カテゴリー「 読了 」の記事

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半分だけの妖精に、キスを。 (一迅社文庫アイリス)

この国には目に見えない妖精がすんでいる。さらに高位の存在になるため時々妖精は生まれたての赤ん坊に憑いて20年弱程度かけてゆっくりと内部から人間を喰らい、10人のうち1人は人間として育たず妖精ともなれず中途半端なアーダと呼ばれる存在になる。彼らに血や涙を与えて主従関係を結ぶのがアーダ使いである。

最初がアーダになりたてのファボリート1がアーダ使いクレアに助けられ主従関係を結ぶところから始まるので、これがそのうちに恋愛に発展するんですね分かります! と思ったら全然そんなことはなかった。
こんなに想いを寄せられ生きていくためには王が生きていくためにクレアがキスをすることが必要で、愛がないのにいたしたら死ぬ、みたいな恋愛に寄った内容で、1人称小説で、ここまで恋愛偏差値が低い主人公はどうなんですか。
キスをするだけの簡単なおしごとです。ほんとうにおしごとです。
ここまで過ぎる鈍感ぶりは「鈍感」で済まされるものじゃなくてもっと病的な何かのように感じられる。
特定の感情を避けるでもなくただ「認識しない」「機能しない」。半側無視とか失認とか、例えるならQBとかそういうあれ。

チーム獣耳組は魅力的なところもあるし妖精伝説についてはときめくのですが、クレアについてはないわーのひとこと。王様のためにこれだけ投げ出しているのにお友達レベルなんて色々むくわれない。

  1. ふぁぼった! とか思いながら読んでいた []

レッド・アドミラル  新艦長は嵐を誘う (角川ビーンズ文庫)

1冊まるごと俺得過ぎて死ぬかと思った。死ぬかと思った。なんだこの結婚したい二次元。
あっちこっちが地雷原である。つまらなかったというわけでは決してない。逆なのだ。どこを切ってももえのかたまりなのである。ハチの巣にされた。
もうね、本当に早く結婚すればいいのに。40ページ・41ページでまじぱーんってなった。いや今回は挿絵が超超よいしごとしている。ぐっじょぶにもほどがある。

今回は帯の「殺しあおうぜ」からして「全力で俺を釣りに来てるぜ……」としか思えないのだ。
私はランセがとても好きなので今回は15歳ぐらいの思春期ハートで読んでました1電撃デイジーの黒崎といいわたしは本当に「面倒くさい男」もえを発症している。二次元だけにしとくんだそれは。
アルデアがヒロイン面してるぜと思ったら今回本当にヒロインだなあ。アルデアの酒のシーンとかもえすぎてしねる。

囁いて、彼の横をすり抜けようとする。その袖を、不意にアルデアがつかんだ。
振り向くと、アルデアが途方に暮れたよな、それでもどこか熱い瞳がある。
「ロディア、僕は--------」

(P172〜P173)

1人称が変わるのとかまじたまんねえ(*゚д゚)=3

ロディアがちゃんと女の子してたり一生ついていきますみたいなところ2があってまじぱねえっす。ルーナ・ノアも女の子だった!

読んでてすごーく、懐かしいことを思い出したんだけども。一番最初に参加したPBCで閉鎖時期が予告されて一番仲良かった人に、ちょうどこのランセのように指輪を押しつけたなあ……。
まじ前科である。キャラクターの性質上ふつうでは100パー受取ってくれないと思ったからもう無理やりである。
お守りだのなんだのいって渡したのは覚えてるなあ。もう10年は昔のことです。Lさんとはその後ROで再会したけど3今はもうブログのURLはロストしたので見てない。案外向こうはまだここを見てるかもしれないな。ははは。PL交流はしたくない派4だったのでPBW繋がりで今も交流があるのは3人程度なものです。

  1. いや殺しあおうぜ萌えはここ3年ぐらいで蓄えたものですが []
  2. もえのかたまりおぶP211 []
  3. 同鯖だった。その後向こうがマイグレした []
  4. 捨てHNに無料アドで黒子に徹したかった []

エージェント・コード〜恋の陰謀は執筆のあとで〜 (一迅社文庫アイリス)

ちょっと昔のイギリスが舞台で、現実のイギリスでもないけど架空過ぎるわけでもないよという舞台。
売れっ子作家×スパイの卵。
あらすじを見ると作家のほうが主人公のように見えなくもないけど主な視点はスパイ女子のほう。

アークライド伯爵家のライザは10歳まではサーカスの軽業師として暮らしていた。ドレスを着る生活に馴染めず政略結婚の駒になることもできず、帝国防衛委員会の幹部である父の助けとして諜報員としてなら自分もできるのではないかとライザは諜報員への道を歩み始める。
最初の任務としてエリファス地下に存在する秘密結社の支部へと潜入し「賢者の石」の回収を命じられ、任務を済ませると美術館(2F)から脱出しボンネットの長い車に降りたった。「降りて」と運転手に告げたものの彼は「こんなネタになりそうな面白そうなこと逃すわけには行かないよ!」と運転を続行した。
ライザも知っているレベルのベストセラー作家・カルヴィン・ストーンは「空から降ってきた得体の知れない女を車に乗せ」かつ「その謎の女を追ってきた謎の男どもをライフルで撃ち抜く(※車を運転しながら)」やはり得体の知れない男だった。作家ゆえか観察眼に優れ、ライザがわずかに漏らした情報から身元を割りだした。

これはあらたなネタになるぜ! とカルはライザに同行しネタ集めをしている。
ライザはカルを巻き込んで申し訳ないみたいなところもあるけど、実際のところは「好奇心、スパイを手のひらで転がす」の勢いで全力でライザを利用しまくっているのである。僕を夢中にさせるライザが悪いんですよ。こんなところで逃がすわけないでしょ? とかそんな感じである。

冒険活劇萌え! というあれである。

双界幻幽伝 出逢いは前途多難! (B's-LOG文庫)

黒鳥州刺史の妹朧月は、「幽鬼を見る少し風変わりだがのんびりしていて可愛らしい天然公主」という噂だがそれは身内が流した噂であって、事実は姉気質の幽鬼に甲斐甲斐しく世話をされる引きこもり少女だった。もう5年は家の外に出ていない。働きたくないでござる! とかその類の理由で外に出ないわけではないのだけどとにかく人との接触を苦手としている。その彼女が今上陛下から召集され無理やり外に出されることになった。
迎えに来た蒼刻が担ぎだしことあるごとに「帰りたい」「隅にいたい」と連呼する朧月を「引きこもり体質の珍獣の躾」と称し指導を加えていくのであった。

要するに侍ニーティのポジションが逆です。朧月と蒼刻の近づきっぷりがとても微笑ましいです。
張さんがNo.1すぎます。あとP203とかやばい。ぶふぉっとなった。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (ガガガ文庫)

「高校生活を振り返って」の作文があまりにあんまりな出来1のため国語教師に呼び出され、帰宅部かつぼっちの比企谷八幡は奉仕活動を命じられ奉仕部に強制入部となった。そこで雪ノ下雪乃という完璧美少女と出会うのだが恋は始まらない。

延々と部室での話かというとそうでもなく、クラスメイトもがんがん関わってくる。
雪乃はふつうに可愛いけど由比ヶ浜さんの他人事じゃない感。
由比ヶ浜さんに対する親近感にも似たHP削られる感がやべえ。あのいつかあった感覚の再認識。
リア充グループという名前の上位カーストに存在するが、空気を読んで波風を立てないように自分の意見はそこそこにする流されてる「上の下」という存在。クラスの日陰者の肩をもつことで自分の立場が危うくなるあのバランス。女王格の1人称が「あーし」な辺りもとても地獄の蓋が開かれる感があったなあ……。ゆみこぱねえ。

「ぼくいつ選ばれるのかなードキドキ」はあれだよな。はないちもんめ。

  1. 大意:リア充爆発しろ! []

ビブリア古書堂の事件手帖?栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)

大輔は祖母の遺品のなかから「夏目漱石」とサインされた全集を発見する。一緒に「ビブリア堂」と書かれた栞も挟まっていた。この本は価値あるものなのかビブリア堂に持ち込むことにした。鎌倉の片隅にひっそりとある古本屋「ビブリア堂」の店主は現在入院中で病院へと案内される。
ここの店主は若くて綺麗な女性だ。本のことに関してはとても熱意にあふれた饒舌な人物なのだがそれ以外のことでは人見知りが激しく初対面の人間と話をするのはひどく苦手だ。
店主篠川栞子は持ち込まれた古書とそれにまつわる謎を解き明かす。

大崎梢の書店周りのミステリ作品とか野村美月の文学少女(ただし登場人物は20歳以上)という感じ。
こういうのは結構好きな感じです。2話が好きだ。

東京・地震・たんぽぽ (集英社文庫)

あえてこの時期に読む東京・地震・たんぽぽ。
時期によって読了感の変わる本はあってもこの本はやばい。ツナグも今読んだら結構変わりそうな気がする1

5月のある日、東京で震度6強の地震発生。家屋崩壊・火災発生しており死傷者は多数にのぼっている。
災害の渦中にいる人々14名の連作短編。まだ災害のど真ん中なので復興までには至りません。
「いのりのはじまり」「パーティにしようぜ」「だっこ」「ぼくらの遊び場」が好きです。
「出口なし」とか「ぼくらの遊び場」の一部とかはニュース映像とかを呼び起こしてわーってなる。

  1. 吉川英治文学新人賞受賞おめでとうございます。 []

ソードアート・オンライン〈7〉マザーズ・ロザリオ (電撃文庫)

ずっとアスナのターン! な1冊。
キリトも敗北したという無敗の剛剣士《絶剣》ユウキに決闘を挑んだが紙一重で敗北する。
ユウキに強さを見込まれてアスナは「スリーピング・ナイツ」のギルドメンバーが目指すBOSS狩りの手助けを頼まれる。フロアに1体、倒すチャンスは1度のみ、非常に強いが倒せばはじまりの町の「剣士の碑」に名誉を讃えて名前が刻まれる。アスナは「スリーピングナイツ」の手助けをし、攻略を進める。

今回はリアルアスナの話も多くて、後半はなんだか別の小説を読む思いだった。P288はよいなあ。
しかしキリトさんがいちいち格好いい。何だこの人は。

シュガーアップル・フェアリーテイル銀砂糖師と緑の工房 (角川ビーンズ文庫)

シュガーアップルフェアリーテイル4巻。
すごくもやっとした3巻でしたがこの巻はよかった。わたし単にラドクリフ工房派が気に入らないだけんじゃないのか……? この巻のブリジットはそんなに嫌いではない。むしろ逃げ道が用意されてなくて可哀相だなと思う。

いやーアンとシャルが。あの一目でもいいから会いたいんですと焦がれる感じがやばいです。ときめきです。
75ページからはもう激しくずっと俺のターン! すぎた。ラストも死ぬ思いだった。死ぬ思いだった。あのシーンのためだけに銀砂糖師に昇格してて良かったと思う。あの二人の関係として今まででは一番やばい。よいデレだ。あの「それは恋だ!(ばーん!」には至っていないシャルの心境が楽しすぎる。

はじめて工房を作った砂糖菓子職人の名前が「イーノク・ペイジ」と見た瞬間「そんな銀砂糖で大丈夫か」「大丈夫だ問題ない」っていう単語が見えた。

「俺は誰かに、助けられたことはない。どうすればいい? お前が俺を助けるというなら、俺は何をすればいい。教えろ」
「た、助けられる人は、何もする必要はないと思う。ただ待ってもらえたら、それでいい」

(P82)

NOTTE-異端の十字架- (ルルル文庫)

エクソシスト候補生の話です。
悪魔とか悪魔祓いとか教会とかいうとビーンズのシスター・ブラックシープとかあるんですが、あっちよりD.Gray-manのほうがまだ近いかなあと思います。もっと少女向けにはなりますが。なんかもっと
幼い頃に抱いた憧れ、思い描いたものと現実のギャップ、閉ざされていた才能がようやく開かれる。そんな話です。

幼い頃母が悪魔に憑かれ、どうしようもない状態になっていたところを旅の途中のエクソシストに助けてもらったところからイリスはエクソシストを目指した。ただ、中央都エクソシスト協会はイリスの思うような組織ではなく、金勘定にうるさくエクソシストの力を必要とするなら寄付という名前の対価を要求するところだった。
誰にでも平等に心からの笑顔をあげたいと願いエクソシストを目指したイリスは萎縮してしまっている。
もっとずるく生きることが出来れば楽に生きられるが、現状の協会を受け入れることは出来ない。

ラスティールという街で今奇妙な病が流行っているという。悪魔がいるという確証はなく緊急性もなく寄付もないためひよっこ候補生のイリスが派遣されることとなった。イリスはそこでノッテと名乗る協会非所属の凄腕のエクソシストと出会う。

物語はラスティールの物語と、イリスがノッテと一緒に中央都まで行く途中であった屋敷での物語と、中央都エクソシスト協会での物語の3つに分かれている。短編をあわせたみたいになっている。
「仕分け」というと現政権のあれを思い出すのでなんとも微妙な気分になります。
2話目が好きだ。

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