カテゴリー「 一般文庫 」の記事

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悪魔交渉人(1) ファウスト機関 (富士見L文庫)

現代で横浜が舞台。人気の薄い美術館で学芸員として働いている晶は悪魔(存在証明不可能生命体)を視認できる唯一の人物としてWMUAで悪魔交渉人としての夜の顔を持ち合わせている。
モンスターズ・イン・パラダイス (1) とかD.Gray-man (1)とかそんな方向。

悪魔が収蔵されているっていう帯文句だったから悪魔の能力を有した不思議アイテムかと思ったら晶の親友(だいぶ昔に死んでる)の体に憑依している悪魔である。よくしゃべる。最初からデレてる。割と下手に出てる方の悪魔。悪魔なのに甲斐甲斐しい。悪魔に会いに行ったらいつも死んだふりをしています。
あとあれだ晶さんちょう死相浮いてる。カナギと違うのはマジで何回か死ぬことだ。比喩ではなく。オールフィクション1かっておもった。でもひとたらしの才能はあると思うので実際死ぬ奴と死ねない奴でいいコンビになると思います。

そして時々ぐろい。物理的に痛い。基準範囲内のぐろさだからって読みながらギャーとならないっていうことではないのだ。ペンチとかやめて差し上げろ!
戻りたい眠りたい君もそう思わないかねとかいってる志藤のシーン(終わりぐらい)が1押しです。ああいう造形いいね! とりあえずドラマガは買って積んであるのでそのうち読みたい。今はまだもったいないお化けがうろうろしている。

  1. めだかボックス []

本をめぐる物語 一冊の扉 (角川文庫)

宮木あや子目当てで買ったら中田永一1がいたよ!
本がテーマのアンソロジーです。本といっても登場人物は作家とか創作とかそういう方向が多い。

中田永一「メアリー・スーを殺して」は2次創作小説を書いてるときだけは幸せだというもっさい女子が「小説は上手いけどメアリー・スーがいるのがいただけない」と言われて自分の中の中2心を滅するためにリアリティを身に付けよう小説のキャラがするようなこと(料理の描写のために料理教室に通う、コンタクトをしてみる、作中の人物が艶やかな髪をしているから自分もそうなるように手入れを学んでやってみる)やってみようそしてそれらを維持しよう、という。
これ昨日タイムラインで見た、と思いながら読んだ2

宮木あや子「校閲ガール」はこれ柚木麻子のやつでみたーーーってちょっとおもった。
ファッション雑誌の編集部に行きたかったが配属されたのは校閲さん。
せめて希望の場所にいけるように今の仕事をまっとうしようとする。

初見だけどっていう作家では沢木まひろと朱野帰子が面白かった。

  1. =乙一 []
  2. 好きなキャラのためにダイエットして見違えるようになった、という番組をやっていたようだった []

博多豚骨ラーメンズ (メディアワークス文庫)

修羅の国福岡、人口の3%が殺し屋の町博多でうごめく殺し屋やら復讐屋やらの。
電撃大賞の大賞作品でメディアワークス文庫で群像劇。料理の要素はありません。
割と軽快に人が死ぬ系。地名が割と多いので、博多の地理に詳しい人だったらたぶんにやにや出来るんじゃないかなあって思った。

集団面接で「あなたにはどうしても殺したい人がいます、動機は何でも構いませんがどうしても殺さなければいけません。あなたはどうしますか?」という質問に対して学生を動揺させる類の質問だと判断した斉藤は内定ほしさに「お金を払ってでも他人に殺してもらう」といい無事内定通知を勝ち取った。斉藤が答えたそれはこの企業の経営理念だった。
表向きは人材派遣、実態は殺し屋を派遣している。斉藤は研修期間を経て任された仕事を失敗して福岡に飛ばされる。福岡では市長選がはじまる。
メインの登場人物だけでいうなら12人が繰り広げる群像劇です。
趣味女装の殺し屋とか明太子大好き探偵とか殺し屋殺しの殺し屋とか拷問屋とかおねえとか。
あと大事なのは野球。殺し屋・野球・裏切ったり裏切られたり。

面白いんだけどわたしが最近本読んでなさ過ぎだったから群像劇についていく体力にかけている! ぜーはー言いながら読んだ。でも面白かったよ。
これの感想を書くにあたって気がついたんですけど、2月発売のビズログ新人作品にも同じ名前の人がいて、同姓同名の別人か? と思ったんですがぐぐってみたところプロフが限りなく同じなので同時期でW受賞・デビューなんだなあと思いました。
狩兎町ハロウィンナイト 陽気な吸血鬼と機械仕掛けの怪物 (ビーズログ文庫)
ビズログの新人さん悩んだけどこっちじゃないほう買ったのでこっちも買おう(そして読む)

悩み相談、ときどき、謎解き? (2) ~占い師 ミス・アンジェリカの消えた街角~ (メディアワークス文庫)

田中花子、地味な経理担当OLだが街角に占いに出る時はミス・アンジェリカ。
占いの最中に無関係な言葉が降ってくることがあり、それが占われている当人にとっては重要、もしくは振り返ってみれば重要なこともあり、人気を博していた。
しかし当の本人は人を占うことの重大性を感じてひそかに姿を消した。
はじめてしまったもうは戻れないし関わり始めてしまったからもう人の中でいきなさいっていうあの手紙を最初に持ってくるのがすごいな。

あなたの春ははじまったばかりで、ぐちゃぐちゃのげちゃげちゃの泥んこの、格好悪くて汚い春なの。
最初から上手くやろうとしないで、恋も、愛も、占いも、勉強しなさい。
客観的になろうなんて、初戦無理ではないかしら。
占い師は人の幸せにほんの少し力を貸すだけの存在であり、そもそも人の幸せそのものが、まったく客観的なものではないのだから。

(P67)

ビューティフルマンデー (メディアワークス文庫)

あらすじ見た瞬間に「なんか死神の精度っぽい」って思ったけどあらすじに既に伊坂幸太郎言及されてた。
わたし伊坂幸太郎はアヒルと鴨と、ラッシュライフと死神の精度が好き。

4つの視点、交錯する運命、歪んだ生き方をする人生が交じり合うっていう感じの。
最近ヒーリング・お仕事系・日常の謎で溢れるMW文庫的にちょいと新鮮。
「彼女」はストレートに読んだら猫だよなって思ったのと、これ伊坂幸太郎リスペクトなら時間軸さえも疑って読むべきとおもった。死神の精度好きなんでこの殺し屋好きだ。
と言うことで引き出しに3人目の黒崎が投入された。面白かった。

オツベルと笑う水曜日 (メディアワークス文庫)

真偽不明のゴシップ、都市伝説、ホラー。
そんなものを扱う飯羽出版東京支部の20代半ばにしてひとつの部署を取りしきる乙野辺ルイ通称オツベルと、この部署に配属された得体の知れない新人喜佐雪広、2人が巻き込まれる殺人事件について。

帯に「デュラララ世界で繰り広げられるサスペンスアクション」って書かれてるんですけど、リンクマジ大胆。多いのはデュラララですが、越佐、バッカーノ、後私気付かなかったけどヴぁんぷとのリンクもあるようです。
首無しライダーとか池袋最強とか出てくるけど「根も葉もない荒唐無稽のデマ」として片付けられるんですが、1枚めくるとあんなことやこんなことが眠ってるんだろうなあと思うと池袋マジ危険。

ルイのかーちゃんが喜佐を紹介した理由が可愛くてよいオチだなあと思いました。

悩み相談、ときどき、謎解き??占い師ミス・アンジェリカのいる街角 (メディアワークス文庫)

田中花子、という申込書の見本に書かれてそうな没個性の名前の人が主人公である。
ITベンチャー企業ネット通販フロアで働くかたわら夜は街角で占い師「アンジェリカ」として街角に座っている。占いの売り上げはすべて緑地化へむけて寄付をしている。
占いをしていると時々言葉が降って来ることがある。それは「それっぽいことをいういつもの占い」とは違って、「特に意味があるとは思わないが占われてる当人にとっては非常に重要な、神託のようなもの」だ。これは50人にひとりにあたるようなものだが、彼女たちはお礼を言いに現れアンジェリカの占いは行列をなしている。
そして占いの後ろでキャンドルを売っている誠司となんかちょっといい雰囲気になる。花子は時折落ち着かない気分を抱えたりしつつも、ちょっと親しい顔なじみぐらいにしか思っていない。
で「○○を探してほしい」だったり「妻は浮気をしているのでしょうか」みたいな占い最中に零れ落ちた言葉が事態を収束に向かわせるという類のあれです。人と関わりを持つことで揺れ動いていく花子の物語。
これは続きを読みたい感じで、とりあえずどこかに積んでいるデビュー作を読もうと思いました。

変身写真館 (幻冬舎文庫)

自分ではない誰かになれる銀座の写真スタジオ「プルミエール」
どんな女性も大胆に夢のような時間を体感でき、ヘアメイクを落としたあとも新しい自分を感じられると評判のスタジオでの短編集。
読みやすいわかりやすい、でもつまらなくはないけど面白いかといわれたら「普通?」としかいえない何か。
コスプレじゃなくてメイクと写真の力で化ける変身写真館という設定にはときめいたし私に近いの友佳里で共感する点はあるけどそれはそれで1、平坦で繰り返しの物語だよなあ。メイク担当とカメラ担当の人の物語もあるのかなと思ったけど違った。

  1. 別に共感を得たいから読んでるわけでもない []

ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)

3巻と4巻の間は(現実的にドラマのキャストとか)いろいろありましたが4巻は乱歩で今度は長編です。
暗号とかあって栞子の母の登場があったりして(母はラスボスとして最終巻に出てくるもんだと思った)
栞子さんと大輔のデートがあったりして、おうおうという感じ。
わたしホームズは通ったけどルパンは通ってないから乱歩はまるで未読なのだ。
平井骸骨とか大正が舞台だと作中で乱歩たびたび出てくるけど。

わたし休憩なしでいいから5時間ぐらい語りたいね。

爛漫たる爛漫: クロニクル・アラウンド・ザ・クロック (新潮文庫)廻旋する夏空: クロニクル・アラウンド・ザ・クロックII (新潮文庫)

熱烈な支持を受けてきたロックバンド「爛漫」のボーカル新渡戸利夫が急逝した。
人気バンドを襲った嵐、その死に疑問を抱く音楽ライターの娘くれない。彼女を導く利夫の兄、それからギタリスト。ロックとミステリがいい感じに混ざった小説。
年内にすごく気になってて、でも明らか1冊で完結してないし続き出るの時間かかりそうだしなって買うの辞めたらつい先日2巻が出てるのを見てやべえってなって2冊一気に読んだよー。面白かった。
音楽はよいものです。

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