カテゴリー「 読了 」の記事

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楽聖少女 (電撃文庫)

高校二年の夏休みに悪魔メフィストフェレスに連れ去られ、19世紀ヨーロッパでゲーテとして生まれ変わった少年ユキ。しかしこの19世紀ヨーロッパはユキが生きていた21世紀に繋がっているとは思えないほど文明が発達していた。
そんなわけで、過去の偉人に体をすり替えられ自分はゲーテになった。ウィーンに行けばモーツァルトに会えるようなそんな時代だ。音楽モノかと思えば異能もあったり、あとは杉井光主人公が杉井光ヒロインとラブコメったりします。

あのハイドンはアームストロング少佐@鋼と仲がいいと思う。
あとベートーベン(男のほう)の笑い声がアマデウスのあれで再生される。この映画見たの音楽の時間で先生の方針1でものっそい細切れで見せられたんだけど良く覚えているものだ2

音楽は消えない。ずっとずっと弾き継がれていく。だって、ただ美しいから。

(P348)
  1. 音を楽しむというよりは音を学ぶという方針ですごく嫌いだった []
  2. 感想文を要求されたので「モーツァルトの笑い声がすごくアホのようで嫌だと書いた覚えがある []

鴨川貴族邸宅の茶飯事?恋する乙女、先斗町通二条上ル (メディアワークス文庫)

京都が舞台ですよと銘打たれていますが『京都らしい何か』があるわけではありません。
「謎解きはディナーの後で」フォロワーではありませんしモリミーフォロワーでもありません。
表紙やあらすじから想像するようなことはあまり登場しません。
トンデモ設定が含まれます。

以下は100ページ目ぐらいまでの内容でざっくりとしたあらすじなんですが一応伏せる。

テキトー王子、嵌められる!(三回)。 (ビーズログ文庫)

大国の女王と年の差婚して自分と大して変わらない年齢の長子を筆頭に7人の子持ちになった17歳の王子、その後。

軽めの家族ものなんですが、軽さが従来のビズログ的な軽さっていうかパロが割とこんこん含まれている分まるマ的な軽さ……。でもジゴロのお父さんを探して泣きながら走ってくるマリアとかちょうかわいくて私も満足度は高すぎる。双子で家族ものでという時点で私に勝ち目はなかったのだ。

今回はリヒト王子(パパ上)がお父さんになろうとしてたり悪い男が滲み出ていたのでよいと思います。
いやしかし長男長女と双子さえいれば後は別に不問っていう感じですなー。
今回ジゼルはまあまあ、あれなんですが国を離れる今回はアルマまじ出番なし。
「じゃあめだまだしてー」とかいうふたごかわいい。猛獣でも可愛い。

あとがきにそこはかとなく不穏な感じが漂ってたんですが、まさかこれで終了なんだろうか。
もうちょっと読みたい。

死神姫の再婚 -ひとりぼっちの幸福な王子- (ビーズログ文庫)

グラネウスの髪型があまりに豪華な縦ロール過ぎてお前余暇はテニスとかするべきなんじゃないのとか思った冒頭。今回はひたすら入退場が激しかった前巻比コメディ要素が割とあったと思います。
ジスカルドが少女漫画の主人公をしていた。ただし女子。あの人は女子。でもがんばった!
リュクは新しい扉開いちゃった! <Arkと呼ばれたもの>1にぎっちゃった! 信仰と自己暗示と澄み渡る覚醒とっちゃった! 絵が完成したら正気に戻るんだろうか……。

幸せな王子の結末を書いてくれたら望みを叶えるよといわれたゼオの中身はあまりに酷い過去を抱えていて、そらそう育つよなあ……と思った。

あとわたし「女王陛下万歳!」とか「アルヴァレス将軍に続けー!」とか進軍のシーン好きだよね。
その先に待っているのが勝利であれ絶望であれ。うん。ひさしぶりに再確認。

ノーラは羞恥と引き換えにセイグラムの呪い打破おめでとうございます。
ようやくゼオ編も終わりが近づいている。夫婦の再会はすぐそこだ。

  1. と書いて絵筆と読む []

(仮)花嫁のやんごとなき事情 ~離婚できたら一攫千金!~ (ビーズログ文庫)

こんにちはカップアイスはとりあえず蓋から、まろんです。
新作が出てしまったということは花狩りのロゼは……1
それはさておき新作です。ちょー直球タイトルです。

孤児院育ちのフェルディアは病弱なシレイネ姫の身代わりを時折務めており、今日も依頼の手紙がやってきた。
いつもの依頼かと思って出かけたがそれが孤児院との別れになる。
フェルディアは身代わりとして敵国の「毒龍公クロウ」のもとへ嫁ぐことになった。なにもずっと身代わりを続ける必要はない。政略婚は王族の義務でシレイネの体があれほど弱くなければ本来民に課すものではない。王侯の結婚は「白い結婚」と呼ばれるままごとの婚姻の期間がある。その期間中にこっぴどく嫌われて離縁されればいい。報酬には金貨を山ほど用意する。そういわれフェルディアはこの話に乗った。
フェルディアは「シレイネ」として望まれない国に嫁ぎ、初夜は首元にナイフを突きつけられる。

離婚が目的なのはシスター・ブラックシープと同じですね。
たぶんヤンキー巫女逢桜伝とか花狩のロゼ 歌姫は薔薇を殺すが好きだった人に。

「身代わり花嫁の結婚」といえばベタ中のベタですが、途中からはすごいコメディでちょっといい話も含まれる感じですよ。王道ですが途中でジェットコースターが2回転ぐらいループするよ。

  1. 認めぬ []

ゴールデンタイム外伝?二次元くんスペシャル (電撃文庫 た 20-20)

脳内嫁との脳内会話が痛々しいのですが、この痛々しさが徐々にリアルに鈍器な痛み。
この脳内会話が「痛々しい中二病描写」かと思えば二次元くんの心情描写とイコールで割と自嘲的なのがなんとも。

資料がないと何も描けなくて、じゃ喧嘩別れした相方の絵をトレースしてしまえって考えるけど実行に移せないで自己嫌悪に陥ってる愛可がかわいそうで、その水際で止まっていられるのは根性がすわってないわけじゃなくて、「いけないことはいけない」って分かってることだと思う。

「原稿。あるよね。現実に、ここにある。これが『現実』じゃなくて、なに?」
目を覗き込んできて、一夜をともに明かした共犯者の笑み。
「私にはこれが現実だよ。何グラムかの重みで、この世に存在してる。これをこの世に生み出したことが、それだけが現実だよ。形になってる。そりゃ、しょせん同人だよ。しょせん二次創作だよ。でも、これがこの世にあるのは私が手を動かしたからだもん。ここに確かに、存在するんだもん。確かに不健康かもね。でも私はこれが欲しいんだもん。こうして手にしたかったんだもん。これがここにあることを喜ぶ気持ちが現実ではないなんて、一体どこの誰に言わせるよ?」

(P128~P129)

ここ読んだ後は思わずちょっと放心した。現実だ……とつぶやいた。
ラブコメにみせてすんごい重たい話を持って鈍器持って追いかけてくるこの感じはほんと健在だなと思う。
読みながら何分に1回は死にそうになる。死にそうになるけど読むのはやめられないっていう。魔物。

金星特急 (6) (ウィングス文庫)

グラナダ到着&合流のご一行。錆丸さん再開できてよかったね!
いらっとして喉笛狙う三月素敵。
許されない恋をしている金星の下へ集められた女の子たちが花婿候補の行動を見守ってて、「ああ、そんなこともあったなァ」と気分は回想モード。あとグラナダが戦場になりそうとか各所でBGMが侵略する者される者でした。
錆丸が体も頭の中身も成長してて、でも砂鉄のやり取りはそのままで和んだ。
女装のまま派手にたかっているところがとても笑った。ユースタスが錆丸と(模擬戦とはいえ)戦ってたのであの震えてた錆丸がこんなに大きくなるなんてと成長を見守った。あとは蝶の子! 蝶の子! 夏草!ってはねてた。

書き下ろしはアルベルトの話がすごく好きで、うっかり頭がパァンとなるところだった。危ない。

こいつなら命を預けられる、ではなく、こいつなら殺してやれる、か。

(P172)

「この地ではキリスト教の宣教師達が世界氵語も広めたせいか、教会の教えに反するような『交流』をする時は、みんな現地語を使う習慣だ。普段は教会に遠慮して世界氵語しか使わない奴らも、この日のために祖父や祖母から教わった愛の言葉を相手に差し出す。宝物みたいにな」

(P278)

幽霊伯爵の花嫁 偽りの聖女と地下牢の怪人 (ルルル文庫)

地下牢の怪人ってなにそのオペラの怪人! \ ファントム! / いいながら読んでた。
仲睦まじいコルドン伯爵夫妻のもとに客人がやってきた。ウィルソン男爵家のブライアンと喪服を身にまとう少女りゼット。ふたりは幽霊に狙われているから守ってほしいとやってきたのだが、このりゼットは今回の台風の目である。
細切れにして食べてしまいたいぐらい、というぐらいまじチャイニーズスープサアラさん。危ういなーもえるなー。
やっぱり普通じゃないカップルがわさわさしているシリーズなのですがえらい楽しいな。この色々どろっと渦巻いてる感。あとフィナとアシェリーゼがいいコンビだった。りゼットはまた再登場してもらいたいものです。

トッカンvs勤労商工会

ドラマ化が決まり井上真央主演だわ主題歌ミスチルだわなんか追い風が吹いている気がする。
さてトッカン2巻である。
「京橋中央署の死神」特別国税徴収官1の鏡が担当滞納者を恫喝して自殺に追い込んだとして行政訴訟を起こされるかもしれない、ということになった。原告の背後には税務署の天敵勤労商工会が控えている。
勤労商工会は弱者救済を掲げ商工会と大差はないものの、税務行政の改善をスローガンにデモ活動も積極的に行っている。

今回は比較的鏡トッカンは控えめで、ぐーこがなんとか羽ばたいてみようと頑張っている話でした。
じたばたもがいて少々みっともなくても突き進んでいく姿は格好いいコガモの巣立ちを見守る気分だった。
「助けてドラえもん!」のあのシーンはなんか妙に映像的だった。あと裁判官の「時雨沢」という名前に思わず笑った。貴方の憤懣解決しますってABCテレビの17時18時ぐらいにやってたなあと思いつつ。

さすが、と言われるなにかが欲しい。
何々だったら鈴宮さんにまかせておけばいい、と言われるなにかが欲しい。
会社の中は、椅子取りゲームと同じだ。居場所を確保するための無言の戦いが繰り広げられている。のうのうとしていては有能な後輩や同僚が異動してきて、あっという間に自分の居場所を陣取ってしまう。

(P239〜P240)

耳が痛い。

  1. 略してトッカン []

あたたかい水の出るところ

あるところに温泉が好きな女の子がいました。女の子の名前は柚子と言います。柚子は高校生で、そろそろ進路決定にさしかかりました。進学なんてまっぴらだけど就職する未来もよくわからない。というところからはじまります。

柚子の家庭環境がかるーく書かれているけどすんごい重い。
母の愛は妹ばかりに向いている。姉は金の無心に来るのできっちり期限をつけて貸してやる。妹はデブでおそらくかつては天才だった。父は影が薄い。ゆずは家事を任されている。このまま家にいたら搾取される未来しかない。屋根があるところに寝床はあるけど、虐待されているようなものだよなあ。
その辺はアナザー「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」っぽい感じではあります。
軽く書かれているけど実態は重いから読んでると段々胃が重くて気持ち悪くなってくる。本との戦いである。
水中毒に覚えがあって、あって思う。でもあれは違うと思う。

そのお疲れ様な人生が永遠に終わらないということはない、というあたりよかったな。
あとちゃんと報われたあたり。

「小さい頃、あんだけ神童神童言われてたのが、だんだん目立ちもしないフツーの成績に近づいていくのはどんな気分よ! え? 公立でトップクラスでも予備校入ってみたら、自分と同じくらいの女の子がザラにいて、しかもフツーにかわいかったり彼氏いたりすんのを見るのはどんな気分よ! え? クラス中にキモブタ呼ばわりでハブされてるイライラを、お母さんが甘やかしてくれる家の中でだけ、威張りくさって発散するのはどんな気分よ! え? え? え!?」

(P137)
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