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24日が待てません。  お題:弱い冬 制限時間:15分 未完

今年は3ヶ月前の予想とはうって変わって暖冬なのだという。屋外に出ても頬が切れるような寒さを感じることは今年は例年より少ない気がする。
「冬なのになんだか暖かくて変な感じがします」
 目の前にいる那月はセーターにマフラーを巻いただけでそこら辺にいる高校生みたいだ。北海道育ちというだけでこんなにも体感温度に差がつくものだろうか。俺は買ったばかりのマフラーに顔を埋めて那月を目だけでちらりと見上げる。
「お前そんな薄着で寒くねえのかよ」
「僕? 僕はいつもこんな感じだけど。翔ちゃんはもこもこしていて羊さんみたいですねえ。可愛い!」
 帽子の上から撫でてくる手を振り払ってスマートフォンを取り出す。表示された先はtwitterだ。まだアカウントはできていないが、もうすぐしたらシャイニング事務所所属アイドル公式アカウントが作成されるはずだ。クリスマス限定の1日の夢を提供しようというものらしい。
社長から言われたのは適宜呟くこととフォローは各自のタイミングでやること、ファンとのふれあいは構わないが節度は守ること、写真を公開する場合は映りこんではいけないものが移らないように気をつけることなどがあげられていた。
「おい那月、お前事務所企画どうすんの」

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