カフェ、缶バッチ、ソーダ
- 2013/06/19 19:45
- Posted by minami_hato
- Category:お題 on twitter
- Tag:那月, 翔
仕事が一段落して入ったカフェでふと那月の鞄が目に入った。普段はピヨちゃんグッズに埋もれている鞄にソーダの飴玉みたいなストラップがついていたから「お前がピヨちゃん以外って珍しいよな」って言ったら「翔ちゃんの瞳の色みたいでしょ」て返ってきた。あいつの考えていることは分からない。
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Tag: 那月
仕事が一段落して入ったカフェでふと那月の鞄が目に入った。普段はピヨちゃんグッズに埋もれている鞄にソーダの飴玉みたいなストラップがついていたから「お前がピヨちゃん以外って珍しいよな」って言ったら「翔ちゃんの瞳の色みたいでしょ」て返ってきた。あいつの考えていることは分からない。
大丈夫ですかぁ? 今日は日差しが強いから軽い日射病じゃないかって保健室のせんせぇが言ってました。寝ながらでも飲めそうだったらこれ飲んでくださいね。真斗君が日射病には水分と塩分が必要だって買ってくれました。ん?何?大好きなあなたと一緒に居られるんだから迷惑だなんて思ってないですよ。
「お前なー、どうして俺のポスター玄関になんか貼ってんだよ」
「え? パネルに入れたほうがよかった? あれ一番翔ちゃんが格好よく映ってるって思うんです。壁に穴を開けるのはよくないよって音也君に聞いて」
「そういうことじゃねえよ」
「もうすぐ翔ちゃんにただいまって言えなくなるから」
那月の鞄には黄色のカラビナがついている。いつもここにポーチやスマホなど重要な物がぶら下がっている。1度スマホを地面に落として再起不能なまでに割ったことから翔が付けたものだ。物販にも似たものが売られていたがこれは「お前の馬鹿力でも壊れないように」とクライミングにも使える特注品だ。
デビューして数年たって一番変わったことは那月の料理だ。普通に食べられるっていうか美味い物を作るようになった。今日も腹いっぱい食べたから洗い物ぐらいするぞといっても台所の支配者状態の那月には通用しない。レンとの料理番組はそんなに良い刺激になったのかと思いつつ若干面白くない気もする。
「那月も見送りに行けばよかったのに」
滑走路が一望できる公園のフェンスにもたれかかっている那月を見て音也は呟いた。
「翔ちゃんは夢に向かって走っていったから僕も頑張ります。胸を張っておかえりって言える僕になりたいんです」
決意がみられる言葉とは裏腹に表情は不安交じりで不安定だった。
「おい那月ぃ、やっぱりさっきの銀行の所の信号左折だってよ」
「はぁい」
「地図読めねえんだからちゃんとナビも買えよなー」
「そしたら翔ちゃんがナビしてくれなくなるじゃないですか」
「いつまでも俺を頼んなよ。あ、次の踏切渡って左」
「翔ちゃん何で海外なんか行くの。僕はここにいて欲しいです」
答え聞かせてくれるまでは降ろさないしおうちにも帰しませんってことだよーーー
「翔ちゃん、この雑誌見て。マスターコースの時の写真が出てきました~」
「あー、あのアリスやってた時のな。遊園地だったよなあ。藍が子供に絡まれて大変だったよなあ」
「楽しかったですねえ」
「だな」
皺の寄った手で翔は那月に手を伸ばした。
「俺ら、年取ったよなあ。藍は変わらないっていうのにさ」
「あのね、嵐が来たんです。僕は傘もって翔ちゃんを迎えに行ったら翔ちゃんは目の前で一杯の蝶になって皆お城に飛んで行っちゃったんです」
「それがこの時間に俺を起こした理由か。もう寝ていいか」
「……ごめんね」「俺は明日も明後日もここにいるから安心して寝ろ。いいな、おやすみ」
「おやすみ」
「翔ちゃーん」
声に振り向くとシャッター音と大層な一眼レフカメラを構えた那月がいた。ピヨちゃんがついたストラップが那月らしい。
「何だよ」
「雑誌の企画で渡されました。密着アイドルの休日ていうんだって。だから僕は翔ちゃんをいっぱい可愛く撮ります」
「可愛いは余計だ! 妙なもん撮るなよー」
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