シンデレラ・ティース

この本が好きな方は以下は読まないほうがいいかと思います。
 
 



引きこもり探偵3部作→切れない糸→ホテル・ジューシー(SweetBlueAge)と
読んできましたが今回は期待外れもいいところ。

一番の違和感がこれが「一般向け単行本」で出ているということ。
講談社YA! ENTERTAINMENT辺りで出ていても多分おかしくないと思う。
何というか一昔前のコバルトっぽい。

あ、自己紹介が遅れてごめんね。私は叶咲子。十九歳の大学二年生。見た目はまあ普通、何にもしなければ童顔だし、ちょっとがんばって「今のオンナノコ風」のメイクをすれば、派手な美人っぽくもなる(p9)

坂木司でなかったらこの時点でもう投げてるよ。引きこもり探偵のときも
いきなり読者に語りかけるみたいなのはあったけど今回は酷いな。

短編5つ収録されてて1話がなんかもう
こういう歯医者さんが舞台です。こういう登場人物がいてこういうひとです。
話の流れとしては
受付のサキ(主人公。ちなみに1人称小説)が不思議な患者さんと出会う。
どうしてその人はそんな行動を取っているのか途中歯科トリビアを交えながら坂木司の持ち味である「優しい人」たちを出しながら最後で歯科技工士で探偵役の四谷が解決する。
とこういう流れでこの本は続いていきますのでよろしく
という確認を60ページかけてしているみたいで何とも。

よくできた教育漫画をノベライズしましたって感じを受けたんだよなあ。
ES細胞とかって去年の秋冬によく新聞で出た単語が出てきたけど
全体として流れる雰囲気はなんというか古い。
・歯医者さんは怖くない
・歯医者さんはこんな仕事
この2点だけでいうなら十分役目を果たしていると思うけど
小説としてこれはちょっとこれはいただけない。
坂木司のまだ読んだことない奴が読めるぜーと楽しみにしてただけにちょっとこれはショックすぎる

5/22