カテゴリー「 一般文庫 」の記事

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カラフル (文春文庫 も 20-1)

生前の大罪で輪廻のサイクルから外された「ぼく」に大当たりと天使がやってきた。
今なら輪廻のサイクル復帰をかけて再挑戦できます。できますというか辞退はできません。ボスつまり万物の父の決定です。決定に逆らうことはできません。大当たりといってもあなたは楽園にいくわけではありません。もうすぐ死ぬ「小林真」という少年の体に入って生活をしてください。あなたが忘れた前世での罪を認識したらその時点で終了。あなたの魂は輪廻のサイクルに戻ります。

懐かしい……!
サイト名colorfulはこの本から取りました。
初めて読んだ時はまだ新刊棚にあったと思うので多めに切り上げて約10年前。
小林真と同世代でした。やっぱりあれですね、10代のときに好きになった本・物凄く好きだった本をもう1回読むときは気分10代。

「物心ついたときからそばにいた、ぐずで、ぶさいくで、頭悪くて、いくじなしで、病的に内弁慶で、友達もできない、だから年中おれのあとばっかついてまわってた、世話のやける、目の離せない、十四年間、全く目が離せなかった弟が、ある朝、なんてことない普通の朝に突然、ベッドの上で死にかけてた。しかも自殺だ。自分で死んだんだ。どんな気分になるか考えてみろ!」(P176)

何か書こうかと思ったけど貴様の不幸自慢をして楽しいかァ!という内容になりそうなので自粛自粛。うむ。学校は毎日行ってました。主成分本と意地で。

ぶらんこ乗り (新潮文庫)

2年ぐらいほったらかしだったらしい(帯が2005年の夏100
確か梨木香歩が好きな人はオススメ!っていう文をどこかのRO日記で見て買った覚えが。

高校生の「私」は学校から帰ってくると祖母から古いノートを渡される。
恐ろしく古くカビの匂いがすごいそれは当時年齢一桁の弟が書いた物語でびっしりと埋まっているノートだ。小学生だった私と弟と犬との数年の物語。

弟の書いた物語が多く登場する。年齢一桁だけにほぼひらがな(ここが1度は挫折した原因だ
涙腺がゆるい方は注意された方がいいかもしれない。

↓ネタバレ
弟が死ぬんだと思ってた。両親か……
死ぬのでなければ子どものうちに神隠しみたいにふと消えて生死不明になるとか(これはかなり近いけど。

檸檬のころ (幻冬舎文庫 と 8-2)

久しぶりに読み返した……
ラブソング>金子商店の夏>雪の降る町、春に散る花

水に描かれた館 (創元推理文庫)

崖の館続編。崖の館よりはこっちの方が好きだなあ。
論理的なミステリではないと思いますが、謎・幻想・愛みたいな感じで。
218ページ以降の展開が好きです。とりあえず夢館に突撃。

楽隊のうさぎ (新潮文庫)

何か気合の入ったPOPが立ってたから騙されたと思って買ってみたよ
引っ込み思案の中学生男子が成り行きで吹奏楽部に入って成長していく話。
私は小学校の時トランペット吹いてたので懐かしい感じでした。

ていうか「隔週週休2日制」って作中時間と私が中学校だった時、かなり同世代に近いものが。

まほろ市の殺人 冬—蜃気楼に手を振る (祥伝社文庫)

150ページぐらいの短い話。シェアワールドものになるのかな。
架空の都市(と思う。架空の割にしっかりした地図と市の歴史がかっちり決められててときめく)真幌市で春夏秋冬それぞれの季節で起きた殺人事件の話でこれは冬。

火曜サスペンス劇場的展開だと思います。後読むなら春の倉知淳版かなあ。

冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)冷たい校舎の時は止まる(下) (講談社文庫)

雪深い地域のある進学校。同じ学年の8人が学校に閉じ込められた。
電話は繋がらない。暖房はついてるけど誰もいない。入ってこられたけど出て行けない。
2ヶ月前の文化祭で誰かが飛び降りたのにそれが誰だったのか思い出せない。

図書館で何度も借りてた本がようやく文庫になりました。
今回は菅原関連について読み読み。
割と最初からあっちこっちに仕掛けられてたんだな。
ノベルスは3分冊だったのですが文庫は上下巻。かなり分厚いです。ほとんどは登場人物の描写とかに費やされてます。
そんなわけで久しぶりの昭彦祭り。
辻村作品の中で男前を3人挙げよといわれたら間違いなく昭彦コウちゃん秋先生ダヨ!

太陽の塔 (新潮文庫)

モリミーこと森見登美彦氏の話は面白いのでマジオススメ。
太陽の塔は自意識過剰な非モテ男子によるクリスマス撲滅作戦の話。
話は主に「私」(休学中の大学5年生)の思索と行動で占められている。

魔女*おもひでコンボの日からぼちぼちと再読(笑い分を補給しないと死ぬので
水尾さん=夜は短しの黒髪の乙女説の元を確認するべく。
確かに「二足歩行のロボットのようなステップ」とかあるな。

類は友を呼ぶというが、私の周囲に集った男達も女性を必要としない、あるいは女性に必要とされない男たちであって、我々は男だけの妄想と思索によってさらなる高みを目指して日々精進を重ねた。あまりに高みに上りつめすぎたために今さら下りるわけにもいかない。そもそも怖くて下りることができないと誰もが思いながらも口をつぐみ、男だけのフォークダンスを踊り狂った。

(P7)

ちなみにこれは日本ファンタジーノベル大賞受賞作なのですが「京大生が京都中の女子大生を奪っていく」「恋人のいる明るい大学生活」なんて幻想に過ぎんのですという意味合いでのファンタジーです。

フィンガーボウルの話のつづき (新潮文庫 よ 29-1)

何とも不思議な話だ……

吉田君は「世界の果てにあるような食堂に来る人」の話を書きたいと思っていて長く悩んでいる。
そこに奇妙な連作小説を予告して消息不明になったジュールズ・バーンのことを知る。
物語のはじまりのしっぽを掴んだ吉田君は……という話だったのが。

「奇妙な連作小説」というのはフィンガーボウルの話のつづきを言いあらわしてることばでもあるのですが、17の短編が入っています。
たとえばAという短編があるとして、これは吉田君が書いたものなのかバーンの過去作品なのか、それとも何の関係のない話なのかと先を読む。終わる。誰だーと思いつつも次の短編を読む。読んでたら別のBという短編の中で昔は俺もAっていうやつを書いたんだとかいうのが出てきてナンダッテーと叫ぶことになる。リンクが複雑。

物語の重要なキーワードとして出てくるもの
ビートルズ:ホワイトアルバム

「私は殺し屋ではない」と「白鯨詩人」と「ろくろく」が好き。

蛇行する川のほとり (中公文庫 お 70-1)

遠い夏の日に封印されたある秘密をめぐる物語。

これ最初は3分冊で出たんだよなあ。一部ごとに凄い引きだ。
ハルジョオンが好きだな。

ひとつの昔話をしよう。
もはや忘れられた話、過去の色褪せた物語。
平凡で退屈なある夏の話。
私たちの愛情について、私たちの罪について、私たちの死について(P7)

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