが自分の愛だ!

ユリエルはせっぱ詰まった声で言った。
「私は不安なのです。あなたがあの人に似ている気がして。あの人があなたのように思えて。違うと証明させてください。あなたとあの人は関係ないのだと。あの人は真実、善良な……少年なのだと。私が、」
(P136)

  1. デュラララ []
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