カテゴリー「 読了 」の記事

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密姫村

メインは昭和30年代〜50年代。ちょいグロ。

新婚間もない植物学者の夫と医者の妻の物語からはじまる。日本にはいないはずの不思議な形状の蟻をみつけたと、山上はフィールドワークのため1年間瀧楚上村へ行くことをきめ和子もそれについていくことにした。
瀧楚上村は高齢化の進む集落の上無医村なのである。
山上はすぐにでもフィールドワークに出たかったが、小さな村だからよそ者には不審な目を向けられるとまず案内に連れて行かれる。この村には「集落の人間以外入ってはいけない社がある」と聞かされる。
この村には過疎の村には似つかわしくないところがあった。あまりにも健康すぎるのだ。
和子は聴診器やら血圧計片手に「健康診断をします。もちろん無料です」と老人に声をかけるがまったく相手にされない。病気をする者は確かにいるのだがが次の朝には何事もないかのように畑仕事をしていた。

壷が非常にぐろかった! 
お優とべにと大蜂の3人はよかった。昭和51年最高。

レディ・マリアーヌの秘密 (ルルル文庫)

マリアーヌは元騎士の叔父に憧れて7歳のとき彼に弟子入りした。
騎士になるため腕を磨く一方乙女らしい一面も見せていた。兄弟子のラジールに恋心を抱き6年、ふたりの間には確かに大切な絆が結ばれつつあった。ただし生涯の友人として。初恋の人はマリアーヌの姉を愛していた。
マリアーヌはふたりの仲をまとめ、剣よりドレスの似合う乙女になるべく「末の姫君の話し相手になってほしい」という叔父の依頼を受け王都へ旅立った。

マリアーヌは「ハチミツとクローバー」のあゆのような女の子です。
勇ましくて聡明で初恋玉砕で、やや乙女だったり「兄貴ィィィ」と慕われるようなお人よし。
末の姫君ミリエールとは「姉と妹」もしくは「姫と騎士」のような関係を築き、第2王子に気に入られ極秘で王宮内を捜索することになる。この王宮には謎の宗教団体が幅を利かせているのだ。
陰謀といえば陰謀ですがラブコメです! ラブコメです!

第1王子の可愛さはやばい。
しかしこれはどう見ても執事である。出番は少なくとも執事 is No11

  1. アルビオンの夜の女王の時もこんなことを言っていた気がする []

雑誌収録分とか同人誌とかを……
並びは読んだ順です。

GOSICKs 黒の僧侶は祈りを捧げる 桜庭一樹 (野性時代2月号 読みきり文庫)

脳内ではベルゼブブの頭蓋脱出のシーンで再生された。
少し雰囲気が変わった気がする……。いやセシル先生とゾフィがなんだかこう、GOSICKのあとがきのような。
あとイアンと「エヴァン」になってた。今見たら富士ミスのはエバンだった。

ヴィクトリカは興味なさそうに書物に首を突っ込みながら、静かな声で、
「それだからこそ、この貧しき地上のどこかに、常に"祈る"人が必要なのかもしれんなぁ。ちいさく無力な僧侶たちが、人知れず、世界を、絶望から守っているのだ」
それきり静かになったので、一弥はそっとヴィクトリカの横顔をうかがった。

(P135)

読みきり文庫というのはよい。角川文庫サイズなので収納場所を考えないでいい。

えっちなようでえっちでないすこしえっちな(賢狼とか文学少女とかあにきとしゃていとかの)本 宇佐見尚也

冬コミのうさみさんの本。えろかった。あにきとしゃていは割とありなんじゃね? とか思った。
うさみさん多才だな。今一発変換では多妻だったんだけど間違ってはないと思う。

光圀伝 予告&第1回 冲方丁 野性時代

7歳児が首が飛ぶところをまじまじと見て、その後父に言われてほつれた髪をひきずってずるずるもえ。
この首がどうなるのかもなかなかすごい。冲方作品を読むのはこれが初めてだけどおもしろいな。

予告編はこれかなり先じゃね? というところまで読める。わたしは祝言のターンは死にそうだ。

暗闇の道を、男の首を引きずって歩いていた。
たかが人間の頭部一つ、楽に持ち運べると思ったのだが、これが意外に重たい。(略)
どうせ罪人の首なのだから汚れようと気楽なものである。ごろんごろん転がすようにして運んだ。子供が生首を引きずる姿は、それ自体はひどく不気味なものになりそうなものだが、光圀の天性の覇気が、そういう印象を寄せ付けなかった。

(P48〜P49)

その他の野性時代2月号。

まだ全部読んでない。むしろ1月号もほとんど読んでないのですがぺらっとしてたら台湾角川ラノベ大賞の記事が。華葬伝のあれである。
・2003年:台湾ではじめてライトノベルが出版される。
・2005年:「灼眼のシャナ」がベストセラーに。台湾だけで4万部の大ヒット。日本で換算すると20倍の80万部に相当。
・2006年:台湾国際角川書店がライトノベルを「軽小説」と名付け大々的なキャンペーン展開
・2007年:大手漫画出版社参入。台湾ライトノベル戦国時代の始まり

IZUMI(華葬伝イラストレーター)「日本のイラストのレベルが高い。私にもそのクオリティが求められた。何度も描き直した」

光来たる島 須賀しのぶ 

冬コミの須賀さん本。流血女神伝後日談。早いもので女神伝が完結して3年。
喪の女王より暗き神の鎖の展開のほうがよく覚えているなあ、とおもった。これを機に集めて再読するべきか。
流血女神伝の序盤〜砂の覇王までは友達に借りて読んだので手元にはないのだ。
機と見れば一気に畳み掛ける機動力と決断力笑った。しかし思ったよりエティカヤ1が取り扱い注意だった。

子供たち編のその後について言及される。
子供たち編は男主人公2、つまり非常にきつい展開になる。アンゲルゼはきつい展開だったけど、まだ少女主人公。でも5冊予定が4冊予定になった経緯と最近のレーベルの変動っぷりから、子供たち編など言語道断じゃないだろうかと須賀さん側からコバルト編集部に保留でお願いします、と。
それからラノベと一般文芸の両立の無理具合3などをあげていた。
ここ数年のうちは無理だけどそのうち待っていればひょこっと出るかもしれない。そんな感じの様子。

  1. というかアフレイムとバルアン []
  2. エティカヤのふたり []
  3. 少なくともコバルトは3ヶ月に1冊ペースで出す必要がある→拘束時間が長い→他の仕事ができない→それでも両立しようとしてみた→ぶっ倒れた []

19?ナインティーン (メディアワークス文庫)

19歳を描くアンソロジー。
2Bの黒髪がよかった。こういう「実体験をもとにしました!」と言われてもまったく不思議ではないような内容は、心の中のやらかいところを握りつぶしていくんだぜ。わたしは浪人してないし漫画も書いてないけど。
7と嘘吐きオンラインの人の絵柄にあとがきを放り込んで脳内コミカライズが開催されていた。

その次が「向日葵ラプソディ」で新刊出るたびに「よく出してるなあ」と思いつつ横を通り過ぎているので今回初めて読む。悠馬さんが好きです線の細くて芯の太そうな人はよいですね。某青い人も美味しいよ!

「19歳だった」はなんという「秋の牢獄」ならぬ「聖夜の牢獄」

大人のための残酷童話 (新潮文庫)

「大人のための」と断ったのは、子供には毒性がいささか強すぎるのと、話の性質上思わずエロティックに傾くことがあったのとで、大人の方により一層喜ばれそうだからです。子供読むべからず、というわけではありません。

(あとがきより)

Marchenをループするだけのかんたんなおしごとを遂行する今日この頃ですが、新刊棚で見つけたのでイドに呼ばれてお買い上げ。
白雪姫や一寸法師や青髭や人魚姫やかちかち山などなど世界中の名作童話を縦横無尽にアレンジ。
「ハッピーエンド」というものがあまり存在しない。「残酷」というよりは「悲惨」「グロい」「救いのない」話が多いです。冒頭の人魚姫が「上半身が魚、おへそから下が人間」で想像して笑った。

思えば倉橋由美子作品はこれがはじめてかな……1

  1. 聖少女はとりあえず解説だけ読んで積んでいる…… []

魔王をプロデュース!? (幻狼ファンタジアノベルス)

厳しい顔立ちに立派な体格を持っているものの特技は治癒、しかし血は苦手。趣味はレース編みなど。
メィズ1は今日も元気に職安で仕事を探していたが職員にはばっさりと切り捨てられ「コワモテのあなたを募集」という求人広告を渡され、娘で生徒会長をしているベルに連れられ面接会場に行った。
立派な職場に家族と一緒に住めるまかないつきの社員寮。多少危険はあるものの高給の仕事につくことになった。……仕事内容は魔王の影武者である。

勇者に攻め込まれる魔王側の視点からの物語なんですが、魔王城での生活がいちいち笑える。
激しくコメディです。テンションが超高かったです。ドラクエにまるマをぶち込んだ感じでした。
「フォトショ魔法wwwwwww」とか「ひのきの棒と100ゴールドwwwwwwww」とか「職安てwwwwwwww」とか「デスペナは所持金の半額wwwwww」とかいちいち爆笑しながら読んでました。

「現実の単語を混ぜないでください冷める」とか「もっと世界観を大切に!」とか言ってる人は絶対読んじゃいけねえと思いつつ、まるマのギャグセンスがおもしろいと思うなら多分面白いんじゃないかなあという。
有能な娘まじパねえ。
面白かった。

  1. 表紙イラストの一番下の人です []

レッド・アドミラル  英雄は夜明けを招く (角川ビーンズ文庫)

一段落しているけどまだもうちょっと続くんじゃよシリーズ。
冒頭からカロルがアホ可愛いんですがどうしたらいいですか。いや今回はまさかのアルデア萌えだったので!
アルデア萌えだったので! くどき勝負美味しいです!
ロディアをうっかり王子@Marchenにおける鈴木結女さんに変換して死にそうになった1偽装結婚したい。ランセは兄弟としてほしい。
P139は沈んだ歌姫のアレッサンドロっぽい! そのこころは脳内で舞台変換されてひとりピンスポあびててもえ。
船はロマンだー。このまえメルコンの前に日本丸を見学にいったのだ。
レッドアドミラルに変換してふんすこふんすこいっていたのはいうまでもない。

珍しいことに特典がついていてSSつきポストカードが2種類ともシュリンクされていた。
1種類だと思っていたからありがたい。特典系は除外されるのが常なので嬉しい。

  1. 共通点はなにこのイケメン []

華葬伝  〜Flower Requiem〜 上 (角川ビーンズ文庫)

台湾角川ラノベ大賞金賞受賞作品、ということなんだが何故ビーンズなんだろう。
漢字名なんだけどあちらでの読みだったりなじみの薄い単語がばんばん出てくる。
「設定ばりばりのラノベ」ととるべきか「台湾では誰でも知っているような基礎知識」ととるべきかが分からなかった。よく分からないものを分からないものとしてとりあえず読み進めていくこの感じは、高校のときはじめて十二国記を読んだときの様な気分だなあ。
 
読みにくいなと思いながら普段よりもだいぶ時間をかけつつ読みました。
上巻だけでは面白いか面白くないかもちょっとまだ判断しがたい。そんなにあっさり読める本ではないと思います。
個人的にはビーンズっていうよりは富士見っぽいなと思いつつ読んでいました。分かりやすくBBBに影響されている。
あと登場人物紹介が4ページに渡って割かれている。こっちにも何度も戻ってきた。
今から読む人は100ページ、大体3章が始まる手前までは読むといいと思います。
そこまでいくと単語だけ与えられていた世界観設定の詳細が与えられるので。
いや作品内基本設定の説明というか描写はもうちょっと早く欲しい。

400年の昔、この世界には神が存在し輪廻転生があった。人間は神殺しを実行し、神は死に際に呪いを残した。
「我が血に染まった者は贄人となり、贄人がすべて死に絶えた時に我は再び蘇る」
そうして輪廻は失われ行き場をなくした魂は謫仙となり人を殺し多くの血が流れた。贄人も殺され残り1人となり、人々は神が復活し復讐に及ぶことを恐れ贄人の安全のため籠庭十殿と「箱玉」の術を作り上げた。
この術で贄人の「生」は最低限度までに抑えられる。贄人はこの世の存続のため永遠に生きることを迫られ、義人は贄人の老化や怪我の身代わりとなり若くして死ぬことを迫られている。
半年前の「塚の乱」で重傷を負った幽冥は記憶をなくしたが、仲間の4人の義人とともに贄人の繭を守り謫仙と戦う毎日を送っている。

どきどき華葬伝用語辞典

珠罌神……かつて人間に殺された神。贄人がすべて死んだら復活する。かつて珠罌神がいなくなれば寿命がなくなると考えられたが珠罌神がいなくても人間は死ぬ。死んでも神の欠片は残っている。
贄人……神殺しの参加者。世界に1人。感覚はすべて義人に渡し半分は常に眠っている。
義人……贄人の老化や怪我を肩代わりする。激しい消耗のため10代でなければ務まらず必ず夭折する。
謫仙……輪廻から落ちた人間の魂の成れの果て
箱珠の術……贄人を守る術式。5人の義人が揃っていれば問題ない
鎖玉の陣……籠庭を守る箱玉の術の補助陣式
反珠……秘密裏に贄人を抹殺し神を復活させ輪廻転生を復活させようとする考え、またはその考えを持った人々

華葬伝  〜Flower Requiem〜 下 (角川ビーンズ文庫)

慣れたのか下巻はするっと読めた。この読みやすさを上巻にもあげてください。
囲雲の「ここから逃げて」のあたりはすごく好きなのだ。あと義人がぱたぱたぱたぱたと死んでいったときはえええええと思ったけど、畔は死んだと見せかけて生きてるオチなんじゃないだろうかとこころひそかに思っていた。でもちょっとレイアースっぽいなと思ったんだ。世界の柱、この人がいなければ世界が崩壊する、今日も私たちはあつかましく彼を利用した。

いやでも富士見っぽいというか、富士見じゃなかったら幻狼かCノベでもいいと思うんだ。
でもビーンズか? と言われると首を傾げる。最近ビーンズの新シリーズでは冒険してる感じの作品と、2〜3年ぐらい前は多くあったちょいエロ作品と2パターンあって1これは明らかに前者だと思う。
普段あんまり他人の感想とか気にしないんですがこれはちょっと他の人の話が気になる。
でも積極的には薦められないなあとは思うので、むずかしい。

花守の竜の叙情詩 とかがあわせて読みたいなのかなあ。

ちなみに好きなキャラは睛です!
この2エントリを書く上で一番困ったことは「漢字が変換できない!」です。

  1. 無論このパターン以外もあるよ! []

ソードアート・オンライン(6) ファントム・バレット (電撃文庫)

ファントム・バレット完結編。とても分厚い。電撃新刊タワーの中では唯一陥没しててとても取り難かった。
裏表紙のSDキャラがかわいいなあとしみじみした。
キリトさんかっけー。GGOのキリトさんはMarchenの雪白姫でいいんじゃないだろうかとおもった。
しかしなんだ、「AGI型は屑」っていうのは響きが懐かしいなあ。

“文学少女”と恋する挿話集4 (ファミ通文庫)

挿話集もこれで終わりかー。段々終わりが近づいてくるなあと思ってしょんぼりする。
ななせの話と百年後と見習いの発見がよかった!
いろんな味が楽しめるのはよいな。

往復書簡

手紙形式でつづられる物語。書簡体でもモリミーの恋文の技術とは違い、ちゃんと往復なのである。一方的に送られる手紙ではない。10年後の卒業文集がいいな!

テルミー きみがやろうとしている事は (集英社スーパーダッシュ文庫)

修学旅行のバスが事故に遭い、1クラス26人のうち24人が犠牲となった。
足を怪我したことで修学旅行を欠席した清隆。彼に残されたのは「生き残ってしまった罪悪感」
事故に遭うも奇跡的に生還した輝美。彼女に残されたのは「24人の遺した最期の願い」

ダヴィンチのラノベ特集に載っていたので読んだよ。
テルミー(tell me)ってなんだか裏庭みたいだなあと思ったら暁光の唄みたいだった。自分の中にクラスメイト24人分の願いが遺されていることに気がついた輝美は、その願いを叶えるべく奔走する。輝美の中にいる24人は既に死んでいる。自分の心残りのことに関してのみ輝美の体を借りて表に出てくる。
音楽はいい!

花は桜よりも華のごとく  第二幕・月下氷刃 (角川ビーンズ文庫)

デビュー第2作。
桜能の夜から3ヶ月、白火の左腕はまだ動かない。柚木座と日輪座を行き来して舞の練習などもしながら静養していた白火だが、ある日嵐山である勧進能に同行した。演目は無事終了し、人気が無い時間帯を見計らって水浴びをしていたところを怜悧な美貌の青年帯刀に見られてしまった。その場は白火が逃げて終わったが、白火を一目見て気に入った帯刀は後日配下に命じて無理やり連れ去った。

1巻序盤の蒼馬が激しくなって再登場というか「今日からそなたは私のものだ」というだけあって、アレだ。
ふつうに未遂である。サラシは剥かなかったがただでさえ未遂なのでアレである。
なんというか蒼馬もまだだったのにいろいろやっちゃった! 的なあれである。
ていうか2巻にして蒼馬の出番がひじょうにすくなかった!
90ページ以降の帯刀と白火のシーンは好きなんだけど、それはあくまでメインだったらね! という。
朧と矢涼は好きだ。朧可愛い。うまくいくといい。

あとわたし「白火」をどうしても「はくび」と読めなくて毎回「しらび」って読んでる。

神様のカルテ 2

惜しい人を亡くすシリーズ。
24時間365日地域医療を支える1病院の医者とその患者の物語。
まあ現実と重ね合わせて色々とおもうところはあるのです。あとコーヒーの効能について。
前巻は病院外での話がなかなか多かったですが今回は病院内がほとんどでしたね。
1分間の停電は小説ならではのとても良いシーンだと思います。

  1. たぶん急性期 []
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