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トッカンvs勤労商工会

ドラマ化が決まり井上真央主演だわ主題歌ミスチルだわなんか追い風が吹いている気がする。
さてトッカン2巻である。
「京橋中央署の死神」特別国税徴収官1の鏡が担当滞納者を恫喝して自殺に追い込んだとして行政訴訟を起こされるかもしれない、ということになった。原告の背後には税務署の天敵勤労商工会が控えている。
勤労商工会は弱者救済を掲げ商工会と大差はないものの、税務行政の改善をスローガンにデモ活動も積極的に行っている。

今回は比較的鏡トッカンは控えめで、ぐーこがなんとか羽ばたいてみようと頑張っている話でした。
じたばたもがいて少々みっともなくても突き進んでいく姿は格好いいコガモの巣立ちを見守る気分だった。
「助けてドラえもん!」のあのシーンはなんか妙に映像的だった。あと裁判官の「時雨沢」という名前に思わず笑った。貴方の憤懣解決しますってABCテレビの17時18時ぐらいにやってたなあと思いつつ。

さすが、と言われるなにかが欲しい。
何々だったら鈴宮さんにまかせておけばいい、と言われるなにかが欲しい。
会社の中は、椅子取りゲームと同じだ。居場所を確保するための無言の戦いが繰り広げられている。のうのうとしていては有能な後輩や同僚が異動してきて、あっという間に自分の居場所を陣取ってしまう。

(P239〜P240)

耳が痛い。

  1. 略してトッカン []

あたたかい水の出るところ

あるところに温泉が好きな女の子がいました。女の子の名前は柚子と言います。柚子は高校生で、そろそろ進路決定にさしかかりました。進学なんてまっぴらだけど就職する未来もよくわからない。というところからはじまります。

柚子の家庭環境がかるーく書かれているけどすんごい重い。
母の愛は妹ばかりに向いている。姉は金の無心に来るのできっちり期限をつけて貸してやる。妹はデブでおそらくかつては天才だった。父は影が薄い。ゆずは家事を任されている。このまま家にいたら搾取される未来しかない。屋根があるところに寝床はあるけど、虐待されているようなものだよなあ。
その辺はアナザー「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」っぽい感じではあります。
軽く書かれているけど実態は重いから読んでると段々胃が重くて気持ち悪くなってくる。本との戦いである。
水中毒に覚えがあって、あって思う。でもあれは違うと思う。

そのお疲れ様な人生が永遠に終わらないということはない、というあたりよかったな。
あとちゃんと報われたあたり。

「小さい頃、あんだけ神童神童言われてたのが、だんだん目立ちもしないフツーの成績に近づいていくのはどんな気分よ! え? 公立でトップクラスでも予備校入ってみたら、自分と同じくらいの女の子がザラにいて、しかもフツーにかわいかったり彼氏いたりすんのを見るのはどんな気分よ! え? クラス中にキモブタ呼ばわりでハブされてるイライラを、お母さんが甘やかしてくれる家の中でだけ、威張りくさって発散するのはどんな気分よ! え? え? え!?」

(P137)

楽園島からの脱出 (電撃文庫)

TRPGみたいなのからはじまったので何かと思えば脱出ゲームというアナログゲームの一部でした。

極限ゲームサークルは高校3年の夏休みを迎えて最後のゲームをすることになった。
ラストゲームはスポンサーに提示された企画でなにからなにまですべてスポンサー側で行われる。
男女50人計100人、ゲーム名ブリッツ、無人島の偽りのエデンの園で行われる脱出ゲームだ。
男女ペアが作られたがそれは別に皆それぞれに好きなもの同士で固まっていた。そして女子だけが持っている謎の機器と白いワンピースに意味と価値が持たされていく。

MW文庫じゃない土橋作品を読むのははじめてだったんですがおもしろかったなー。
神楽坂さんいいキャラをしている。とりあえず続きが楽しみ。とても楽しみ。

ミニッツ?一分間の絶対時間 (電撃文庫)

相上櫻には特殊な能力が備わっていた。1分間だけではあるが人の心が読めるというもの。
櫻はこの能力をフルに生かして、「出来すぎない気さくな優等生」として支持率を集め高1の間に生徒会長になるというのが今の野望だった。

知的バトルというか心理戦というか騙しあいだった。
最初は櫻と同じ「お母さん」という愛称を持つ二年生の琴宮遥にぎゃふんといわせてやりたいというところからはじまった。2人の戦いは「馬鹿と天才ゲーム」にはじまり登校拒否の遥の妹・彼方もまきこんでえらいことに。この彼方も一筋縄ではいかない。遥との戦い後にうっかり弱みを握られることになる茉莉とか櫻の幼馴染みのアザミとか、アザミの親衛隊とか、アホの塊がいる。アザミがもっともっと話に関わってくることになったらと思うと楽しみ楽しみ。

花の佳音 (メディアワークス文庫 あ 8-1)

知らない人だなあと思いつつ読み終わったらあとがきでシゴフミ?ってあってなつかしいなあああと思った。

店長が客に花を選ぶ「閑古鳥が鳴く花屋」フラワーショップ花音の話。
チューリップハットに着流しに地下足袋という怪しい格好の店長草介は「花の声」を聞くことができる。だから店の商品が売れるときは里子に出すような気分で涙ながらに別れる。
妻と死別した草介は植物馬鹿で浮世離れしていて、心の底から人間の幸せを祈る花たちの物語です。
ちょっといい話系です。菊の話はいいねえ。

封殺鬼 クダンノ如シ 中 (ルルル文庫)

帝都女学院に眠る鍵、穂積妙子が桐子たちの前に現れた。
妙子は自分が何者か知らず「禍いをもたらすもの」だといわれ、ここなら安全ではないかということで結界を張られて清浄な空気の学園のさらに塔の中に閉じこもっている。

不死木の人間の話はえらいときめくし、五一五事件キタワーとかときめくときめく。
やっぱりクダンはびっくりするほど女の子がキャッキャウフフしている話だと思う。あの桐子までもそういう空気。

「花物語」を朗読するユミちゃんと正座してそれを聞く桐子の図がおもろすぎてしぬ。

六花の勇者 2 (六花の勇者シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

魔神を倒すために集まった六花の勇者、6人いるはずがなぜか7人いる。誰が偽物だ……の2巻。
冒頭からいきなり驚愕の展開で、どうしてそうなった! というのが時間を巻き戻して語られている。
追い詰められるモーラのガチ感がもう半端なくて、いやいやもう。モーラの壮絶な人生。あとロロニアすごい。
ネタバレを避けたいのでざっくりとした感想になった。

裏表紙のあらすじが盛大に1巻のネタバレすぎてどういう顔をすればいいか分からない。あれはひどい。

おこぼれ姫と円卓の騎士 女王の条件 (ビーズログ文庫)

優秀な兄2名が争いこのままでは内乱は回避できないとして父王はレティーツィアを次期女王に決めた。
人は彼女のことを「おこぼれ姫」と呼んだが当人は自分が王になることはずっと前から知っていた。
新人デビュー作のシリーズ化2作目。

実によい兄弟の話巻でした。
名誉騎士で行う勝ち抜き戦でレティの座席付近に血で描かれた呪いの魔法陣と鳥の死骸が発見された。
続く呪いと自分への挑戦かと怒れるレティ。やがて浮かび上がる犯人像。

若干殺伐としている気配はありますが、いいじゃないか! いいじゃないか!
次期女王として毅然とした姿で侯爵家を押さえ込む方法を模索しているレティはかっけーです。

あまからカルテット

日常の謎といえなくもない感じの、恋愛とかも含まれる仲良し4人組の女性の話。
ピアノ講師の咲子、雄雄しい編集者の薫子、平凡なようで鋭い味覚を持つ専業主婦の由香子、美人でやや高飛車な美容部員の満里子。それぞれが主人公の話と群像劇が1篇。
相変わらず食べているものがおいしそうでやばい。由香子の話の中で出てきた甘食は、以前旅行のときに関東の友人が「これ食べたことないだろうと思って!」って持ってきてくれました。「甘食」というのははじめてみました。ああいう形状のものはこちらでは「帽子パン」と呼ばれているのだ。
食べるラー油も1回も食べたことないので、味が想像できない。

「グルーポンのスカスカおせち」にふいた。

“朧月夜” ヒカルが地球にいたころ……(4) (ファミ通文庫)

ハーレム皇子ことヒカルが幽霊になってヤンキーキング是光に憑いた話4冊目。
ヒカルの兄の婚約者、月夜子が「ヒカルの大事な花を散らさないように見張っていて」ということばに日舞研に入部する一方で、葵からは彼氏になってくれといわれ、帆夏からは大変に気にされている。
こう書くと是光ただのハーレムの主次期候補だなあ。大丈夫です奴は真面目な子です。
帯では学園ロマンスと銘打たれているものの、重い展開が割とあるのでとても楽しいです。
今回のヤンデレはすごかったな。今までにあんまりない方向だった。
いやでも野村美月だからまだ更新してくれると信じている。

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