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長野まゆみとか高校生のとき以来久しぶりに読んだ……。
大学入学にあたって住むところを探していた鳥貝は条件と家賃が折り合わず悩んでいたところ個人経営の寮を紹介される。本学男子学生に限り入居可、料理当番などある程度の共同生活を必要とする寮、大学から自転車で通学できる距離、家賃は破格の1万円。
鳥貝は両親の実子ではなく養子であるということを入学時に知ったという。寮の見学に来たときに百合子1という妙な男と遭遇する。
鳥貝がハンバーグ作ってるところの描写がすごく好き。
その後紳士と競う「台本の読み合わせ」という設定での詰まったら負けゲームが好き。
寮生活にはなんかロマンがあふれている。
何でいまさら長野まゆみを読んだかというとこれのパスティーシュのうたプリ二次を読んだからです。
「パスティーシュといえば清水義範」っていう謎の答えがはじき出されてくるけど知らんしわからんし! ということで珍しくさかのぼった。普段は原作からの2次なんだけど、これはそういうものでもなかったので。
百合子まじさっちゃん。
- 苗字 [↩]
俺の悪魔は首から下のあらゆるパーツが足りません。
ビーンズの新人さん(2人目)のデビュー作。
住み慣れた屋敷を少年は傷だらけのまま走っていた。腕の中には7歳には余る剣。悪魔に襲われ死にゆく父母から次代へ受け継がれたものだ。入るなと厳命されていた地下室でイトは首だけ封印されている悪魔を見つけた。
イトは右目を代償に大悪魔サブナクと契約した。
それから数年、イトは祓魔師としてアスセナ教会に赴任した。
イトとサブナクがぎゃあぎゃあと喧嘩しながらサブナクの首から下探しをする話です。
愛あるけなしあいです。ニアホモです。あとわたしうたプリ好きなんですが、アインザッツがなっちゃんにしか見えない。あの声で再生されるぞ……。
序盤の序盤からなんかこう、うすいほんを読んでいる気分というかこれは吸血シーンないとおかしいよねっていうか。でも雰囲気耽美じゃなくてよかったなと思います。それだったら百パー投げてたと思う。
サブナクの寝物語のシーンは好きです。パルティータが蔑称的な「聖女」じゃなくてよかったなと思いました。
3月の最後の日曜日、今年は25年ぶりに代々木公園に「チェッコさん」が現れる。
この日の公園には高校の演劇部・ロケ中の芸能人・売れない漫才師・ロカビリーグループにネットアイドルとオタ芸グループ、それからホームレスがいた。
群像劇、というのは知っていたのでドミノ1かゴールデンスランバー2みたいなのかなあと思ったら軽快に人が死ぬ神家没落3だった、みたいな。
代々木公園にまつわるある都市伝説。サスペンスとコメディと。
下は中学生上は50代まで入れ替わり立ちかわり登場する人々の愛憎。壁井さんでこういうのは初めて読むなあと思ったけど、ところどころの薄暗さは壁井さんだなあと思った。弓弦の死の間際のシーンは「悪い家族じゃなかった。好きなところもあった。好きだった」でも気づいたときにはもう遅いって感じであばばばばば。好きな登場人物は柴だったのであばばばばば。大変面白い本でした。積んでる五龍読む。
出版社小説。
週刊誌から文芸へ行きたかった佳孝の異動先はローティーン向けファッション誌「ピピン」編集部だった。
苗字が「新見」ということで南吉と呼ばれ、ピピンは同系列他紙と比べてダントツの売り上げを誇るが、佳孝はなにがいいのかまったくわからないままの船出となった。
最初は企画とか対象年齢とかがわからないゆえの壁にぶち当たる話とかあったけど段々ティーンズモデルの話になったような。広告会社とかモデルになるための壁とかオーディションとか。
これはなんかリンクしてたやつがあったと思うのでそっちも読んでみたい。
「その特別って、幸せなんでしょうか。数年間の特殊な経験のために、支払う代償は大きいってことですよね。延々とかなわぬ望みを持ち続けてしまう」
(P273)