カテゴリー「 読了 」の記事
1988件の投稿
「さわらないでくださいませ。胸がどきどきしますので」
(P170)
人口の2割が吸血鬼だという大弐本帝國。
生まれながらに吸血鬼としての力を持った真性の吸血鬼も血を吸われ後天的に力を得た半吸血鬼も、ふだんは家畜の血などを飲みながら暮らし人権も認められている。しかし排斥を唱える団体があり実際には疎んじられることが多いので「吸血鬼」と公表しないことが圧倒的に多い。
伯爵令嬢藤ノ宮乙葉は真性の吸血鬼だがやはりそのことは隠して学校へ通っている。
大正時代の女学生ということはつまり海老茶式部なんですよ。この時点で既に相当の胸キュンでした。
で、教師深谷欧介がきわどい発言のサドい感じのけしからん眼鏡です。割れろ。
欧介は乙葉の正体に気がつき、吸血衝動を抑える薬の実験に付き合わないかと無理やりに薬を飲ませる。
これがなかなか破廉恥です。えろいじゃなくて破廉恥なんです。
時代が時代なのでキスなどされようものならもうお嫁にはいけないとか、そういう世界です。
なのでもちろん服は脱ぎませんし口付けも控えめなものです。でも目隠しとかえろいですよね。
内容はただいちゃいちゃしているだけではなくて、吸血鬼がらみの事案に学友が巻き込まれていることを知った乙葉が首を突っ込む系です。
P175〜の深夜を出歩く少女のターンはとてもよいですね!
しづが受け取った「美腰バンド」は「美容バンド」の誤字なのかそういうあれなのかしばらく考えた1。
いやこう、セラバンドみたいなものなのかなあとか、巻くだけダイエットとかあったしなあと思い出していたのだ。
- 人づてに聞いた話だと美腰バンドはまじにあるらしい。 [↩]
創世神話にあり、ルイス率いる探索部隊により本当に実在することが確認された聖泉までついに到達した。
ここからは未探索地域であり神話への入り口である。
前半はまだ日常パートが続いていて、アリエルの料理パートはそろそろミスター味っ子的だった。
糸電話の顛末のカルエルはただのアホだ。
2章の終わり数ページ。これが本当に学園ラブコメならただのラブコメ的ワンシーンなんだけど、カルエルたちはただの学生じゃなくて戦闘訓練をしているいわば軍関係の人間で、今いるところは「空の一族」が支配するという領域。そして次々に現れる死亡フラグ。ここが日常の終わりなんだなと感じました。
思ってたよりずっと凄惨なんだけど、この絶望的な展開と焦燥感と悲壮感はよいものです。
恋歌2巻。
クレアの生い立ちにはじまりイスラの学生としてやってくるまでの話からはじまる。
この巻は全体的に日常パートというか、普通に学園ラブコメっぽい。アリーメンとかカレーとか大変美味そうだ。
食堂で雑魚寝しているシーンのカルエルは爆発すればいいと思った。ただでさえヘタレなのにあの末っ子気質はやばい。
元々「カール・ラ・イールは生きている」説は多かったけどそれはイスラでも止むことはなくて、今までと違いここには本物のカールがいて、別名ニナのクレアもいたりして、非常にややこしい。しかもクレアはまさかねーまさかねーとかいう感じだった。
着水のシーンはよい!
バンデラス先生が非常にメキシカン。むしろ南米系。
変わらず身分と名前を隠して修行中の身のシエラ(ルーシェ)はある日シリスに呼び出され仕事を言い渡される。
それは黒竜隊の従騎士ルーシェとしてではなくローレンシア王女シエラとして初の外交だ。相手は今まで外交のなかった、しかも父の仇でもあるアズィール帝国からの申し出で、シエラの誕生日を指定しての訪問だ。指定日を外してもシエラが相手をするのが筋であろうという判断で話が回ってきたのだった。シリスは側役に「ルーシェの上司」でもある黒竜公スメラギをつけるという。
なんかもうスメラギが鈍いのではなくてシリスの日ごろの行いが悪すぎるのではないかという気がしてきた!
これを読んだのは流血女神伝の角川文庫での再発刊のニュースを目にした日だったので「万騎長」をマルクークと読む。いやアズィールが砂漠っぽい、要するにエティカヤ的なんですよ。とてもときめきであった。砂漠の国の陰謀はロマン。
アズィールからやってきた王族がそう来たかーという感じでただのイケメンが出てくるよりはこっちがよいです。聡い子はよい! あと今回はシリス最強ぶりがいかんなく発揮されてたので今後ともその感じでお願いしたい! あの人はいい意味で黒幕過ぎる。
しかし帯裏の眼鏡のスメラギは本当にけしからんと思います。その眼鏡割れろ。
ていうか今巻は全体的に明咲さんがいいしごとをしすぎている。読みながら超転がった。
「死神姫の再婚」の小野上さんの死神姫じゃないやつ、高潔な騎士×低位夢魔です。
ピンナップ的にはイケメンパラダイス的な何かと巨乳美少女ですが、逆ハーとかそういう方向ではなかった。
大体の方向を簡潔にいうと「好きです!」「いいからまず服を着たまえ!」です。だいたいあってる。
魔界7大公のうち淫欲公に仕える下級夢魔アドルニは自分よりさらに下位の夢魔、人間との混血のミアリに高潔な聖騎士を堕落させて次の淫欲公に献上しろ、そうすれば我らの待遇はぐっと上がると命令した。標的となっているのはルマリア帝国騎士団の聖騎士ユーシウスで、彼はもう何人もの夢魔を屠っている。
力はないといってもミアリは夢魔である。強い者ほど美しい、むしろイケメンor美少女でなければそもそも夢魔にあらずというものである。人間の価値観ならすごい美少女だけど、夢魔的判断としてはミアリは底辺もいいところなのだ。
夢魔の常として、ミアリは外套の下には何も身に着けていないのだ。少女らしいほっそりとした首筋や二の腕、そのくせ胸や尻はふくよかで蠱惑的な肉体が丸見えになっていることに気づき、申し訳なさで一杯になる。
「失礼いたしました、お見苦しいものを……夢魔のくせに、人間の女性と大して変わらないしょうもない体で本当に」
「み、見苦しいどころか、いや、そのもう、頼むから早く服を直せ!!」(P31)
このようなものです。この高潔騎士ユーシウスさん。とても不憫です。
死神姫のカシュヴァーン様は残念ですがユーシウスさんはとても不憫です。大事なことなので2回書きました。
破廉恥レーダートレイスが主人公格になるまでぐつぐつ煮込んだらたぶんこうなる。
設定的には少年向けライトノベルっぽい感じ1がするんですがそんなエロコメっぽいのじゃなかったな。
復讐方法とかはなんかこう、[病院が来い][安心と安定の全員病気]って脳内でびこーん! とした。
でも真面目なところはちゃんとしめているのでいいと思いますよ!
なんだ、要するに「ばっかじゃなかろうか!」っていう物語です。
- だって巨乳美少女と突然同居することになるんだぜ! [↩]
先月衝動的に夜想曲を買ってしまったので、じゃさかのぼって読もうぜということになり恋歌から。
「風の革命」ですべてを失うこととなる皇子カール・ラ・イール。
まだ9歳だった彼が革命後も生きのびることとなった理由とその後。
そして6年後、「カルエル」と名乗っている元皇子は空の果てを見つけるため空を飛ぶ島イスラに乗り込んでいた。
この船には風の革命の旗印、憎い仇敵ニナ・ヴィエントも同乗している。
おはなしのはじまりはじまり、という感じでとてもどきどきわくわくな1冊でした。
カルエルがヘタレマザコンナルシスト皇子様という、甘やかされ慣れしている子なので脱ヘタレぐらいはなるのかというが個人的な注目点です。
あとがきにあった「タイトルの略称は『大魔王』『笑わない』『はわない』でお願いします」が大層笑った。
それなんていうはがない。
ベルナデッドはその陰気な外見、鋭い目つき、不気味な笑顔と噂が噂を呼んで「呪殺令嬢」と呼ばれていた。
評判とはまるで違って自分はいたって平凡だし内気で口下手で、パーティとか苦手だけど友達が欲しくなって出て行っても結局遠巻きにされてぽつんとひとりいる。「君に届け」の爽子とか「ヒカルが地球に〜」の是光みたいな感じ。
今日もそんな感じに終わろうとしていたが違うことがあった。
「ハンカチを落としませんでしたか」ととてもきらきらした外見のバスティアン王子に声をかけられ、なんと返答したらいいものか困っているうちに、だんだん顔は強張り険しくなっていく。そのときはそのまま別れたものの、噴水前でひとりいるところを再びバスティアンに声をかけられ「君はいつも僕の夢に出てきた」「聖堂で神の声を聞いた。夢に出てくる人物はお前の運命の相手である、と」と言われる。
降って湧いたロマンティックな言葉にベルナデッドの胸は高鳴った。
その後に続くのが「運命の相手を探せ、そしてこの世から消し去れ」でなければただの恋愛物語であったのだが。
人違いであればよかったのだけど、ベルナはかつて世界をどん底に陥れた魔王の転生体だった。
無論そんな記憶はないし魔王としての力を発揮できるわけでもない。しかしそれ以外の事柄が魔王であるという証明にしかならなかった。
「魔王大好き」ビーズログ文庫の新しい魔王の物語。割とコメディ色が強い。
四天王登場したあたりから中盤は結構こう、ベルナと同じぐらい置いてけぼり感だった。この無茶振り感はすごくビズログっぽいけど、笑いのセンスが合わない厳しさ。最後ら辺の元魔王と元聖女の共闘がすごく好きなので、私の趣味はそこなんだろうなあと言うのを再確認した。
あと遠征王の影響で名前を何度確認しても「ベルディナット」って書いて違うよ! と書き直した。