タグ「 コバルト文庫 」の記事

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お嬢様は吸血鬼 〜秘密ノ求婚〜 (コバルト文庫)

「さわらないでくださいませ。胸がどきどきしますので」

(P170)

人口の2割が吸血鬼だという大弐本帝國。
生まれながらに吸血鬼としての力を持った真性の吸血鬼も血を吸われ後天的に力を得た半吸血鬼も、ふだんは家畜の血などを飲みながら暮らし人権も認められている。しかし排斥を唱える団体があり実際には疎んじられることが多いので「吸血鬼」と公表しないことが圧倒的に多い。
伯爵令嬢藤ノ宮乙葉は真性の吸血鬼だがやはりそのことは隠して学校へ通っている。

大正時代の女学生ということはつまり海老茶式部なんですよ。この時点で既に相当の胸キュンでした。
で、教師深谷欧介がきわどい発言のサドい感じのけしからん眼鏡です。割れろ。
欧介は乙葉の正体に気がつき、吸血衝動を抑える薬の実験に付き合わないかと無理やりに薬を飲ませる。

これがなかなか破廉恥です。えろいじゃなくて破廉恥なんです。
時代が時代なのでキスなどされようものならもうお嫁にはいけないとか、そういう世界です。
なのでもちろん服は脱ぎませんし口付けも控えめなものです。でも目隠しとかえろいですよね。

内容はただいちゃいちゃしているだけではなくて、吸血鬼がらみの事案に学友が巻き込まれていることを知った乙葉が首を突っ込む系です。

P175〜の深夜を出歩く少女のターンはとてもよいですね!

しづが受け取った「美腰バンド」は「美容バンド」の誤字なのかそういうあれなのかしばらく考えた1
いやこう、セラバンドみたいなものなのかなあとか、巻くだけダイエットとかあったしなあと思い出していたのだ。

  1. 人づてに聞いた話だと美腰バンドはまじにあるらしい。 []

ショコラの錬金術師 (コバルト文庫)

負け知らずだったイルゼがはじめて「自分より上」に出会ったのは13歳の時、錬金術師の養成機関の入学試験の時だった。相手は自分より年下のちいさな少女アニカで、イルゼは入学式のスピーチを聞いて悔しさから入学式のあとアニカに宣戦布告した。それを聞いたアニカは嬉しそうに笑った。
「万年次席のイルゼ」が揺るがないまま4年が過ぎ、学年末試験を終えた日アニカは退学届けを出して東の町ケルルへ消えた。ケルルでは非常に高価なぜいたく品であるチョコレートを安価に売るトロイメリッシュという店がある。アニカは錬金術師からチョコレート職人へと乗り換えその店に弟子入りしたらしい。イルゼはアカデミーの教官から脅されるようにしてアニカを連れ戻す旅行に出た。

帯には「甘々ラブラブ」って書いてあるんですが、恋愛に傾いてる話ではありません1専門バカとハリネズミ(※両方女の子)が衝突してみたり今まで知らなかったことを知らされたりちょっと上を向いてみたりする女の子の友情の物語だと思います。可愛らしい物語です。女の子可愛いです! 持てる者の孤独! 多少のラブハプニングはあるんですが、まあそれはあんまり多くないので。とりあえずイルゼのシスコン兄は早く登場するべきだと思います!

チョコレート職人の物語ですが、チョコレートを作っているシーンはそれなりに少なく、錬金術的なシーンが多いわけでもないので、そういうのが読みたいひとはショコラティエの勲章を読めばいいんじゃないかな!

「ねえ。不安になったりしたこととか……ないの?」
イルゼは頬の火照りをごまかすようにして呟いた。
「何が?」
「自分の目指す場所に行けるかどうか。この先チョコレート職人としてやっていけるのか」

(P109)
  1. むしろなんでこれなのか…… []

ラズベリーキスで目覚めて くちづけは一度でじゅうぶん二度するな (コバルト文庫 あ 22-1)

コバルトの新人さん。
サブタイトル長いよ! と思った。タイトル長文化はこんなところにも? っておもった。
ところで初見では くちづけは一度でじゅうぶん 二度とするな と読んだのでナニゴトダヨ! って思った。

おとぎ話風のファンタジー。
高名だった魔法使いの父が亡くなり、強欲で醜い義母と意地悪な義姉に遺産を奪われラズベリーは田舎の城と追い出されることになった。虫が食った毛布に地味な着替えと使い古しの道具類を持たされ「黒イチゴ城」と呼ばれる猛毒のイチゴが生い茂るエーアトベーレ城にたどり着いた。
誰もいない城の中を歩いていると礼拝堂のような広い空間に行き当たる。階段状に高くなったところに安置されたガラスの棺があり、中には美しい青年が眠っていた。ラズベリーは父が書き残した「くちづけは一度でじゅうぶん2度するな」という手紙はこのことかと、キスをすると青年が目覚め「お待ちしておりましたお嬢さま」と微笑んだ。

悪魔のような花婿みたいな世界観でダイヤモンドスカイ(主従)で童話的な物語。かなりベタ。べたべた。
主従というか割とふつうにキャッキャウフフしている。
すごくコバルトっぽい。その「コバルトっぽい」を他の言葉で置き換えることは出来ないんだけど、「初めて読む物語なのにすごく懐かしい気がする」が「コバルトっぽい」の正体の一部だと思う。
初見では二度するな=二度目のキスは何かの封印をとくきっかけになるんだよ! と思ったらただの親ばかなんじゃねーの とラストはある意味暗転に近いものがあると思った。

姫婚オールアバウト (コバルト文庫)

コバルトでは魔王シリーズ以来なんだなあ。
これもなんだか王子に捧げる竜退治を思い出すようなシーンがあったりですが、2回目の結婚に向かいます。
イラストなんか見覚えあると思ったら「雪リコ」って湯キリコさんの別PNなんですね。かつてローディストだった身には懐かしいです。
ある事情から市井に混ざって暮らしていた姫が「西の山の魔王」に嫁ぐことになりメイドのネリネ1と伝令のメレンとともに西へ向かう。

愛の話はいいなー。ネリネ周りの話が特に好きだ。

愛には思いやりや自制、責任や勇気、それになにより慈悲がなくてはならないし、愛の最もよい面は誰かや自分をあたたかく育むという時の過ごし方だ。それがない愛など、愛ではない。それはただ片一方側の利益追求だ。愛は商売ではないのだから。

(P174)
  1. 男だけど []

愛は英国公爵の瞳に導かれて 恋人たちのファンタジー・ヒストリカル (恋人たちのファンタジー・ヒストリカルシリーズ) (コバルト文庫)

なんだろうこのハーレクインっぽいタイトルは、と思って買った。
ハーレクインは読んだことないけどラブストーリーの出版社ハーレクイン (HARLEQUIN_JP) on TwitterはTLに咲く一輪の花です。

19世紀イギリス。良家の子女アリス・グレシャムの家は父の事故死と急ぎすぎた投資の結果没落した。
は、ショックで倒れた母と社交界デビューして間もない妹、デビュー間近の弟、まだ幼い双子、父の遺した借金を一身に背負い、路頭に迷いかけた。親戚を頼り自分は男爵家で住み込みの家庭教師として働き令嬢ふたりの面倒を見つつ、家族には借家を見つけ仕送りをしている。
以前は自分が華やかなドレスを着てダンスをしていたが、社交の場に馴染めなかったアリスは今のほうがいくらか気が楽だった。ただ、誰にも内緒にしている「小説が自由にかけない」ということが唯一にして最大の苦痛だった。
ある舞踏会で出会った”鋼鉄のプリンス”と呼ばれるウィンダミア公爵に呼び出された。彼はアリスに「小説を書いて欲しい」という。

単巻完結のシリーズ4冊目。既刊は「ヒエログリフ」とか「ロココ」とか「沙漠」とか「永遠のハッピーエンドロマンス」とかいう文字が踊っています。ザ・コバルト。三浦しをんのロマンス小説の七日間をちょっと思い出した。いや作中作が現実に影響を及ぼすわけではないけど。むしろ文学少女だけど。

12月刊だったか1月刊からだったか、コバルトは紙質が変わった。黄色系からSD文庫みたいなのになった。
コバルトは最近ほとんど買わないので「こんなにノドぎりぎりまで文字詰まってたっけ……」とか思った。
思わずアンゲルゼとかベントーとかと比べてしまった。

面白かった。最近こういうのは読んでいなかった。
ランダムハウス講談社文庫みたいなのをコバルトに輸入するとこうなるんだろうか、とかちょっと思った。

氷雪王の求婚 〜春にとけゆくものの名は〜 (コバルト文庫)

三浦しをん帯にクマーされたんですがこれは面白かったです。
表紙イラストは種村ありなっち以前の90年代りぼんを思い出す懐かしいあれだけど、中身はふわふわしたものなどなくルチア風だった。

主人公はシュタイン帝国皇帝のエドリックと7番目の妻にと皇后に選ばれた地方伯の娘アイリス。
語り部はふたりが歴史の一部になってから史料上から2人をうかがう350年後ぐらいの人、みたいな感じで。
ディカプリオ主演のタイタニック1を思い出す冒頭である。
結末がまず知らされる→エドリックとアイリスの現在→歴史や側近の手記や手紙上に残る2人の当時、当時より少し未来→2人の現在→歴史に〜→2人の〜の繰り返し。
未来の描写に対してどうしてそうなった(゚д゚)と読み進めるのが楽しかったなあ。

読んでみたい話はルイのその後とヴァイオラかな。
とても面白かった。続編にしろ新作にしろ新しいのが出たらまた読もう。

  1. の冒頭 []

紺碧のリアーナ フロレンティアの花嫁 (コバルト文庫)

15世紀イタリア。メディチ家と反メディチ家による陰謀とか陰謀とか友情っぽいのとか変人とかそんな感じ。

「サブタイトルは花嫁か。表紙のこのふたりが最終的に結婚するんだな!」という発想で読むと多分つまんねえええと思うことになると思うので要注意。あとがき曰く「立場の象徴として(花嫁を)付け加えた」とあるけど正直何の象徴で花嫁なのか1よく分からなかった。

10年前謎の大火事で家族を失ったリアーナは、世間的に死んだと思われている由緒ある名門アドルファーティ家の生き残りである。過去を忘れて生きることもできず、適当な相手と結婚することもできず、先は尼僧となって生きるしかないかと思った矢先に転機が訪れる。

「アドルファーティ家襲撃の真相」とか「父の仕事」とか「リアーナの今後」とかが主なところです。

あとがきまで読んで気がついたんですが、これ「始まりの日は空に落ちる」の方だったんですね。
「先読みができる」「空に落ちる人を見た」って何その赤朽葉万葉さんって思ったのはよく覚えてます。
これの選考結果が載っていたのが、宮木あや子の「砂子のなかより青き草」が始まる回でちょっとだけ読んだんだ。今までそんな選評とか読んだことないんだけどあの年はなんか強烈でこえーと思ったのはおぼえてるなあ。
colorful | 本屋徘徊のキロク

  1. 間を取り持つ的な意味で? 花嫁である意味なくねー? と思ったのでこの線は微妙だと思う []

夜の虹 灰色の幽霊 (コバルト文庫)

オリガは父が姿を消した1週間後に「死者の死ぬ直前の行動が見える」という異能に目覚めた。

帯には「ネコ系女子とイヌ系男子の息もつかせぬロシアンミステリー」とかちょっとふわっとしたアオリがありますが、内容は少々硬めです。
エルツベルガー男爵がある日ナイフでめった刺しにされた後壁に磔にされるという謎の死を遂げる。
男爵は失踪したオリガの父の友人でつい先日屋敷に招待を受け、男爵の飼い犬の絵を描くという依頼を受けたばかりだった。容疑者として浮かんだのは男爵が身元引受人として学費も援助しているヤコフ・ネムツォフというユダヤ人である。男爵の死を巡りオリガは真相を探り始める。

アーサーが普通にいい人になってた。レオニードもいいひとだった。ヘルムートには今のところときめきしかない。
タチアーナの黒さがいい。

ユダヤ人差別とか帝政ロシア当時の陪審員裁判とか昏睡強盗とか謎が謎を呼ぶ展開がとてもときめきです。

悪魔のような花婿 (コバルト文庫)

スプリング男爵家の末娘ジュリエットは「不吉な13番目」の子どもで長身で、生家は貧乏ではないが9人の娘すべてに支度金を出せるほど裕福な家庭でもなかった。農業に精を出して品種改良をしてみたりで生涯を終えるのかと思っていたところ降ってきた結婚の話。相手は名門だが悪魔伯爵と怖れられるバジル家のウィリアム。

こう書くと非常にシリアスな話のような気がしますが一言で言うと「甘」に尽きる物語です。
新婚夫婦がひたすらいちゃいちゃしたり痴話喧嘩をするだけの話です。
血と肉の代わりに「お砂糖やスパイスそれから素敵ななにもかも」でできています。
なにひとつとして障害のないしあわせ結婚生活です。

あえていうならうなぎパイ的には1問題ありなんですが、まあそれはコバルトコード的に問題ありだろうと思うので、朝チュンと子どもができますのよ!対応なんでしょう。ていうか「床上手」「むらむら」はコバルト的にありなんだなあ、とおもった。いや床上手はせいぜい「あやして寝かすのが上手い」程度で使われてますが「むらむら伯爵」は笑った。

あとオールドローズ! サンホラー的にはオルドローズ! 魔女! ラフレンツェ! 忘れてはいけないよ!

続編は既に8月発売のコバルトに掲載予定らしい。この本はすごく面白かったけど童話的な予定調和の物語なので続きは読まなくてもいいかなっていう感じです。予定調和が悪いっていうんじゃないけど、要するに「キノの旅」なんだよね。シリーズとして続いたとしても、私の中では「2人はいつまでも仲むつまじく幸せに暮らしました」でいいと思います。

すごくどうでもいいことなのですが折込チラシの作者からの一言欄にあった「糖度高めのラブファンタジー」という表現にちょっと驚く。
いや「糖度」って少女小説読者界隈では珍しくもなんともない単語ですが、有川浩さんの講演会か公開収録かそんなので「読者さんは(自分の本を指して)糖度高いとかいう表現をされるそうで……(新鮮だとか驚きとかそんなニュアンスで)」て言っていたのをおぼえていたこともあり、いつの間にかまあまあ一般的な表現に? とかいうことを思ったりした。

  1. 婉曲的表現 []

夜の虹 (コバルト文庫)

19世紀帝政ロシアという触れ込みが気になって読んでみた。
ロシアが舞台の作品は凄く縁がないのだ。なのでこれを機に……
知ってるけどロシアの人名はすごく独特で中々覚えにくい。メインどころはオリガ・ロジオン・レオニードとすっきりしているけど「フィルサーノフ」とか「ミハイル・イワノーヴィチ」とかすごくロシアだ。
わたしのロシア人名の引き出しはアレクセイ・ズヴォリンスキーとエイレーネとミーチャぐらいなのでむむむとなる。

表紙の左側にいるのがオリガ(主人公・父の死をきっかけに死者の姿が見えるようになった)で
右側にいるのがロジオン(近衛連隊の新米で中尉だったが色々あって警察署の副署長に就任する)です。
甘味はあんまりありません。死者の謎とかはあります。食べ物の描写は結構あります。おいしそうです。

オリガは死者が見えるその能力で子どもの遺体を発見する。そしてなしくずしのままに別件の失踪事件に関わることとなる。名前はよく見ていたけど毛利作品を読むのはこれが初めてです。おもしろいなあ。

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