カテゴリー「 少女向け 」の記事

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金星特急の続編だ。続編だからといって「これまでのあらすじ」があるわけではない。ものすごくおすすめなので本編7冊・外伝1冊・それから本編から続編への橋渡しとなる番外編1冊合計10冊をぜひお読みいただきたい。電子書籍もあります。
だからといって本編読了済み続編未読の人がこれを読むことになると思うとそれはそれで感想が書きにくい。ネタバレへの配慮ではない。読んで「ファーーーwwwwwwww」ってひっくり返る要素はできるだけ残しておきたい。そのぐらいすごいのだ。なんせ小説ウィングス本誌組である1私でさえ1冊読んでひっくり返った。
こう書くと「面白さへのハードル」が上がるんだろうか。でも金星特急が面白かった人は続編も面白く読めると思う。

面白く終わった小説で、数年後突然始まった続編が同じように面白いというのは本当にすごいと思う。
「世界を旅する空気感」や「異国での食」の雰囲気は引き続き流れているんだ。主人公は錆丸から錆丸の娘・桜へ受け継がれた。桜はゆえあって女しかいない絶海の孤島で育ったので、サバイバル能力はあるが文明のある世界での振る舞いかたを一切知らない。島から連れ出した砂鉄・三月と桜のやり取りよ。夏草の話をする時の三月が本当に胸が締め付けられる(※死んでない)

2巻の発売が待てない方はどうぞこちらを読んでほしい。

春号は多分5月10日発売……。

  1. すでに2巻収録分まで読んでいる []

すごく久しぶりにビーンズ文庫を買ったな……。なんかピンときたので買いました。新人作品。
序盤はすごく駆け足(なんせ最初40ページで竜と出会って、結婚直前に村が焼かれて唯一の家族である兄を目の前で失う)なんだけど、読み終わってもう一回最初に戻ってくるとこれがあれに活きるのかっていう感じで、これもたぶん必要なシーン。

ライラは村が焼かれた日に見た蒼い竜、ルガーに復讐することを決めた。

竜人は生涯ひとりを愛する習性を利用して、ライラは「自分がその運命の相手、番いだと誤認させる匂いを発する薬」を口にした。飲むと翌日に死んでしまうその薬を中和するのが赤い飴玉だ。飴玉はライラが飲む薬の副作用を抑え、舐めた後の口づけが竜人には毒になる。1日でも舐めるのを忘れればライラは死ぬし、口づけをしなければ竜人の毒は抜け、100日口づけを続ければ竜人を確実に死に至らしめ、後には毒も検出されない。

番いだと誤認させる薬を飲んだライラのことを、ルガーは一目で「番いを見つけた」と愛を注いだ。
ライラもまた竜人とともに暮らし、ルガーに寄り添って暮らし、日々ごく自然に復讐の武器である口づけをした。
どういう経路をたどってどういう結末を迎えるかっていうね。いやもうラピュタでしたね。
久しぶりに少女小説ファンタジーを摂取しました。

なろう完結済みで不定期に短編があがっているふだせんの書籍版最終巻。
腐男子の先生と先生の神絵師こと腐女子JK。

「それでさ俺は思ったわけだよやっぱり実写化映画化メディアミックス問わず大切なのは原作へのリスペクト、それは言い換えればどれだけ正しく二次創作をしようかという覚悟なわけなんだよねたとえば漫画にしたって小説にしたって出来る事なら絵柄を寄せたい文体を寄せたい、表現の形が違ったといても魂の形をミリでもいい近づけたいっていうのが欲求としてあるわけじゃないか。もちろん、もちろんだよ、換骨奪胎まったく別のものとしてひとつの世界と作品をつくりあげる、そういう姿勢も評価されてしかるべきだけど原作の読者はやっぱりその魂と同じ形を求めてくるわけだよ、そのままであってくれというのは単純に姿形だけのことじゃなくて、やっぱり俺は魂としか言いようがないしそういう意味では今回の映画化は正解だったと言ってもいいんじゃないか、正解じゃないとしてもそうあろうとする努力は認めてもいいんじゃないかって思うわけだもちろん作中の改変について特にあの重要シーンでの重要台詞については俺としても議論の余地ありだと思うけれどやっぱり言わせたかったんだよあの作品あの役者あの脚本だから、あの二次創作上どうしても、『こんなこと言わない』の台詞が出てしまったと俺は解釈するね、だから−−」

(P101-P102)

『ちなみにその腐女子さんの”待って?”は意訳するとどういう意味?』
「そうだな、”あまりの尊さに今すぐここで死にたいけどこれまでそしてこれからの萌えを受け止め続けるために不死鳥のごとく蘇りたい、ただやはりここに墓を立てたいから辞世の句を詠ませて欲しい”くらいの意味じゃないか?」

(P117)

ふだせんオタクとして信頼がおける。
ふだせんとあげはちゃんがうらやましいところとして、オタクとして魂の形が似ていることだ。

先日オタク友達マッチングサイトなるものを見かけたのでどういう形式やと思ってログインしてみたところ推しジャンルと推しカプをもってマッチングする人を探すというものでそれかーーーと肩を落とした。いやそれで仲良しを見つけられる人がいればいいのだ。私は無理だったので退会ボタンを探し、よろしければ退会理由をと聞かれたので「not for meのサービスだなと思ったので」と送信してきた。
いやだって同ジャンル同担のほうがちょっとした解釈の違いであっという間に戦争案件になりませんか。愛で方が違えばストレスが溜まりやすい。我慢とか妥協が発生しませんか。わたしはその場面が容易に想像できるので、「好きな人が同じ」っていうのはなんの判断基準にもならなくて(むしろハードルが上がる)「あなたはどういうオタクなのですかどういうことを好んでいますか、どういうのが苦手ですか」っていうほうがものすごく重要で、この人めっちゃ最高やんっていう人が同一ジャンルで推しが同じで、万が一仲良くなれたりしたら一生仲良くしたいもんな。一生は言い過ぎでもオンラインで同じ名前を名乗っているうちは仲良くしたいよな。大事にしたい。
行くジャンルはわかれても疎遠な時期があっても「今何推し?」って盛り上がれるぐらいがわたしとしては理想なんだよ。好きなものが増やせるチャンスだよ。嗜好が似てる人の好きなものは刺さる可能性がある。いや盛り上がれなくても「おっ大丈夫か飯食って寝ろ」程度でもいいんだけどな。
なんでそんな友達を作ることに消極的かって、推しを愛でることに時間を使いたいだけでめんどくさい学級会にも解釈違いにも携わりたくないのでオンライン上では好きなものだけ並べたいんだよな。コミュニケーションより推しを愛でることに使いたい。誰かと推しの話を共有するのが楽しいことは知っているが、ピントのズレた推しの話には付き合いたくないんだよ(マジで)

アフターに焼肉に行く話が好きなんですけど、そこで何で焼き肉なんだよwwwwwwwwwっていうツッコミどころがあるんだけども。
「神様は、いつも信者を選べなくて、可哀想だ」のところなんですけど。

「……先生は選んで、わたしのことを好きになってくれたでしょう」
誰に言われたわけでもなくて。桐生が、桐生の意思で、ぱぴりおを選んでくれたんだと思う。それは知ってる。
「でも選ばれる方は、お願いして、好きになってもらったわけじゃないから」
選べないってことはそういうことだ。
信者はいつも、一番好きなひとを神様に出来るのに。
神様は、お願いをして、好きになってもらったわけじゃないから。自分が好きだって気持ちに応えてもらっているわけでもないから。
「明日、先生がわたしより好きな神様を見つけても、わたし、それを止めることは、できないんだよ」
(略)
好きになってもらえることは奇跡だ。最初はいつだってひとりで描いている。それを、自分を好きになってもらえることは本当に奇跡で、感謝をしなくちゃいけない。
でも、だから、引き留めることができない。

(P135~P136)

ふだせんとあげはちゃんの関係は教師と生徒以前に神絵師とファンで、わたしも神様がいる1手前(そして高校生の頃から一定スパンで神様扱いをされることがあった手前)はーーーーーー(ブリッジ)ってなる。いっぱい色々書いて消したんだけども、神様とファンの関係でそうなれてよかったなーーという気持ちがあるんだ……。

圧倒的に自分の話しかしてないんだけど、全体的に「オタク幸せになれよーーーーー」っていう1冊なんだわ。

  1. 何回も書いているけどSound Horizon/Linked HorizonのRevo氏のこと。氏が作る音楽は私は大好きです。多分一生好きだと思う。 []

少女小説って面白いなって久しぶりに思ったのよ。いや普段は同人誌の感想は上げないんだけどこれはどう見ても俺案件だしほぼプロ作家だしいいだろってことであげます。ちなみに書影の画像は今noteにつながっていて通販が始まったらboothに差し替える。

「ご自身の愛した少女小説をください」という原稿依頼で作られた紅玉いづきさんを編集長とする少女小説の雑誌っぽい同人誌です。
本当に俺案件なんですよこの同人誌。だってまったく著作に触れたことないのは北川恵海さん木間のどかさんぐらい。他はまあ何かしら読んだことがある。豪華な顔ぶれだ。

ぺぺ、あなたの小説を読ませて/紅玉いづき
身に覚えがあるーーーー。いやわたしはライトノベルを称して「そんな漫画みたいな本読むのをやめなさい」と言われたことはないんだけど1なんかね、わかるんだよ。あーーーこういうのあったあったっていう。中学生の女の子が友達とわらわらしながら本屋で何かしら買ったリ読んだりする話です・

クウとシオ/若木未生
作品読むのめっちゃ久しぶりじゃない? オーラバを読んでてグラハーが好きでっていう世代です。
掌編というのにふさわしい短いおはなしなんだけど、そうそうこういうのだったって思い出した。

アミルと不思議な青い指輪/神尾あるみ
この7月に富士見L文庫からリデビューが決まった神尾さんです。
読み終わった感想は「イベリアじゃねえか!」だったローランなんだけど、そんな一部の人にわかりやすい説明をするとイスラム圏の世界観で魔法使いサラバントです。相変わらず「名前」を大事にする作品だなあと久しぶりに新作を読みながらにこにこしました。

白き寿ぎ/小野上明夜
商業では難しいものを、という視点で書かれた話だそうなんだけど、とてもブラック。とても地獄。好きか嫌いかでいうと好きな方で、湊かなえが好きな人は好きだと思うよって思います。
小野上さんのnoteにあいさつ代わりに載ってる短編がどう考えても重い地獄なのでこれが好きな人は大丈夫です。
COMITIA128お疲れ様でしたと通販について|小野上明夜|note

ブルージャスミン/木間のどか
一時期少女小説界隈では「今の少女小説には姫嫁巫女しかない」なんていわれ方をしていましたがこれはそのうちの嫁です。王道です。LOVE。

永遠の30min/北川恵海
昔のコバルトみある。

あなたと彼女たちについて/七木香枝
これはエッセイ。わたしはこれを書いている七木さんと交流があるんだけど、いつ読んでも本に対する姿勢が真摯。あと年齢不詳。
出てくる小説がどっちかというと同世代に近い。最近はめっきりライト文芸を読んでいるけどさよならしてないなあと改めて思った。

黄金と骨の王国〜半竜人と死せる第一王女の章〜/栗原ちひろ
つづき はやく
誤解のないように一応書いておくとこの話でいったんの解決は見ている。でもそれと続編を望む声は別だろう。ラノベの1巻とはそういうものだろう。
すごく好き。

ということでわたしと本の趣味が似ている人は多分好きだと思うので、通販が始まったらぜひとも読んでほしい1冊。

居酒屋「少女文学倶楽部」|紅玉いづき|note

  1. 言われたことがあるとしたら物心つく前の話で、わたしは英語の辞書を読んでいたらしいです。母はわたしを本を読む子に育てたかったらしいけど「そんなん読んでも分からんだろうに気持ち悪い」というたことがあるとかなんとか []

腐男子先生!!!!! (ビーズログ文庫アリス)

なろうの書籍化。久しぶりに応援上映ならぬ応援読書をしてしまった……。
twitterで奇声を上げていたのはこの本のせいだった。おかしい基本既読のはずなんだが。

ごく普通の腐女子たる早乙女朱葉のスペースに同人誌を買いに来たひとりの腐男子。
オフラインでは一期一会だと思われた描き手とファン、ノベルティを渡し忘れて追いかけたところ発覚した事実、その腐男子は朱葉の高校の教師、今はもっさりした外見だが「イケメン生物教師」と称される桐生和人だったのだ。

短い話が一杯収録されている基本オタクあるある、ラブコメに見えて「フラグは折るもの」

結構リアルタイムなネタが多い(こないだはプリライ回とかユーリオンアイス回とか闇の末裔新刊発売回とかあったのだ)ので古くなってやしないかと思ったけど、キンプラ公開直後の今、プリライが終わった今、応援上映のところが一周回って逆に新しい……。

「オタクあるある」っていっても元ネタが分からないと面白くないとかそういうのでもなくて、「オタクあるある」なのでそれな!!!! っていう共感……? 程度の大小あれどマンガアニメ方面のオタクだったらたぶん身に覚えがざくざくあるやつだと思います。
既読なのに同じところに引っかかった……ぶらっ!!! くろにこ!! だろあれ……。サンホラ1期じゃねえか!!!!!

これは書籍版で、多少の追加あるといってもオンラインでもだいたいおんなじものが無料で読めます。まあ本は課金アイテムです。
縦書きで読めるってすごい。めくったらどこからでも読める紙すごいやばい。

 そして、エンドロールの終わり。
 出るはずだった、最後のテロップは──出なかった。
 真っ黒な画面、そこに。
 白い流麗な文字とともに。
《そして、輝きは終わらない──》
『だよね? 星屑ちゃんたち!』
 アイドルの声が響けば、ギャアアアアアアアアと映画館が歓声に包まれる。
 振り切れた。頭の血管が切れる、精神が焼き切れるかと思った。それくらい興奮した。
 そしてそれは隣の桐生も一緒だったことだろう。隣にいるだけで、それがわかった。
 ──てゆうか隣も完全に泣いていた。マジかってちょっとだけ思った。思ったけど、思った朱葉も泣いていた。
 そして、特報が流れた。来春。劇場版新作。
 それから、まさか、まさかの新曲披露。
 ラストシーンは、みんなが大好きな俺様のキャラクターが、ニヒルに笑って。
『MontBlancでも食べて待ってるんだな』
 そんな風に、煽るから。
「「待ってるーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」」
 劇場が一体になった。
 上映は終わり、灯りがつく。
 夢から覚めたような気持ちにはなったけれど、まだ全然、心がリアルに帰れていなかった。

(P67〜P68)

わかる!!!!!!!!!!!!!

「経済を回しているなんておこがましいことは言わないが俺が回しているのは自分の情熱でありリビドーであり味合あわせていただいているのは課金ができる喜びである!」
「うるせえ!」
「孝行したいときに親はないように、課金をしたいときにすでにコンテンツはないかもしれない! 今! ここで! 課金ができる喜び! 出会い! それは奇跡! たとえガチャが悪い文明だとしても! 俺はこの悪さえも愛する!」

(p100〜101)

それな!!!!!!!!

還るマルドールの月 The Return of the Mardore Moon (コバルト文庫)

最近はいろんな方面で「2016年だよ!?」というようなことがあるんですが、野梨原花南の新刊がコバルトで出るというのもなかなかすごい。

没落貴族のダリアードは爵位と引き換えに元敵国の警部と結婚することになった。怪盗が犯行予告をしている宝石の警備のためだ。恋に落ちたらもうお祭り騒ぎだし情報を探すためにはいろんなところに行ってしまうぜという話。

わたしこれを読んで古い野梨原花南読者にこれどう? これどう? って言って回りました。というのもすごい雰囲気が懐かしいんですよ。これは確かにコバルトの野梨原花南だ! って思った。

「世の人があきれかえって、笑って、そしてあなたが泥まみれで死んだとしても、だとしても人がしたいように生きるというのは、人生を思うさま謳歌するというのは、とても素晴らしいことです。大切なのは、したいと思ってそれをする今であって、何も決まっていない未来ではないのです。けれど忘れないでダリアード様」
イズーデはダリアードの手を。両手で包んで強く握った。
「この手は、愛を掴んで抱き締める手です。糞で汚してはなりません」

(P57~58)

この辺がもう北でオニキスとクラスターが殴り合いしていたこととか、ポムグラとか比較的古い野梨原作品がぶわーと流れ出てきて猛烈に涙腺パンチされていた。最近火村さんのドラマやっているせいか10代の思春期女子が非常に活発です。yes10代のわたしにとって火村さんが結婚したい相手で野梨原花南作品は神だった。
恋って素敵だ!!! と10代のわたしがきらきらした目で叫ぶよ。ジオとダイヤの物語を読んだ日にはいつだってそうだったよ。
たくさんのいろいろをありがとうございます。

おこぼれ姫と円卓の騎士 恋にまつわる四行詩 (ビーズログ文庫)

サブタイトル的に短編集かと思ったら「薄めの本編」といっても通るぐらいの長さの中編と掌編が3つ、ちなみに中編はウィラードとアイリーチェの出会いの番外編で、おこぼれ姫シリーズ最大に甘い話です。あっそういえばこれ少女小説レーベルから出てるやつやったわ! って思った。
でもウィラードがメインということもあって、「おまわりさんこいつです!!!」レベルもハンパないです。
あと騎士学校の話でアイリーチェが元旅芸座の踊り子ということもあって、ダンス成分が多い話です。ドレスもあり、剣舞もあり、おいしいです。
あとの掌編がアストリッドのワルツとかレティとデュークの(一方的な)出会いの話とかノーザルツの話。おもしろかったです。

f-clan文庫で刊行された相棒とわたしの同人誌版の新刊です。

惚れて通えば千里も一里 大阪インテありがとうございました〜!!!

とらとか通販をしてるみたいです。なんか全3巻となるようで、え、まだ続きあるんだ!? ってなった。
商業出版は絶版になってもブックオフっていう手があるけど今回は同人だし重版はまずないと思って、気になる人はとりあえず買って積んでおきましょうね。
とりあえずフォルク推しなんですけど。読んでてぎゃあ! きゃあ! ってなった。
最近「ずっとこのままでいたい」と「このままじゃいられない」と「もう1歩先へ進みたい」が私の中でとても流行っているんですけどまさにそんなかんじでしたごちそうさまです。

愛されすぎた嫌われ姫 囚われの王子の脅迫 (一迅社文庫アイリス)

祖国イファルラの禁足地で出会った妖精のセイジュ。妖精の国に一緒に行こうという彼の誘いを断った幼いオデットは「人の秘密を知ってしまう」呪いをかけられた。
人は誰しも暗殺を企てるレベルから他人から見ればほほえましいものまでさまざまな秘密を握っているものである。しかも秘密を知られて良い気がする人間はいない。オデットに好んで近寄る人間はいなかった。
イファルラ国は王族を人質を使い他国に恭順の意を示し独立を保っている。現在オデットが客人待遇で滞在しているレダンには2人の王子がいる。子宝に恵まれず養子としてもらわれた優秀な第1王子、その後生まれた実子の第2王子。次期の王はいずれか勝負した結果、勝者はどれも第1王子だったが、国王の息がかかった判定員が下した結果「未来の王にふさわしいのは第2王子」というものだった。

回遊魚ヒーローと無表情ヒロインの話です。
マグロヒーローです。目標に向かって一直線1、山は高い方が燃える、泳げなければ死ぬ!!!! という感じの。
ハイパーポジティブハイスペックイケメンヒーローなんだけど主人公枠だから許されているだけで、脇役ならたぶん仕事中毒かヤンデレ当て馬だし #イケメンだからセーフ みたいな。
いや良いやつですよ。

あとは大体タイトルの通りなんですけど、「嫌われ姫」と呼ばれるオデットは人目を避けて城の裏庭へ出歩いている最中オデットは塔から顔をだしているすさんだ雰囲気の、しかし所作は洗練されている男と出会った。彼こそがこの国の第1王子アッシュロードである。第2王子の臣下となり侯爵位を戴けば幽閉を解かれるという条件を突っぱねてこの塔で過ごしている。
定期的に(俺の暇つぶし相手になるために)この塔に来るんださもなくばお前がレダン王家の秘密を使って脅迫をたくらんでいると元父上に訴えると脅迫された。
この男がマグロヒーローです。好きな女性に「首を洗って待っていろ!」というある意味残念系です。

ひさしぶりにがっつり恋愛小説を読んだ気がします。ごちそうさまです。

あとあとわたし宮城とおこさんが昔々から好きで好きで、ラノベの挿し絵をされているのはずいぶん久し振りで黒髪男子はうっかり精悍になったサリタみたいやなあと眼福に浸っておった。

  1. 目標に向かって一直線の例としては顔を売るために5日間舞踏会に出席し続ける(6日目で倒れる) []

斯くして歌姫はかたる 恋うる愚者に贖罪を (ビーズログ文庫)

魔王に力を奪われ、再び楽師になるために日々努力に励むイヴリーン。
イヴリーンの過去の姿「次期最高司祭のエルネスティーヌ」は世間的には死んだことになっているが聖カントゥース神王国で生きているという噂が流れている。情報源は宮廷情報に精通した人物であるということから根も葉もない噂として聞き流せることではなくなった。
一方で「エルネスティーヌ」逝去に関して、<魔王>と対峙した際の楽院生の審議会への召喚を求められた。それが当時音痴で知られていたイヴリーンである。

ひばりが生きているとも聞かされいてもたってもいられずイヴリーンは楽院を飛び出しそうなることを見越して待っていたリュクシオルとともにカントゥースへ旅だった。

変態さんいらっしゃい続く。帯をめくって右下って著者略歴にあったからめくってみると「踏んでください!!!」の状態の人がいて大変わろた。

必ず追いついてみせる、待ってなくていい待たれて背中を預けられても胸くそ悪いと言い割とぐいぐいと迫る一方で「イヴリーン」と呼べず何度もどもっているというその純情ぶりがとてもよいです。
イヴリーンとリュクシオルが双方に喧嘩ップル、ツンデレと属性もっているので読んでいてとても楽しいです。

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