カテゴリー「 読了 」の記事

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鬼談百景 (幽BOOKS)

ひとり百物語みたいな淡々とした語り口の、短い怪談の集まり。
こっちは創作怪談だとは思うんですが、学校の階段とか水辺とか隙間とかエレベーターとか金縛りとかね。
虫の知らせみたいなのもあり、時々ガチで怖いのもあり。読んでる最中はなんともこう、隙間が気になって、ベッドの下とか見れなかったな。誰もいない駅のホームとかでも読んでたので、来るはずの無い方向から人が歩いてきてお、おう!と思った1

残穢とリンクしているということだったので、同時進行で読んでました(がこっちのほうが先に読み終わりました

  1. 本当はやってはいけないことだけど、時々線路を歩いてくる人がいる…… []

紺碧の騎士団 -サラキアの書と海の宝石- (ビーズログ文庫)

ビズログの新シリーズ、騎士団で隊長と新米隊員(女子)の同居モノ。

幼いころに聖獣・水棲馬で駆けるネプトゥス隊に命を救われたリリアは騎士団に強く憧れ腕を磨いた。
親兄弟の激しい抵抗に遭いつつも、事情の変化からリリアは単身王都に残ることになりバルトランツ王国騎士団所属も許された。師匠に紹介された下宿先に向かうと「住み込みの家政婦さんがいる屋敷」のはずが実態は通いの家政婦さんがいる男の一人暮らしの屋敷だった。すったもんだーがあって奇妙な同居生活が始まる。

割とゆるめの、ビズログ! っていう感じのラブファンタジー。
同居相手、というか下宿先が上司で隊長で、同居していることはお前絶対ばらすなよばらすなよという王道のあれです。なんせ展開としては王道にしてベタ。でもブラコンシスコン盛りすぎだと思う。
あらすじの「ドS隊長クラウディオと同棲生活」ですがクラウディオは振り回され型ツンデレ亜種っすねという感じでした。

萩を揺らす雨?紅雲町珈琲屋こよみ (文春文庫)

割と前に書評家の方がTLであげていた日常系ミステリ。何が会ったのか最近本屋の平台で見かけることが割とあった。
関東かつ観音様が見下ろす街ということは鎌倉のあたりなんだろうか。コーヒー豆と和食器の店「小蔵屋」を営むおばあさん、杉浦草が語り手である。65歳になってこの店をオープンして、今は人気のある店となっている。ここは草さんがいれた振る舞いのコーヒー目当ての客もそれなりにいる。無料のコーヒー目当ての者もいるが、それはそれである。常連たちとの会話で小さな事件に気がつくのだった。短編集。
語り口は淡々としている。「紅雲町の草」と「0と1の間」が好きだな。

幽霊伯爵の花嫁 -彷徨う少女と踊る髑髏の秘密- (ルルル文庫)

第6弾。次で終わりらしい。あれ、終わりなのか、と思うのは1冊完結の体をとっているからだろうなあ。

いきなり過去の話からはじまったので、過去編か? と思ったけど先の展開への手番だった。
あの、要するに「さあ、うまれておいでなさい」だよなと思った。ネタバレですが、そういうことだよな。
明らかに招かれざる客として対応されているサアラと、いつもどおりのあれと、アシェリーゼが大切なんだなあというあれと、

あとはあれですか、朝チュンですか。あのシーンいいですね。とても好きです。私やっぱりラノベでは匂わせる程度でいいと思いました。そういうのは女のためのR-18文学賞とかあの辺で探すからイラストがついている小説でそれは求めてないんだよっていう。

「人の心の内側は、不可侵にして絶対の領域です。誰もそこには手が出せませんの。それでも、私はジェイク様の内側を覗きたくて仕方ないのですわ。全部私だけのものにしてしまいたいの。皮を破って肉を裂いて血を啜って、そこに詰まっている物を全部独り占めにしてしまいたいのですわ」

(P175)

せりふだけ見ればヤンデレっぽいけどすごく熱烈な愛の告白だよなあ。こういう子だよ。

“朝顔

6冊目にしてようやく折り返しとのこと。真夏の話です。

五ノ宮の当主織女が書いた文字には力があるという。織女が贈られた字を飾ることでお墨付きをもらうような、そんな勢力図を塗り替えるような力が。
帝門の当主前妻、一朱の母弘華を支持する薔薇派と後妻藤乃を支持する藤派による帝門後継者問題について、朝衣は織女の字がもらえるように日々朝顔が咲き誇る五ノ宮の屋敷を訪れ孤軍奮闘していた。
朝顔というとサマーウォーズが刷り込まれているあたり映像の力はすごい。

朝ちゃんは本当は可愛い女の子なんだというのが1冊かけて語られるわけですよ。可愛いな!
病弱の人に飲まされるお茶は大抵危ないというのは直感的に思い知る。すごい。ダチュラでガタッとなったわたしの話はやめるんです

これだけ女子に好かれてるのになあ! ハーレムとは思えないあたり一人しか見えてないせいかな。

庭に咲き乱れる、朝顔の花。
誰も目覚め朝のうちから凛と花弁を広げ、少しずつ萎んでゆく。
目にあざやかな青、高貴な紫、官能的な白。
清楚で気高くありながら、どこかいびつで、とげとげしい、グロテスクなものまでそろった、朝顔姫の--------。

(P189)

オーダーは探偵に?謎解き薫る喫茶店 (メディアワークス文庫)

あらすじを見たときは「少女向けビブリアですか?」と思ったんですが読んでみた感じでは薬屋探偵で、ただしリべは女子、座木はポイズンクッキング

就職活動に失敗し続けている美久が倒れているところを介抱された喫茶店、そこの入り口には< 貴方の不思議、解きます>という看板が掛かっていた。
頭と顔はいいが口の悪い高校生探偵と、美形マスター(ただし料理の腕はよく営業停止になってないね? 程度のもの)と就活最中のやかましい系女子の3人による日常系ミステリ。3話のトーストセットと1話のホットミルクが好き。
食べ物が絡んでくるとビブリアっていうか香菜里屋シリーズ(花の下にて春死なむ (講談社文庫))を思い出す。タルト・タタンの夢 とか。

英国マザーグース物語 新聞広告には罠がある!? (英国マザーグース物語シリーズ) (コバルト文庫)

19世紀末ロンドン、子爵令嬢セシルは結婚まで1年の猶予をもぎ取った。
いまのセシルは性別を偽り新聞社で新米記者として働いている、の2巻。

マザーグースの見立てはそのまま、今回は新聞記事の個人向け広告欄に載せられた謎のメッセージからはじまる謎解き。ロンドンでは今「怪盗ブラックバード」の犯行と思われる宝飾品盗難事件が相次いでおり、被害総額は尋常ではないが傷害沙汰は起きていない分どこかお祭りの雰囲気が漂っている。
今回は日常系ミステリ連作短編な感じが強くて、セシルに新たな友人(押しが強くて有能そうな令嬢アメリア)とか、セシルのパートナーで絵師のジュリアンの過去が見え隠れしていた。
わたしクレアの若かりし日のころ恋の話が好きで、ここは謎解きの部分も含めて相棒の右京さんと共演者オンリーの告白劇としてありそうだなあとか思った。すごく映像的。

女神と棺の手帳    甘き約束の音色 (角川ビーンズ文庫)

王立大学医術科に入学したケイトの病院見学実習編。
ペアを組まされることになったんですがペア相手がリオというトップの成績で入学した軍人一家の神経質そうな眼鏡男子という。眼鏡はよい。

実習先は北部王立病院で、一号棟は軍人など高官のみ、2号棟は一般人向けの薄汚い病棟で、出世の道を絶たれている医師の行き場所で士気は上がらない。看護士に疎まれつつ病室内の環境改善に手をつける。

最初の実習で、はじめての現場。とりあえず看護士の仕事からですが、当然ながらよくは思われない。
病院自体は比較的軽症者が多くて、まあ寝たきりでも喋れるとかそんな感じ。
半年振りにイーノットと再会したりごはんを食べに行ったりその辺はゆるゆると進行中。

K SIDE:RED (講談社BOX)

来楽さん電撃デビューなんですが読むのはこれが初めてです。そんな赤のクラン、アンナ加入前後の話。

こういう感じです
・当たり前だけど十束が生きてる
・伏見がHOMRAにいる。しかもミィサァキィじゃない、やたっちゃんと共闘する伏見が読める
・「猿」とは呼ばないやたっちゃんが読める
・やたっちゃんは相変わらず可愛い
・鎌本とアンナが可愛い
・前提知識としてアニメが必要だと思うので入り口には向かない

戦ってる金髪が! 珍しい! 十束! ぎゃあ。この時代はまだ青の王は出現していないので淡島さんとか宗像が好きな人はどうなんでしょうね。赤の話なので赤のひとがたくさんでます。十束は無責任にわらっとけってなあ。

伏見に向かって「仲間を呼んだだけだろ」ていうやたっちゃんかわいい。ああでもこの人たちは決別してしまうんだなあって思った。入りたきゃ入ってこいよって示す伏見めんどくさかわいいまだ病んでない執着もあれほどは見せていない。
赤の王と一緒に遊園地にいってはしゃぐやたっちゃん可愛い。
やっぱりあれですねNo blood No bone No ash!と総員抜刀は好きだ。

K12話の放送は今夜なんですが、明日早起きでもしない限りはちょっと見れないので土曜日のお楽しみに。

時間軸的には

K SIDE:RED (講談社BOX)K -メモリー・オブ・レッド-(1) (KCx(ARIA))K SIDE:BLUE (講談社BOX)

だと思う。つくづく思うけど講談社BOXは箱入りじゃなきゃな……!

何者

きっと何者にもなれないお前たちに告ぐー!
就活ホラーです。twitterが割と重要なツールとして出てくるんですがもうなにそれこわいとしかいいようがない。
みんなそんなメアドの勢いでtwitterアカウント教えあうの(必要な距離感として絶対無理やー)
あとOB訪問→名刺もらう、かーらーのメアドでアカウント検索が死ぬほど怖い。さらに@飛ばすとか怖い。意識の高い就活生怖い。
P4Aの「俺を否定しないとお前らが立っていられないんだろう!」を思い出した。
全面的に見てて痛々しい感じにあふれていて、読みながら思わずカオナシになる。
今大学生とか求職中の人が読んだら死ぬんじゃないかなと思った。読みながらあーーーーってなってた。

「俺たちって今までそうやって、自動的に区切られてきたわけじゃん? 小学校に入って6年経てば中学生って名前に変わって、三年経ったら高校生って名前になって、でもこれからは、自分でそれをしていくしかないんだなってことなのよ」
(略)
「たとえば、結婚とか、子どもができたとか、転職とか? 何でもいいんだけど、これからは、もう自分で動かないと自分の名前って変わらないのかとか、いきなり思っちゃったんだよなー。俺、これから何もしなかったら、今の俺のままじゃん、これからずーっと」

(P240)
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