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デ・コスタ家の優雅な獣 (角川ビーンズ文庫)

新シリーズ。登場人物紹介のページ見て「あら乙女ゲーライク」と思ったら砂糖の代わりに血が詰まっているような作品でした。

施設育ちのロザベラ(ロージー)は「あなたのお身内の方が見つかりました」と2人の男性に引き合わされた。
それぞれノア・ダリオと名乗ったふたりの母マリアとロザベラの母ファビラが姉妹なのだという。
デ・コスタ家の娘は特別。欲しがるものはなんだって与えられるし女王様にだってなれる、そういわれたもののロージーに突きつけられた現実は過酷なものだった。
デ・コスタの女の血は異能の力を産む。施設に迎えにきたノア・ダリオ・それから屋敷で待ち構えていたエミリオのうちの誰かと結婚して子を為せという。ロージーは自由を求めてファミリーの一員にしてくれとエミリオに願い出る。エミリオが課した試験は「裏切者を見つけ出してこの世から消せ」というものだった。

マフィアものです。殺伐としています。ロージーがまた内気な少女でまあアンゲルゼの陽菜みたいなものです。
内気で臆病な少女が生きるために啖呵を切るのは勇ましいと思います。「悪い子に、なっちゃう」は名言だと思いました。内気な少女がとんでもない場所に放り込まれて生きるために必死であがくというのはとても好きなので色々とがんばって欲しいなあとおもいます。

王立エトワール近衛隊  炎の剣士と誘惑の密約 (角川ビーンズ文庫)

エトワール近衛隊2巻。
精鋭部隊の次の任務は国際会議での護衛。フィニステリアの代表は戦争大好きソール王子。
既にもう一筋縄では行かない感じで溢れている。

この巻はソールとフラムが好きなんですよ。ちょっとこのねじれているところが。
フラムがシャリオ好き過ぎて私は死ぬ。アルはまっすぐすぎて死ぬ。まっすぐすぎて死ぬ(大事なことなので2回言った

------来い。膝をつけ。誰が主人か、教えてやる。

(P99)

再教育されるか殺されるかだ!

首の姫と首なし騎士  追跡者たちの罠 (角川ビーンズ文庫)

風変わりな末姫シャーロットの、後継者探し。
次期国王候補へと狙いを定めた叔父の資質を見定めるためタウンゼント領へ出かけることとなった。
王族及びその関係者は他領への立ち入りは禁止されているが叔父ウェルズとシャーロットは親戚関係もあるため立ち入りもやや容易であるということだ。
タウンゼント領は肥沃な大地があり整備された美しい町並みがありなにより薬石の山がある。

1巻以来のクローヴィスの舞台への帰還。
あとシャーロットとアルベルト・ホースマンのなんともいえない関係がとてもいい。
ギスギスした主従がまた増えたしわたしときめきます。
あと今回はあれがなかったなあ。地の文に対する「」内突っ込み。好きなシーンはあの返り血ばっさー浴びて戦ってるシーンです。とてもよいものです。表紙ですが既刊3冊では首を狙われていたのはずっとシャーロットだったのに今回はいよいよ首なし騎士のほうが狙われていた。なんかそういう心境の変化ですか、とおもったりしないでもない。お前にだったら殺されてもいい的な。

東京レイヴンズ7_DARKNESS_EMERGE_ (富士見ファンタジア文庫)

かなり厚め(あとがき抜き452ページ)なんですがいや面白かった面白かった。
相変わらず大人組がばちばちしてるしシェイバ戦の春虎がきゃーきゃーいうレベル。バトルがおもろいのはいい。陰謀が絡み合う展開はご馳走過ぎてやばい。

鏡と春虎が「仲は悪いけどバイクの話で興味一致」な感じが男子っぽくていいと思います。

楽聖少女 (電撃文庫)

高校二年の夏休みに悪魔メフィストフェレスに連れ去られ、19世紀ヨーロッパでゲーテとして生まれ変わった少年ユキ。しかしこの19世紀ヨーロッパはユキが生きていた21世紀に繋がっているとは思えないほど文明が発達していた。
そんなわけで、過去の偉人に体をすり替えられ自分はゲーテになった。ウィーンに行けばモーツァルトに会えるようなそんな時代だ。音楽モノかと思えば異能もあったり、あとは杉井光主人公が杉井光ヒロインとラブコメったりします。

あのハイドンはアームストロング少佐@鋼と仲がいいと思う。
あとベートーベン(男のほう)の笑い声がアマデウスのあれで再生される。この映画見たの音楽の時間で先生の方針1でものっそい細切れで見せられたんだけど良く覚えているものだ2

音楽は消えない。ずっとずっと弾き継がれていく。だって、ただ美しいから。

(P348)
  1. 音を楽しむというよりは音を学ぶという方針ですごく嫌いだった []
  2. 感想文を要求されたので「モーツァルトの笑い声がすごくアホのようで嫌だと書いた覚えがある []

鴨川貴族邸宅の茶飯事?恋する乙女、先斗町通二条上ル (メディアワークス文庫)

京都が舞台ですよと銘打たれていますが『京都らしい何か』があるわけではありません。
「謎解きはディナーの後で」フォロワーではありませんしモリミーフォロワーでもありません。
表紙やあらすじから想像するようなことはあまり登場しません。
トンデモ設定が含まれます。

以下は100ページ目ぐらいまでの内容でざっくりとしたあらすじなんですが一応伏せる。

テキトー王子、嵌められる!(三回)。 (ビーズログ文庫)

大国の女王と年の差婚して自分と大して変わらない年齢の長子を筆頭に7人の子持ちになった17歳の王子、その後。

軽めの家族ものなんですが、軽さが従来のビズログ的な軽さっていうかパロが割とこんこん含まれている分まるマ的な軽さ……。でもジゴロのお父さんを探して泣きながら走ってくるマリアとかちょうかわいくて私も満足度は高すぎる。双子で家族ものでという時点で私に勝ち目はなかったのだ。

今回はリヒト王子(パパ上)がお父さんになろうとしてたり悪い男が滲み出ていたのでよいと思います。
いやしかし長男長女と双子さえいれば後は別に不問っていう感じですなー。
今回ジゼルはまあまあ、あれなんですが国を離れる今回はアルマまじ出番なし。
「じゃあめだまだしてー」とかいうふたごかわいい。猛獣でも可愛い。

あとがきにそこはかとなく不穏な感じが漂ってたんですが、まさかこれで終了なんだろうか。
もうちょっと読みたい。

死神姫の再婚 -ひとりぼっちの幸福な王子- (ビーズログ文庫)

グラネウスの髪型があまりに豪華な縦ロール過ぎてお前余暇はテニスとかするべきなんじゃないのとか思った冒頭。今回はひたすら入退場が激しかった前巻比コメディ要素が割とあったと思います。
ジスカルドが少女漫画の主人公をしていた。ただし女子。あの人は女子。でもがんばった!
リュクは新しい扉開いちゃった! <Arkと呼ばれたもの>1にぎっちゃった! 信仰と自己暗示と澄み渡る覚醒とっちゃった! 絵が完成したら正気に戻るんだろうか……。

幸せな王子の結末を書いてくれたら望みを叶えるよといわれたゼオの中身はあまりに酷い過去を抱えていて、そらそう育つよなあ……と思った。

あとわたし「女王陛下万歳!」とか「アルヴァレス将軍に続けー!」とか進軍のシーン好きだよね。
その先に待っているのが勝利であれ絶望であれ。うん。ひさしぶりに再確認。

ノーラは羞恥と引き換えにセイグラムの呪い打破おめでとうございます。
ようやくゼオ編も終わりが近づいている。夫婦の再会はすぐそこだ。

  1. と書いて絵筆と読む []

(仮)花嫁のやんごとなき事情 ~離婚できたら一攫千金!~ (ビーズログ文庫)

こんにちはカップアイスはとりあえず蓋から、まろんです。
新作が出てしまったということは花狩りのロゼは……1
それはさておき新作です。ちょー直球タイトルです。

孤児院育ちのフェルディアは病弱なシレイネ姫の身代わりを時折務めており、今日も依頼の手紙がやってきた。
いつもの依頼かと思って出かけたがそれが孤児院との別れになる。
フェルディアは身代わりとして敵国の「毒龍公クロウ」のもとへ嫁ぐことになった。なにもずっと身代わりを続ける必要はない。政略婚は王族の義務でシレイネの体があれほど弱くなければ本来民に課すものではない。王侯の結婚は「白い結婚」と呼ばれるままごとの婚姻の期間がある。その期間中にこっぴどく嫌われて離縁されればいい。報酬には金貨を山ほど用意する。そういわれフェルディアはこの話に乗った。
フェルディアは「シレイネ」として望まれない国に嫁ぎ、初夜は首元にナイフを突きつけられる。

離婚が目的なのはシスター・ブラックシープと同じですね。
たぶんヤンキー巫女逢桜伝とか花狩のロゼ 歌姫は薔薇を殺すが好きだった人に。

「身代わり花嫁の結婚」といえばベタ中のベタですが、途中からはすごいコメディでちょっといい話も含まれる感じですよ。王道ですが途中でジェットコースターが2回転ぐらいループするよ。

  1. 認めぬ []

ゴールデンタイム外伝?二次元くんスペシャル (電撃文庫 た 20-20)

脳内嫁との脳内会話が痛々しいのですが、この痛々しさが徐々にリアルに鈍器な痛み。
この脳内会話が「痛々しい中二病描写」かと思えば二次元くんの心情描写とイコールで割と自嘲的なのがなんとも。

資料がないと何も描けなくて、じゃ喧嘩別れした相方の絵をトレースしてしまえって考えるけど実行に移せないで自己嫌悪に陥ってる愛可がかわいそうで、その水際で止まっていられるのは根性がすわってないわけじゃなくて、「いけないことはいけない」って分かってることだと思う。

「原稿。あるよね。現実に、ここにある。これが『現実』じゃなくて、なに?」
目を覗き込んできて、一夜をともに明かした共犯者の笑み。
「私にはこれが現実だよ。何グラムかの重みで、この世に存在してる。これをこの世に生み出したことが、それだけが現実だよ。形になってる。そりゃ、しょせん同人だよ。しょせん二次創作だよ。でも、これがこの世にあるのは私が手を動かしたからだもん。ここに確かに、存在するんだもん。確かに不健康かもね。でも私はこれが欲しいんだもん。こうして手にしたかったんだもん。これがここにあることを喜ぶ気持ちが現実ではないなんて、一体どこの誰に言わせるよ?」

(P128~P129)

ここ読んだ後は思わずちょっと放心した。現実だ……とつぶやいた。
ラブコメにみせてすんごい重たい話を持って鈍器持って追いかけてくるこの感じはほんと健在だなと思う。
読みながら何分に1回は死にそうになる。死にそうになるけど読むのはやめられないっていう。魔物。

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