カテゴリー「 読了 」の記事

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侍ニーティ (ルルル文庫)

81ルルルドラマチック小説賞大賞受賞作。
小学館ライトノベル大賞ルルル部門とは違い、こっちはドラマCD化前提の新人賞。
これが中々に予想外に面白かった。古戸マチコ作品好きな人はいいんじゃないかなあ。
やおろずで借り暮らしのアリエッティみたいな。
基本コメディ+ちょっとええ話系。

上山家は少々おかしな家族だった。世界を股にかける霊能者や占い師や手品師ばかりで、ミツコはまあ霊感が若干ある程度である。大事に大事に育てられそろそろその愛情が鬱陶しい年頃だ。一家が引っ越してきたのは田舎に立つ人の手の入っていない一軒家。ぶっちゃけボロ家。
ミツコ以外は引越し早々留守にすることになり、ちょっとでも掃除をしようかと自室へ向かい窓を開けると急に叫び声が聞こえた。ござる言葉で体が微妙に透けている男である。男が暴れるたびにポルターガイストが起きる。
どうみても幽霊ですありがとうございました。
幽霊は語る。生前の記憶がないからよくわからないが未練があってこの世から離れられず、かといって幽霊社会にも適応できずただのヒキのニートである、と。

徹頭徹尾コメディに徹するのかと思ってたらとても胸キュンが過ぎるシーンあり、ほろりとするシーンあり。
そしてすごくキャラクターが魅力的なのだ。
借り暮らしのアリエッティみたいっていったのは基本的に自宅からほとんどはなれない物語なんですよ。
そこからそこへ移動するだけでこんなにときめくものなのかというシーンがたくさんであった。

思わぬ良作品でした。
ドラマCDは多分買わないんですけど1たぶん次作も買うと思う。

  1. それはあまり興味のない分野です。 []

小説家の作り方 (メディアワークス文庫)

日本ファンタジーノベル大賞を受賞して小説家として生計を立てていた物実のもとに届いた1通のファンレター。
何度かのやりとりの結果小説の書き方を教えて欲しいといわれレクチャーをすることになる。
「この世で一番面白い小説をお願いします」という担当編集。
「この世で一番面白い小説を書きたいので書き方を教えてください」という紫依代。

学園祭のシーンは良いね。後半の超展開はデビュー作からのお約束だよーんとみているのでおっこれがそうなのか! というあれ。そんな初野崎まどでした。

聖グリセルダ学院の初恋 (小学館ルルル文庫 あ 2-14)

暗殺者の村で生まれ育ち、自らも暗殺者の卵として鍛錬を積んでいたティエサだったが、終戦をきっかけにふつうの学生となるべくグリセルダ学園へ入学した。それから季節は流れ冬休みになった。
ティエサたち4人は冬休みを雪山で過ごそうということで、ネージュの別荘があるルプルへ向かった。
そこで出会ったのはラララ叢書の作家と作家志望、それからキアスの昔なじみだった。

トトの喋り方が実にベアト1である。いいぜェキアス……殺しあおうじゃないかよォとか言い出してもふしぎではないベアト的な喋り方である。恋する乙女は乙女なんだけども、とても豪快。

あと昨日「気持ち悪いイケメンも略したらキモメンではないかね」といっていたのはあとがきを読んでです。
ノンノの駄目な感じは好ましいがあの小説はだめだ! いつぞやのガッシボッカみたいだ!

この229ページが格好いい。でもろっさまが憑依したフェリっぽいと思ってすみません。
というかあの後半は良いな! たまらん! ていうかグリセルダはミステリ風なところがあり、バトルあり、恋愛あり、そのバランスがまじ美味ぇー! と叫ぶところだ。

  1. うみねこのなく頃にの登場人物。 []

GOSICKVII‐ゴシック・薔薇色の人生‐ (角川文庫)

面白かったです。あとヴィクトリカが可愛かったです。
久城がベルゼブブ以降のヒーロー的な、ちゃんと成長した子でとてもたくましい。
コルデリア・ギャロの出番が多くてキャッキャウフフしていた。ヴィクトリカ出生の秘密、というか当時の事情である。
ヴィクトリカが生まれた頃のコルデリアの話はなんだかアナザー七竈のような気分で読んだ。
ていうかブライアン・ロスコーはふたりいるにとても動揺した。なんだかよくわからないが動揺した。

物語の舞台は王都ソヴレムでいまだ根強い人気を誇る10年前に亡くなった王妃ココ。彼女の死の真相である。
リヴィングチェスは今度出るGOSICKsのことだなあと思い、セシルとゾフィはなんかよくわからない女性になったなあと思い、ドリルはなんだか可愛くなった。

たびたび鳩が登場するので、うらら・こんこんに続きついに私も二次元に飛び込んだかと思った。

「ぼくは、君が巻き込まれるすべてのことにこれからかかわっていくんだ。君の父、ブロワ伯爵とも、海水に覆われていく<ベルゼブブの頭蓋>で話したし、灰色狼のブライアン・ロスコーとも学園の時計塔で対峙した。ぼくという男はもうとっくに、君という非凡な存在を巡る世界の因果の輪に囚われているし、そのことを怖がってもいない。ぼくはなによりも君が大事だから」
「でも、でもだめなのだ……」
「君は優しいね。それに、案外、臆病なんだ。毎日、ああやって書物の海を自在に泳いでみせるくせに、実際の出来事に身近な人を巻き込むのをすごく怖がっている」

(P100)

アニメ化してからこっち、GOSICK関連記事がとても火を噴いています。
どれもこれも1年とか結構前に書いたエントリばかりです。ビーンズ文庫版も週末には出ます。

GOSICK ‐ゴシック‐ (角川ビーンズ文庫)GOSICKII ‐ゴシック・その罪は名もなき‐ (角川ビーンズ文庫)

読むぜ読むぜ。

人形草紙?桜下の誓いと散華の絆 (一迅社文庫アイリス)

一迅社文庫アイリスが創刊されたのは2008年7月ですが、これがレーベルの新人賞から生まれた初の作品です。
和風です。雰囲気としてはちょっとレトロな感じで、アイリスの中では影詠みの天花と同じカテゴリにいそうな雰囲気。
今書きながら思ったけどこのサブタイトルエリアルフォースみたいだ。

この世界には妄執など負の感情を背負った者が鬼に変化して人を襲う異形が確認されている。
これらを退治するのが七宝と呼ばれる人形、そして息吹で七宝に力を与える七宝士がいる。息吹は自分の命を削って七宝に与え操るもので選ばれた者は短命に終わる。七宝士にはどうやって選ばれるかといえば息吹が強いとある日体に花紋と呼ばれる花びらのような痣が浮いてくるのだ。
七宝士となるのは大抵4枚以上、主が見つからない場合は3枚でも選ばれることがある。どちらにしろ花紋が現れるとそれに引き寄せられ鬼がやってきやすくなるため、それまでどおりの生活は難しくなる場合がある。

主従とか、当代の主のみの記憶を持つ人形と生まれてからずっとの記憶を持つ人形。
若くして死別することを何度も繰り返す。前の主への思いを断ち切れないでいるとか、そんな感じの。
檀いいよね。

新本格謎夜会(ミステリー・ナイト) (講談社ノベルス)

船上1で行われたミステリフェスティバルの模様を1冊におさめましたという内容。
1泊2日で謎解きのイベントやトークショーや作家を見つけてサインをもらえたりそんな感じの。
書いたのは大地洋子さんで、なにげなくふんふんと読んでいたら「おーちさん」って書かれてて、ようやく「あの人なのか!」と思い当たる2

麻耶雄嵩がまーやって呼ばれてたのが妙にツボにはまった。綾辻さんがあーやなのは知ってたけど3
綾辻さんが人夫を妊婦と聞き間違えたり我孫子さんが豆腐屋はハードボイルド! とかいってて、トークショーおもしれええと思った。

安楽椅子探偵の新作が見たいなあ。

有栖川 いやね、綾辻さんてね、人を騙すのが大好きなんで、これで騙せると思うと、そのトリックを話してくれるときって(体をかがめて口元を押さえて)くっくっくっく……ってすっごい嬉しそうに笑うんですよ。

(P141)
  1. 関西ではホテルで []
  2. かつくらでよくいるあのひとじゃないか []
  3. (オフィスめめで見た。と思い出したら鷺沢さんがいなくなってからもう随分と経ってしまったことにしんみりした []

ふがいない僕は空を見た

「女による女のためのR-18文学賞」大賞作品。
全5話の連作短編で、斉藤卓巳君が中核なんだろうか。
この子のガールフレンド、一時期関係を持った主婦、友人、母などの視点で語られる。
1話が冒頭からちょっと引くレベルでえろい。なんたっていきなりどんである。
主婦がコミケでナンパした男子高校生に札つかませて脚本書いてそれにそってコスプレでピーなのである。
とりあえず本を閉じて1週間ぐらい寝かせて再度読み始める。性的な意味で結構えげつないのは最初の1話だけである。あと基本的には結構悲惨な話が多いです。無惨な事態さ。

「世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸」はなんというか、気持ち悪い話だ。
ストーリーセラー2収録の有川浩のヒトモドキのような気持ち悪さ。こっちのほうがさらにえぐいとは思った。
1話で出た主婦視点の話。「あなたがもっとがんばらないからよ」って怖い。妊娠こえー。
こえーとおもってたらさらにこえー展開。なにこれやばい。

「セイタカアワダチソウの空」はうってかわって黒い。2035年が比較的あれだったのでとても黒い。
ハチクロのはぐとおばあちゃんの二人だけのおうちを思い出す。田岡さんが花丸つけてるシーンになぜかじーんときた。なんでもないワンシーンだけど、JR内だったのでこれはやばいと思ってそこで中断した。
この話はすごかった。この子が一番心配だ。

花粉・受粉は命が生まれてくる現場は凄い話だった。でもあの壷はだめだ。よくない。

学校の授業や、テレビでは絶対味わえない、いのちの出来事に、心を奪われてしまったのだ。初めてお産に立ち会ったとき、産婦さんの体から流れ出てくる羊水の温かさに感動した。こんなに温かくてやわらかな水の中でいのちが育ち、この世界に生まれ出てくる。その現場にいつもいたかった。
眠れなくても、食事が出来なくても、儲からなくても、お産の場所にいたかった。

(P226)

本日は大安なり

大安吉日、老舗のホテル・アールマティで行われる4組の結婚式。新郎新婦や出席者の思惑や事情が交錯する晴れの日。

鞠香と妃美香が好きだ。双子補正か。いやでも凄く好きだ。ぎゅううと絞られるような思いだった。ふたりのこれまでとか小学生の願いとか久しぶりのあの人たちの登場とか、ピアノとか何回ももうここからは読めない!(くるしい!)と思いながら読んでいた。とてももだもだした。

P74のあたりは島田紳助の声で再生された。すりこみこわい。

映一が持ってる「君ら以上のややこしさ」がなんなのか表に出る日は来るのだろうか。恭司と月子が久しぶりに登場したようにまた会える日が来るだろうか……。

まじで結婚式って300万も? とおもった。
友達は人前式で12だったっていってた。別の友達の結婚式では「え、この曲……クラナド……?(挙動不審)」「まあ不思議ではないだろ(黙々」「クラナドって何?(知らなければただのBGM)」ということがあった。
こちらはゼクシィよりももっと地域密着型の結婚情報誌が2種類ぐらいあって、さらに毎月のタウン誌の半分をブライダル関係がしめていることがあって、結婚式やばいとおもうなど。

双子は強い。

海が愛したボニー・ブランシェ -湖上の城に恋は燃える- (B's-LOG文庫)

海賊と修道女の話3冊目。
ルーアの下の名前にこいつ「すいちゅうこきゅう」のマテリア1持ってやがる……と思うなど。
ファド一行は輸送船を襲撃したとこ輸送船に化けていたのは女海賊エブリン率いるローズ一家だった。
ファドのファンだというローズの発言で休戦→宴となった。

イヤボーンに続いてNTRとかレベルが高いぜ! と思った。調教されたサンホラー的に新キャラは
\ 妖艶熟女メアリー先輩 /  \ 鉄拳美少女エブ先輩 /  \ まじパねえっす! / でいいと思います。
色々あってエランジールへ行くことになったボニーの決心がすごい。なんだこの男前。

メアリーとデリックがまじで肝っ玉母さんと思春期男子。
ふつうに格好いいシーンにもできたのにあえてかぼぱんぶっこむこの話がとても好きです。

  1. ルーア・ゲインズブール。ゲインズブールといえばFF7のエアリス。ところでエアリス好きはクライシスコアFF7はやるべきだと思います。エアリスが動いて喋る! かわいい! []

アルケミストの誓約 黄金の騎士の恋物語 (B's-LOG文庫)

下巻。
ブラッキアリからコローニアへ貨物として3人へ移動中だった。
ウィルとエルネストがキャッキャウフフしすぎである。
単品ではウィルが好きですがコンビとなるとアンジェリンとエルネストがとても好きです。
エルネスト→→アンジェリンでお願いします。エターナル片想いで。

「兄上の出力はかなり高い」に笑った。
全体的に超満足してしまったので逆に特にここというのがないな。
落ち着きますからとか捕まりにくい努力をするようにとか音読するとか。

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